レビュー
SPICY CHOCOLATE | 2015.11.20
2012年に発表された「ずっとfeat. HAN-KUN & TEE」が、NTTドコモ“想いをつなぐ”篇CMソングに起用されたことをきっかけに、一気にその名が全国区となったSPICY CHOCOLATE。1990年代、日本の音楽シーンには、タイアップ=ヒットというひとつの公式があった。しかし、シーンの変遷の中、この公式が崩れていった。そうなってから久しい。そんな中、本当にたまに、タイアップからヒットにつながる曲がある。「ずっとfeat. HAN-KUN & TEE」もそうだ。しかし、前述した公式は当てはまらない。ならば、理由は何か。
楽曲の力、である。CMは、15秒、30秒という短い中で、曲を相手の記憶に刻まなければならない。声、メロディー、歌詞……すべての要素がばっちりマッチしなければ、強い楽曲にはならないと私は思う。そういう意味では「ずっとfeat. HAN-KUN & TEE」は、奇跡のような極上のマッチングを果たした1曲だったと言えるのではなかろうか。
この“極上のマッチング”は、SPICY CHOCOLATEの強烈な武器だが、SPICY CHOCOLATE名義の楽曲作りに対するスタンスにも表れていると思う。
自分と他人の音楽性とのマッチングも楽しんでいるのだ。しかも、聴き手の想像を超えたアーティストを連れてくる。そこには、楽しむのと同時に、新しいマッチングへのこだわりも感じられる。
新曲では、スキマスイッチで表情豊かでタフなボーカリゼーションが魅力の大橋卓弥と、天才バンドやソロなど多彩なスタイルで活躍する奇妙礼太郎をフィーチャリング。「ミスキャスト feat. 大橋卓弥(スキマスイッチ)& 奇妙礼太郎」として、11月25日に配信がスタート(着うた、RBTは11月18日から配信)する。
温もりあるメロディー、シンプルだがロマンチックなアレンジと、2人の歌声が印象に残るミディアムバラードだ。歌詞を手掛けたのは大橋卓弥。<僕の好きな人は友達の恋人>と、歌詞のワンフレーズにあるように、失恋がテーマだが、大橋のストーリーテラーとしての資質が光る逸品。日常的なシチュエーションと主人公“僕”の気持ちを描写し、少ない言葉数の中でストーリーを展開させた才能に拍手。最後には、次へ進もうとする“僕”の背中が見えてくる。
そして、やっぱり大橋と奇妙の2人のボーカルは、大きな聴きどころ。大橋のボーカルからは相手に対する溢れる気持ちの熱さが、奇妙のボーカルからは他の人に恋する相手の気持ちを察した現実の寂しさが感じられる。
【文:伊藤亜希】
<配信情報>
「ミスキャスト feat. 大橋卓弥(スキマスイッチ) &奇妙礼太郎」
11月25日(水) iTunes・レコチョクなど主要サイトにてフル配信開始!
11月18日(水)からは主要配信サイトにて着うた・RBTにて配信中!
▼着うた・RBTのダウンロードはこちら!
http://recochoku.jp/song/S1002377250/
▼スキマスイッチの大橋さんが書き下ろした歌詞も大公開!
公開中の歌詞はこちら!
http://www.uta-net.com/song/197313/
▼ミュージックビデオ Short Ver.
リリース情報
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ミスキャスト feat. 大橋卓弥(スキマスイッチ) & 奇妙礼太郎(配信限定)
発売日: 2015年11月25日
価格: ¥ 250(本体)+税
レーベル: ユニバーサル ミュージック
収録曲
1.ミスキャスト feat. 大橋卓弥(スキマスイッチ) & 奇妙礼太郎