レビュー

Amelie | 2017.01.10

 埼玉県越谷市出身の4人組ロックバンドAmelie。2015年12月に初の全国流通盤をリリースして以降、ライブ活動も着々と重ねながら注目度を急速に高めてきたが、最新ミニアルバム『ドラマチック』は、さらなる追い風をこのバンドに吹かせることになるだろう……という予想をする理由は、とにかく明確だ。「曲があからさまに良い!」ということに尽きる。今作は「ポップ」や「キャッチー」という表現が、痛快なくらいよく似合う。

 例えば、1曲目を飾っている「君が為に鐘は鳴る」が、文句なしに強力だ。ビートを軽やかに乗りこなしながら放たれるメロディは、「自由」や「開放感」というイメージをそのままサウンドとして具現化したかのような風味を目一杯に醸し出している。ORESKABANDのホーンセクションとのコラボレーションも実現しているこの曲を聴いてもらえば、Amelieのキラキラした魅力を誰もがすぐに感じ取ることができるのではないだろうか。

 荒ぶるビートとギター、疾走感溢れるサウンドが猛烈に気持ちいい「ゼロじゃない」。手拍子をしたくなるポイントを絶妙なポイントに盛り込んでいる「ドラマチック」。甘酸っぱいメロディを鮮やかに開花させまくる「タイムライン」。大切なものを何度も抱き締めるかのような温もりを伝えるバラード「君といま生きている」……などなど、その他にも魅力的な曲ばかりのこのミニアルバムは、ワクワクのフルコースとでも言うべき仕上がりだ。きっとたくさんのリスナーに愛されていくだろう。

 今作を聴いてAmelieが好きになった人には、ライブもぜひ観てもらいたい。華のあるプレイヤー揃いのこのバンドは、目で見ていても非常に楽しいのだ。「空中に浮かぶ見えない何者かと戦っているかのよう」という表現をしたくなるくらいに激しく身体を動かしながら演奏をする直人(Guitar, Chorus)、あっきー(Bass, Chorus)、アサケン(Drums, Chorus)……という強力な男性陣に負けないくらいの存在感を放っているmick(Vocal, Guitar, Piano)が、とにかくかっこいい。弾いていたギターを素早く背中の方へ移動させ、バリバリにピアノを奏で始める彼女の凛々しい姿は、一度観たら忘れられない。今作のリリースツアーが1月29日・埼玉・越谷EASYGOINGSからスタートして、ツアーファイナルは5月19日・渋谷CLUB QUATTROで行われる。興味を持った人は足を運んで欲しい。

【文:田中 大】




リリース情報

ドラマチック

ドラマチック

発売日: 2017年01月11日

価格: ¥ 1,280(本体)+税

レーベル: [NOiD] / murffin discs

収録曲

1, 君が為に鐘は鳴る(Album ver.) (関西テレビ「ミュージャック」10月度EDテーマ)
2, ゼロじゃない
3,ドラマチック (「モーテ桂浜」オープニングTVCM 起用 “高知さんさんテレビ”)
4, やだよ。
5, タイムライン
6, さよならバイバイ
7, 君といま生きている

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