レビュー

フレンズ | 2018.03.27

 2015年6月に始動し、今年の1月に大阪BIGCATとZepp Divecity Tokyoで行ったワンマンライブのチケットをソールドアウトさせるなど、急速な勢いで快進撃を続けている「フレンズ」。おかもとえみ(Vo / 科楽特奏隊) ひろせひろせ(Vo・Key / nicoten) 長島涼平(B / FINAL FRASH、the telephones) 三浦太郎( G / ex. HOLIDAYS OF SEVENTEEN) SEKIGUCHI LOUIE(Dr / ex. The Mirraz)――メンバーを紹介しただけでも、ワクワクする人がたくさんいるだろうが、実際に彼らの曲を聴いたら、虜にならずにはいられないと思う。この5人から生まれるものを端的に言い表すならば、「リスナーの心と絶妙にシンクロする音楽」という感じであろうか。淡々と過ぎて行っているように思える平凡な日々の中でも、実は忙しく絶えず激しく揺れているのが人間の心。その複雑な動きを優しく包み込み、心地よいひと時を噛み締めさせてくれるのが、フレンズの音楽だ。

 最新シングル『ベッドサイドミュージックep』にも、この魅力は最大限に広がっている。まず、タイトル曲「ベッドサイドミュージック」は、彼らの原点と言っていいだろう。ひろせひろせが自身の誕生日イベントでこの曲を披露したことが、フレンズの結成のきっかけとなった。穏やかなテンポ、温かいギターとピアノの調べ、瑞々しい歌声とハーモニーが、圧倒的に美しい。音楽を聴くことによって抱えている不安や悩みの根本的な解決に至れるほど現実の世界は甘くはないわけだが、それでも大好きなメロディやハーモニーに包まれるひと時からは、大きな力を得ることができる。音楽が好きな人ならば、誰でも味わったことがあるはずのそんな至福の経験が、まさしく具現化されている曲だ。

 洗練された街の風景を爽やかに浮き彫りにしていく「喧噪」、リミックスによって新鮮な表情を浮かべている「夜にダンス(DJ松永 Remix)」、軽やかにステップを踏んで踊りたくなる「Hello New Me!」(※この曲はCD盤には収録されない。配信のみ4曲仕様となっている)も収録されている今作によって、フレンズはさらにたくさんの人々と出会っていくだろう。そんな彼らは、4月14日に日比谷野外大音楽堂で『フレンズのフレンズ大集合!~日比谷野音でコラボ祭~』というタイトルのイベントを開催する。メンバーたちの交友関係が窺われる多彩なゲストが既にたくさん発表されているが、フレンズというバンドの本質に脈打っている温かい息吹を自ずと反映したものとなりそうだ。彼らのことが気になっている人は、この機会を見逃さない方が良い。

【文:田中 大】

リリース情報

ベッドサイドミュージックep

ベッドサイドミュージックep

発売日: 2018年03月21日

価格: ¥ 1,759(本体)+税

レーベル: ピマラヤレコーズ

収録曲

1.ベッドサイドミュージック
2.喧騒
3.夜にダンス(DJ松永Remix)
<配信のみ全4曲>
4.Hello New Me!

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