レビュー
レキシ | 2018.07.18
ドラマ『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』への出演を皮切りに、4月にはキャリア10年目を記念した凱旋公演となる野外ライブを地元・福井県鯖江市で成功させ、5月には椎名林檎トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』に収録された「幸福論」のカバーが大反響を集めるなど、2018年になっても話題に事欠かないレキシ。約1年3ヶ月ぶりのCD作品となる「S & G」は、キャリア初となる両A面シングルでのリリースとなった。
1曲目は「S & G」の〈G〉のほう、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」エンディング主題歌として作られた「GET A NOTE」。つまりは〈下駄の音〉ということで、70年代にエンディング曲として愛された「カランコロンのうた」へのオマージュも感じさせる歌詞にニヤリ。サウンドはというと、水木しげるも愛したレゲエのエッセンスも遠くに感じさせる、張り詰めた緊張感が漂うクールなアレンジが丑三つ時のおどろおどろしさだったり、どこか物憂げな鬼太郎のキャラクターなんかを連想させて、物語の余韻を噛み締めるのはぴったりの1曲に仕上がった。
そして、「S & G」の〈S〉のほうは、大河ドラマ『西郷どん』のパワープッシュソングとして、昨年後半からテレビで流れていた「SEGODON」が正式に発表。「KATOKU」に通じる80年代産業ロックの香りを纏ったナンバー。これまた西郷隆盛、いや鈴木亮平のキャラクターに通じるポジティブで爽快感あふれる内容で、ワクワクする気持ちを幕末させてくれる佳曲となっている。
で、じゃあ最後に残った〈&〉は何なのよ!? となるのだが、なんとレキシ本人の朗読(!)によるポエトリーな楽曲「BANASHI」を収録。2つの曲にある「陰と陽」をつなぎ、また昨年のツアーから続くレキシの未来を暗示するような(?)、ミッシングリンク的な物語になっているとかいないとか(どっちだよ!)。その真相は、ぜひCDを聴いて確かめてほしい。
【文:宮内 健】
リリース情報
S & G
発売日: 2018年07月18日
価格: ¥ 1,000(本体)+税
レーベル: ビクターエンターテインメント
収録曲
01. GET A NOTE
02. BANASHI
03. SEGODON