レビュー
すとぷり | 2020.11.12
11月11日にリリースした3rdフルアルバム『Strawberry Prince』は、アルバム収録曲数としてはすとぷり史上最多の20曲、加えてクリエイター陣もお馴染みのHoneyWorks、ナユタン星人のほか、ぷす(fromツユ)、烏屋茶房、和田たけあき、R Sound Design、八王子P、DYES IWASAKI、かいりきベア、れるりり、kzと超豪華な面々が揃い、ボリューミーな1枚に。ななもり。が、前回の2ndフルアルバム『すとろべりーねくすとっ!』の取材時、収録曲について「30曲くらい行けたんじゃないかな(笑)(https://music.fanplus.co.jp/special/2020011471694bdf4)」と口にしていたが、それに少し近づいたような感覚だ。そんな宝石箱のような今作の中身を開けた途端に目の前へと飛び出してくるのは、エンターテインメント性の充実したグループゆえのジャンルを横断する音のギミック。
ライブ配信サービス「ツイキャス」のキャンペーンソング「Streamer」、妄想が暴走する「スキスキ星人」、<ストロベリー!>を連呼する「ストロベリー・レボリューション」といったポジティブ全開な楽曲群では思う存分に遊ぶ表情を、先へと進み続けるすとぷりのスタンスを示す「Very」、先へと君を連れていく「Night of Fantastic」といった一緒に未来へ向かう楽曲群ではストイックな表情を、アプリゲーム『荒野行動』の3周年テーマソングにるぅとが書き下ろした「向こうへ」、初めてが幸せを運ぶ「ハジメテキミと」といったバラードでは、愛に満ちた温かな表情を浮かべていく。フロウを聴かせるヒップホップやEDMを軸にしたクールなサウンドが走りゆくなかでも、一層すとぷりらしさを放つのは、6人が脱獄に挑戦する「STRIKE the PRISON!!」、ハロウィンパーティーへと手招きする「Trick or Prince」。このようなシアトリカルな楽曲が加わってこそ、エンタメユニットとしての価値が証明される。ただでさえ、バラエティに富んではいるものの、今作でも不可欠なのは、ななもり。×さとみ×ジェルから成る大人組、莉犬×るぅと×ころんから成る信号機組、3組のペアによる化学反応。大人組がニヒルな心で叫ぶ「ドラマチックのアンチ」、信号機組が全力で応援する「じゃむじゃむシグナル」をとっても、ライブ映えすること間違いない。<365日君のそばで生きるよ 二人で愛育てよう 未来も作ろう>と永遠の愛を約束する「Prince」にいたるまでは、過去から未来へと繋いでいく想いが描かれたバラードナンバーが続いていく。すとぷりが、世界中へとカラフルな虹をかけるのに、そう時間はかからないだろう。
【文:小町碧音】
【MV】Prince/すとぷり【HoneyWorks】
リリース情報
Strawberry Prince
発売日: 2020年11月11日
価格: ¥ 2,500(本体)+税
レーベル: STPR Records
収録曲
01.Streamer
02.スキスキ星人
03.Very
04.大宇宙ランデブー
05.ストロベリー・レボリューション
06.STRIKE the PRISON!!
07.ドラマチックのアンチ(ななもり。× さとみ × ジェル)
08.Night of Fantastic
09.じゃむじゃむシグナル(莉犬 × るぅと × ころん)
10.マブシガリヤ
11.四季
12.エンキョリクライ。(莉犬 × るぅと)
13.チェキラ☆
14.レベリング(さとみ × ころん)
15.Trick or Prince
16.スピール(ななもり。× ジェル)
17.向こうへ
18.ハジメテキミと
19.Feel Free!
20.Prince