レビュー

AIRFLIP | 2021.03.02

大阪発のポップパンクバンド・AIRFLIPから7曲入りのミニアルバム『All For One』が届いた。オープナーの「Under The Rainbowを再生すると、まずは伸びやかな歌声と陽気なギターが響き、やがて疾走感のあるビートが合流する――はっきり言って、驚いた。一点の曇りもないほど、明るかったからだ。

言わずもがな、ではあるけれど、2020年から現在に至るまで、新型コロナウイルスの流行が続いている。ライブには新たなガイドラインができ、ライブハウスをホームとしてきたバンドにとっては厳しい状況だ。しかもAIRFLIPは、2019年の10月にメジャー1stアルバムをリリースしたこともあって、2020年はさらなる飛躍が期待されていた。




 
そんな中で、ライブが思うようにできない日々となり、さらに10月にはメンバーの脱退が発表される。普通に考えたら、というか私が同じ立場なら、確実に落ち込むし、立ち止まるし、たとえ楽曲を作れたとしても暗いものになると思う。しかし、AIRFLIPは止まらなかった。即座にサポートを迎え、ミニアルバム『All For One』をリリースすることを発表。しかも、前述したように、明るく開けた作品になっているのだ。

「Under The Rainbow」だけではない。TVアニメ『EX-ARM エクスアーム』のオープニングテーマとなっている「Rise Again」は<Hello, hello>とこちらに呼びかけるような幕開けだ。そして、<感じるものに集中して/暗闇の中でも恐れるな/君はまだ君のままだ>(和訳)――アッパーな曲調にのって、ハッとさせられる歌詞が飛び込んでくる。そうだ、<だって今日も生きてる>じゃないか!



さらには、駆け出すようなドラムに昂らずにはいられない「New Coaster」では<逃げろ 逃げろ><投げ出したっていい><乗り越えて新しい生活を手に入れるんだ>と、開放へといざなってくれる。



そこに続くのは、シンガロング必至の、カラッと明るい「Call Me David」。ここまでたどり着く頃には、ライブに行けないフラストレーションや、昨年からの日々の中でため込んだ膿のようなものが、すうっと溶けているのだ。



バンドは、アーティストは、困難にぶつかった時ほど、どんな表現をするかが試されると思う。どうしたって本質が出てきてしまうから。そんな中でAIRFLIPは、突き抜けた『All For One』を完成させた。ライブハウスでは共に歌えないけれど、だからこそ、いつでも君が歌えるような歌を歌う。いわゆる密にはなれないけれど、どこにいても手を差し伸べられるような歌詞を書く。みんなでは跳べなくても、日々の心を弾ませるビートを生み出す。彼らはそんなふうに、「今」しっかりと響く楽曲を作ろうと思ったのではないだろうか。

どんな時も揺るがない強さと、こんな時だからこそ見せた進化が、今作には詰まっている。楽曲だけではなく、きっとバンドの未来も明るい。そう信じさせてくれる一枚だ。

【文:高橋美穂】

tag一覧 J-POP ミニアルバム 男性ボーカル AIRFLIP

リリース情報

All For One

All For One

発売日: 2021年01月27日

価格: ¥ 1,818(本体)+税

レーベル: 日本コロムビア

収録曲

01.Under The Rainbow
02.Rise Again
03.New Coaster
04.Call Me David
05.My Last Rebellion
06.We Promise
07.Unchain
Bonus Track.Rise Again (EX-ARM TV Size)

お知らせ

■配信リンク

『All For One』
https://VA.lnk.to/AIRFLIP_AFO



■ライブ情報

「All For One Tour 2021」
03/20(土)東京 下北沢SHELTER
w/ SpecialThanks
03/21(日)愛知 名古屋R.A.D
w/ See You Smile
03/28(日)大阪 BRONZE
w/ EGG BRAIN

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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