レビュー

ENTH | 2020.12.26

今年3月にENTH、SPARK!!SOUND!!SHOW!!による最狂スプリット作『#ワイタイスカッ』が話題を呼んだ彼ら。残念ながら新型コロナウイルス感染拡大で同作のツアーは中止になったものの、ENTHから全13曲入りの2ndフルアルバム『NETH』がここに到着! 今作は“より自由に、より楽しく音楽人生を生きる為に"という思いで立ち上げた自主レーベル「Gutz Ball」からリリースされることになった。

すでに今作を繰り返し聴きまくっているのだが、彼らの天邪鬼気質というか、自由奔放というか、聴き手の予想をぶっちぎりで超えてくる攻めっぷりに驚いた。いい意味でリスナーの顔色を窺わず、自分たちがひたすら気持ちいいと思うグルーヴを追求した曲調は理屈抜きのかっこ良さ。1度よりも2度、2度よりも3度と聴けば聴くほど深みにハマり、引きずり込まれるようなサウンドを突きつけている。
しかも作品全体の流れを含めて、“ENTHらしさ”の濃度を高めている点もポイントだ。今作は楽曲の合間に「INTRO_session」「skit_scary」「skit_IDK」とセッションやスキットを織り込む初の試みもあり、アルバムのトータル性を踏まえたつくりとなっている。

そうした曲間の繋ぎで遊び心を垣間見せる一方、楽曲においては聴いた瞬間に暴れ出したくなる衝動やパッションを詰め込んだ硬派なナンバーが揃っている。それこそ、「MESSY MASH feat.KAITO&DAIDAI from Paledusk」では福岡発の新鋭ラウドロックのメンバー2人を迎え、ダビーな雰囲気から一転、モッシュ&ダイブなカオスな渦に巻き込む怒涛の展開で焚き付ける。

また、すでに公開済の3本のMV曲も今作のいいフックとなっており、それらの楽曲にも触れておきたい。まずは今年8月に約100体のダッチワイフと濃密ライブ&打ち上げの模様を収めた「SECRET」。英語詞の中にフッと挟まれる日本語詞も効果的で、エモーショナルな歌メロから2ビートに雪崩れ込む瞬間にゾクゾクさせられる1曲。



そして、わざと画質の荒い映像を用いたゆるゆるの絵面に脱力する「WHATEVER」。こちらは中毒性のあるメロディアスな楽曲で、肩肘張らない作風が心地良い。



表題曲にあたる「NETH」は警備員扮するメンバー3人がスーパーマーケットで謎の生命体を退治するストーリー性のある映像が面白く、楽曲はメランコリーな表情を浮かべた渋味の効いた音色で惹き付ける。



もはや背伸びもカッコつけもなし、ライフ・スタイル(生きざま)をそのまま落とし込んだような作風はENTHの真骨頂と言えるものだろう。この楽曲たちがライヴでどんな風に大化けするのか、今から楽しみで仕方がない。

【文:荒金良介】

リリース情報

NETH

NETH

発売日: 2020年11月25日

価格: ¥ 2,300(本体)+税

レーベル: Gutz Ball

収録曲

01.BLESS
02.INTRO_session
03.M.I.P.S
04.SOBER
05.skit_scary
06.SECRET
07.MESSY MASH(feat. KAITO & DAIDAI from Paledusk)
08.skit_IDK
09.COCKY
10.WHATEVER
11.DUMBLORD
12.HENT part2
13.NETH

お知らせ

■配信リンク

『NETH』
https://ldk.lnk.to/enth



■ライブ情報

NETH TOUR
02/13(土)SHIBUYA TSUTAYA O-WEST
02/26(金)NIIGATA GOLDEN PIGS RED STAGE
02/27(土)KANAZAWA EIGHT HALL
03/05(金)SHINSAIBASHI ANIMA
03/12(金)F.A.D YOKOHAMA
03/20(土)HIROSHIMA CLUB QUATTRO
03/21(日)KOBE TAIYO TO TORA
03/27(土)FUKUOKA BEAT STATION
03/28(日)TAKAMATSU DIME
04/10(土)SHIZUOKA UMBER
04/22(木)CHIBA LOOK
04/23(金)MITO LIGHT HOUSE
04/29(木)KYOTO MUSE
04/30(金)OKAYAMA CRAZYMAMA KINGDOM
05/03(月)NAGOYA Diamond Hall
06/11(金)SHIBUYA TSUTAYA O-EAST

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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