守るもののためにもあえて攻める、矢井田 瞳復活第一弾シングル到着!!

矢井田 瞳 | 2011.02.18

 "待ってました!!""やっぱりこれだよ、これ!!"と、聴いた多くの人の心の声が聴こえてきそうな、矢井田 瞳のレーベル移籍第一弾シングル「Simple is Best」は、多くの人が望んでいた、攻めとダッシュを有した、疾走感溢れるバンド感を大切にしたロックナンバー。ただ攻めるのではなく、必要なもの、守るべきもののために、あえて攻める姿勢や、作品全体に漂う<楽しんだもの勝ち>のメッセージは、聴く者の多くを鼓舞し、次への扉を開く起爆剤となってくれる。同じ<攻め>や<勢い>を有しながらも、この2年近くの充電期間以前の彼女とは明らかに違う姿勢や心持ちを有したと思しき彼女に、「おかえり!!」の祝福も込めて色々と話を聞いてみた。

EMTG : まずは、「お帰りなさい!!」ですね、やっぱり。
矢井田 : ありがとうございます!!ホント、「ただいま!!」って感じです(笑)。
EMTG : どうですか?シーンに戻ってこられて?
矢井田 : ”ああ、戻ってきたんだな…”って実感してます。先日の復活ライブにしても、曲作りにしても、こうやって取材を受けるのも含め一つ一つが新鮮で。とは言え、それもデビュー当時とは違う新鮮さなんです。なんか、もう一巡始まった感じというか。
EMTG : リスタート、みたいな?
矢井田 : まさに!!デビューしてからずっと、曲を書いて、アルバムを出して、ツアーしてって循環の繰り返しで、ひたすら前を向いて走り続けてきたんで、私、まったくそれまで自分の過去の楽曲を聴き返してこなかったんです。だけど、この充電期間には、過去の自分の楽曲を改めて聴き返えせて、そこで色々な再発見もあって。
EMTG : それは例えば?
矢井田 : ”矢井田 瞳って意外と濃かったんだな…”とか(笑)。”自分ではイヤだった声の帯域も、実はそこが個性だったんだな…”とか、改めて色々な発見をしていく中、”もし次のシングルを作るなら…”と、今回の「Simple is Best」のイメージがパンと出てきたんです。
EMTG : では、そこで再確認した<矢井田 瞳像>や<矢井田 瞳的なもの>が、この「Simple is Best」には詰まっていると?
矢井田 : ですね。求められているものはもちろん、それ以上に、きちんとそこにこの先を感じさせる部分も入れ込みたくて。
EMTG : それはいわゆる?
矢井田 : バンド感ですね。私、ライブもずっと大切にしてきたので、そのライブで培ってきたバンドならではのグル―ヴやバンド感は是非詰め込みたかったんです。
EMTG : 確かにその辺りはバッチリですね。たぶん多くの人は、今回の楽曲を聴いて、"これだよ、これ!””待ってました! "って感想だと思うんですが。僕は少々意外なところもあって。と言うのも、自分的には、結婚して子供も生まれたこともあり、”復活した際には、母性に溢れた、優しく柔らかい路線だろう”と勝手に思っていたので、今回の楽曲は嬉しい裏切りでした。
矢井田 : エッジの効いた、疾走感のある曲ですからね、今回は。<キチンと守るものがありつつも、そのもののためにあえて攻める>って感じの楽曲になったかな。私にとって<攻め>は大事なファクターですからね(笑)。
EMTG : まさに今回はキチンと大切なものを踏まえつつの攻め曲で。
矢井田 : その辺りは非常に大事にしました。過去の自分を改めて振り返れたことも手伝って、自分一人でガ―ッと突き進んで力を発揮するのももちろん大切だけど、誰かとの化学反応や相互性や有機性を楽しみたいところも芽生えてきて。”自分がどう見られているか?”を気にするよりも、”自分はどう生きたいか””どう進みたいか”に考えも移ってきたんです。
EMTG : あと、5分ぐらいのシングル曲が中心な今のご時世、3分30秒程でバシッとキメてくれたところも潔い。
矢井田 : ムダがないでしょ(笑)。一気に駆け抜けている感があると自分でも思ってます。実はこの曲の基はアコギ1本で一気に作ったんです。4時間ぐらい没頭していたらいつの間にか出来てた(笑)。今回は久しぶりに、”シングル用の曲を作るゾ!!”との意気込みもあったし、あと、これを聴いて”ライブに行きたい!!”とも思ってもらいたかったし。バンドの揺れやグル―ヴも含め、お客さんにも楽しんで欲しくて。なので、色々と演った結果、ライブで自分の首を締めないようには気をつけました(笑)。それもあり、この曲では基本ライブで再現できないことは一切やってません。
EMTG : この曲は歌っていても非常に気持ちが良かったのでは?
矢井田 : いやー、気持ち良かったですね。当初は、”休みの期間中に音楽が自分にとって必要がない”と思ったら、”このまま楽しく生きていこう”と思っていたけど、結果、凄く自然に曲が書きたくなったし、曲に合わせて口づさんでいると、”歌って楽しいな…”と改めて思えて、そこから触発されて、”ギターを弾くのって楽しいな…”と音楽の楽しさを再認識しましたからね。おかげさまで”やっぱり私、音楽が好きなんだ””生活に音楽が密着しているんだ”と改めて実感でき、それを踏まえた楽曲になりました。
EMTG : 歌詞に関してはいかがですか?
矢井田 : 自分にとって大切な人のためであれば、必要以上のパワーを出せるって歌です。それをラブソングにするのではなく、もっと人生観に寄った言葉を詰めることで、老若男女が聴ける生命力のある歌にしようと。重く感じさせない人生観を歌おうと決めてたし。もし、”自分はこう行きたい!!”と決めて、例え進むうちにそれが違っちゃっても、それすら楽しめる人間の方が、人生を楽しめることが最近分ったんで、その辺りも入れ込んでみました。私、日ごろポジティブな時に浮かんだ言葉たちをプールしているんですが、今回はその中からの幾つかをギュッと詰めたので、聴いたみなさんにも同感してもらえると嬉しいな(笑)。
EMTG : 打って変わってM-2「わかんない」は、アコースティック・スタイルのミディアムな楽曲で。これはソフィー・セルマー二さんの「Until Dawn」の矢井田さんの自訳カバーですね。
矢井田 : そうなんです。デビュー当時からセカンドワーク的に、”素敵だな”と思える曲に、私なりの対訳をつけて、多少譜割も変えて歌ったものを収録していたんですが、今回、それを久々に復活させてみました。是非みなさんにも聴いてもらいたい曲を、私ならではの日本語の語感や雰囲気を交え、歌ってみました。
EMTG : サウンドは、けっこうオリジナルに近いテイストで。
矢井田 : 実はこれはバンドのメンバー全員の顔が見える距離で、歌も含めて一発で録ったんです。なので、よく聴くとテンポの揺れ等もあるけど、その場ならではの雰囲気が収められたと思ってます。
EMTG : 矢井田さんの訳も素敵ですね。
矢井田 : 私、対訳を読むのが好きで。あれって訳す人によってセンスが違うんで、そこも楽しみの一つなんですが、この「わかんない」は、<ソフィー・セルマー二の「Until Dawn」を私なりに訳すと…>ですね。なので、メロディの雰囲気を活かすような歌詞と、あえて女性的な言葉遣いの訳をしてみました。
EMTG : ジャケットも久々にギターを持ってますね!
矢井田 :ストレートな感じでしょ!!
EMTG : 先日の東京・大阪での復活ライブに続き、そろそろ本格的に色々なところでもライブを行いたいのでは?
矢井田 : 是非やりたいですね!特にこの曲は、ライブを想定して作ったんで、早くみなさんの前で披露したい。この前の復活ライブは、これまでのシングルヒット集的な総括ライブだったんですが、次からは是非それ以降、これからの矢井田 瞳を見せたいなと。近々みなさんとお会い出来ると思うので、楽しみに待っていて下さい。

【 取材・文:池田スカオ和宏 】

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ビデオコメント

リリース情報

Simple is best

Simple is best

2011年02月09日

ユニバーサル・シグマ

1. Simple is Best
2. わかんない
3. Simple is Best (instrumental)
4. わかんない (instrumental)

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INFORMATION

■ライブ情報
矢井田瞳 2011年LIVE TOUR決定!!

矢井田瞳 2011年LIVE TOUR
◆6月17日(金)
大阪・グランキューブ大阪
OPEN18:00/START19:00
[問]SOGO OSAKA 06-6344-3326

◆6月19日(日)
神戸・神戸国際会館こくさいホール 
OPEN17:00/START18:00
[問]SOGO OSAKA 06-6344-3326

◆6月22日(水)
東京・NHKホール 
OPEN18:00/START19:00
[問]SOGO TOKYO 03-3405-9999

チケット一般発売日:3月26日(土)

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