自身と正面から向き合い、活き活きした瞬間ばかりを詰め込んだ、矢井田瞳のニューアルバム
矢井田 瞳 | 2011.05.18
矢井田瞳の3年2ヵ月ぶりとなるアルバム『VIVID MOMENTS』は、復帰第1弾シングル「Simple is Best」から勢いよく始まる意欲作。得意の疾走感あふれるナンバーや、ブラス・セクションをフィーチャーしたブライトなサウンドなど、聴きどころ満載だ。中でもコンピュータの打ち込みを使った「君の家まで」の次に手弾きピアノのリフが印象的な「雨の降る街」を配したり、アルバムならではの曲も楽しい、楽しい。
リリックも、パワフルな生き方を歌い上げる「SURVIVE!?生き残れ?」や、ちょっと大人な「同情みたいなLOVE」など、バラエティに富んだ“ヤイコ・ワールド”が展開される。
早速、インタビューしてみた。
- 矢井田:久しぶりなんで、なんだか取材も新鮮!(笑)
- EMTG:あはは、よろしくお願いします。本当に久しぶりのアルバム・リリースだけど、作り始めたのはいつ頃からですか?
- 矢井田:いつ、どんな形で出すか、コンセプトもまったく決めないで作っていたので、3年間まるまるかかってます。おかげでバリエーション豊かな内容になりました。
- EMTG:3年は長い!
- 矢井田:そう、今までになかった達成感がありましたよ。
- EMTG:「Simple is Best」から制作が始まったんですか?
- 矢井田:産前にも曲を作っていましたが、産後、初めて書いたのがこの曲でした。だからこの曲は“折り返し地点”かもしれないですね。娘を産んだのが大きかった。これまでにない生命力を感じていたので、俯瞰でみている“もうひとりの自分”が、「今、その気持ちで曲を書いておけ!」って命令して(笑)。自分もこれから迷ったりすることもあると思うんですけど、そんなとき、揺ぎない思いを持っていたら生きる道しるべになるんじゃないかって。もちろん、迷ってる人がこの曲を聴いてくれたら、きっとスカッとするんじゃないですかね。
- EMTG:確かに「Simple is Best」は力強い曲。一方で、「雨の降る街」みたいな沈んだトーンの曲もある。個人的に僕はこの曲がいちばん好きかな。
- 矢井田:嬉しい!制作の後半に書いた曲で、映画のワンシーンを切り取るみたいにして作ったんですよ。さっきの「Simple is Best」が感情のままに書いた曲だとしたら、これは意識的に押さえているかな。そうやって歌を作るスタート地点を変えることで、バリエーションが出てくる。私のパブリック・イメージは「Simple is Best」みたいな曲だと思うんですけど、アルバムを作るたびに「雨の降る街」みたいな曲も入れてきていて。こういうのも自分ではすごく好きなんです。
- EMTG:矢井田さんのイメージって、雨か晴れかで言ったら、やっぱり晴れだもんね。
- 矢井田:でも、雨も大好き。雨が降った後の空が好き。ロンドンとかにいて、たまに晴れるとすごく嬉しくなるでしょ。
- EMTG:確かに!(笑)
- 矢井田:こういう曲は割りと自然にできるんですけど、「ダリダリ」みたいな曲は自分でお尻を叩いて作るんです。
- EMTG:そうなんだ(笑)。「SURVIVE!?生き残れ?」はブラスがかっこいい。
- 矢井田:これもアルバム作りの後半に書いた曲。ブラスを入れようって決めて作ったんですよ。そういう発想がないと、全体にバンド・サウンドになってしまうんで。ホーンのサウンドって、ハッピー系か迫力系なんですけど、これは迫力系でいこうって決めて。
- EMTG:リリックも迫力系だね。
- 矢井田:私にも、不安は常にある。ずっと“中の上”の人生を送ってきていると思ってるんですけど、いつかガタッとくるのかもしれない。そんな自分に向けて歌ってますね。
- EMTG:自分と正面から向かい合って作ったアルバムなんだね。
- 矢井田:出産っていう新しい経験をして、ますますおばあちゃんになってもライブをやっていたいなって思ったんです。しかも、伝えたいことがあってライブをやるっていう。
この前、下北沢の440っていうライブハウスで金子マリさんのライブを見たんですけど、当たり前のようにステージにいる凄さと、音楽に愛されている姿に触れたら、ダーって涙が出てきちゃった。自分も、マリさんや中島みゆきさんや高橋真梨子さんみたいに、名前を言うとステージ姿が浮かぶような人になりたいと思ってます。
だからひとつひとつの曲を丁寧に作っていきたいと思いますね。今回もひとつひとつの曲を納得しながら作っていったので、曲順はどう並べても違和感がないと感じて。そんな活き活きした瞬間が詰まってるから、『VIVID MOMENTS』っていうアルバム・タイトルにしました。 - EMTG:ありがとうございました。
【取材・文:平山雄一】
リリース情報
VIVID MOMENTS【初回盤 CD+DVD 2枚組】
発売日: 2011年05月18日
価格: ¥ 3,619(本体)+税
レーベル: ユニバーサル・シグマ
収録曲
[ディスク:1(CD)]
1. Simple is Best
2. 白詰草のブーケ
3. Can you hear me?
4. SURVIVE!~生き残れ~
5. さよならよりも切ないの
6. 悲しみが吹いた時
7. 君の家まで
8. 雨の降る街
9. 同情みたいなLOVE
10. 花と月とアンテナ
[ディスク:2(DVD)]
1. B’coz I Love You
2. アンダンテ
3. 37.0℃
4. 悲しみが吹いた時
5. Simple is Best
6. ネバーランド行き
7. Go my way
8. Life’s like a love song
リリース情報
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<攻め>と<ダッシュ>を有した、疾走感のあるロックナンバーを発表した矢井田 瞳に「おかえり!!」の祝福も含め色々と話を聞いてみた。
ビデオコメント
INFORMATION
♪矢井田 瞳 LIVE TOUR 2011 VIVID MOMENTS
◆2011年6月17日(金)
大阪・グランキューブ大阪
[問]SOGO OSAKA
06-6344-3326
◆2011年6月19日(日)
兵庫・神戸国際会館こくさいホール
[問]SOGO OSAKA
06-6344-3326
◆2011年6月22日(水)
東京・NHKホール
[問]SOGO TOKYO
03-3405-9999
◆2011年6月24日(金)
愛知・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション
052-320-9100
◆2011年6月26日(日)
神奈川・YOKOHAMA BLITZ
[問]SOGO TOKYO
03-3405-9999
◆2011年7月1日(金)
宮城・Zepp Sendai
[問]キョードー東北
022-217-7788
◆2011年7月3日8日)
北海道・Zepp Sapporo
[問]マウントアライブ
011-211-5600
◆2011年7月8日(金)
福岡・DRUM LOGOS
[問]キョードー西日本
092-714-0159