敢えての王道で挑んだ、T.M.Revolution6年ぶり9枚目のニューアルバム
T.M.Revolution | 2011.04.20
今年、15周年を迎えるT.M.Revolution。この記念すべき年に、9枚目となる待望のアルバム『CLOUD NINE』(4月20日発売)をリリースする。そして、4月上旬からはアルバムを掲げたツアー『T.M.R. LIVE REVOLUTION’11 -CLOUD NINE-』で全国を熱く盛り上げているはずだ。昨今では西川貴教自らの呼びかけにより、東日本大震災を受けてのチャリティー・プロジェクト『STAND UP JAPAN』が立ち上がったり、恒例となりつつある『イナズマロック フェス 2011』も9月17、18日に開催が決定したりと、この先もフル稼働は決定的。敢えてこの年に送り出すメモリアルな作品について、そして15周年を迎えて去来する思いなど、西川自身にあれこれきいてみた。動画と合わせてお楽しみください(ちなみに、動画は3月11日の震災前に収録したものです)。
- EMTG:T.M.Revolutionとしては、かなり久々のアルバム『CLOUD NINE』が完成しましたね。果たして、どんな内容なんでしょうか?
- 西川貴教:今回のアルバム・インタビューでは一環して言ってるんですけど、曲においても歌詞においても、新機軸……というタイプの曲はないと思います。むしろそれを目指していたというか。さすがに6年もインターバルがあるし、もしかしたら、ファンになってから初めて買うアルバムになるっていう人もいらっしゃると思うんですよ。そんな状況で“T.M.Revolutionってこうだったよね”って想像してくれているものから、かけ離れたものを作っても何か違う気がして」
- EMTG:そういう意味ではファンの期待に応えていただいたと。
- 西川貴教:15周年を迎えて、T.M.Revolutionと僕自身との、より良い距離感ができてきたと思うんですよ。その上でやりたいこと、やるべきことを真摯にやっていこうじゃないかと。そういう非常に単純な発想から取り組んだので、目新しいこととか、変化球的なものを求めるのは、今じゃないなって感じなんですよね」
- EMTG:アルバムには4タイプもありますが、やはりトータル18曲入ったボリュームの初回生産限定盤Bが気になりますね。
- 西川貴教:アルバムを出していなかった間も、実はT.M.Revolutionがまったく動いていなかったわけじゃないんです。時折、目が覚めたようにシングルを出してまして(笑)。で、アルバムを出すってことは、その辺の曲達はどうするんだと。自分の中では、どの曲からも影響を受けてきて今があると思っているので、全部入れたかったんです。昔の曲もおざなりにしたくなくて。ただ、単純に6年分の曲をつっこむだけのベストみたいな感じにもしたくなかったし、しっかりアルバムに組み込んで出したかったんですよ。そこで“ダブルCLOUD NINE”っていう発想が出てきて。6年分の6曲と新曲達の2枚分のボリュームで、実は『W CLOUD NINE』っていう作品なんです。表記上、6年分の6曲はボーナストラックになっているんですけど、僕自身はあくまでアルバムの曲という解釈ですね」
- EMTG:限定盤Aも、かなり豪華な内容ですね。
- 西川貴教:アルバム『CLOUD NINE』は4バージョンで発売になるわけですが、CD+DVDつきの初回生産限定盤Aは、是非手にとっていただきたい! というのも、プロモーション時期に完成していなかった「Save The One, Save The All」のミュージック・クリップも入っているし、イナズマロックフェス2010の映像もアンコール以外、全曲入れたんですよ。ちょうど40歳の誕生日っていう大きい節目だったし、本編に関しては、どういう意志でそこに立っていたかも記録されているので、この特典にはすごく意味があると思っています」
- EMTG:ところで、新しいアルバムの曲についても少し語っていただけますか?
- 西川貴教:はい。まずアルバムのリード曲「Pearl in the shell」から説明しますか。今回はリード曲を決める時に、“リード曲なら「Pearl~」かなぁ”と思ってたんです。というのも、昨今のT.M.Revolutionのシングルが「Naked arms」とか「SWORD SUMMIT」、「Save The One, Save The All」みたいに、非常にエッジが強くて押しの強い楽曲だったんです。でも、「Pearl~」はそういうモチーフではなくて。曲にもっと色気を出せたら良いなと思ったんですよね。アップテンポではあるけど、時を経て磨かれたような“Pearl”って言葉もそうですけど、例えば1年をひとつの層と考えて、15年=15層のT.M.Revolutionが育てた真珠玉の方が、1年、2年の玉よりデカくて艶があるんじゃないかと。価値のあるものに変わっていく象徴的なものになるような気がして。昨今のT.M.Revolutionのカラーと違ったところにある曲であり、リードにふさわしいテンション感もある曲とえば、これしかないなって」
- EMTG:個人的には「09(nine)Lives」っていう曲が気になりますね。タイトルからして西川貴教的に縁の深い“9”という数字が入っているので(彼の誕生日が9月19日のため)。(注:09の0は斜め斜線を入れてください)
- 西川貴教:それね! そもそも6年もインターバルをあけて9枚目のオリジナルアルバムを出すってことを平気で発言してることも含めて、つくづくT.M.Revolutionってしぶといなって思うわけですよ。猫だって9回生まれ変わるみたいに言われるじゃないですか。何かそういうしぶとさ、浮いたり沈んだりを繰り返しながらいまだに生きているそんなことを、この9枚目のアルバムで言えるのも良いんじゃないかなと。そういう思いのある曲ですね」
- EMTG:しかも、アルバムを聴いていると、ライブのセットリストにも感じてくるし(笑)。この取材はツアー前に行っているわけだけど、4月からのツアーはどんなものにしたいですか?
- 西川貴教:15周年でもあるし、アルバムを掲げてのツアーでもあるけど、ドラマチックな内容というよりは、曲をどんどんぶつけていくようなシンプルなライブにしたいと思っています」
- EMTG:ほぅ!それでも十分ドラマチックになりそうですけどね。
- 西川貴教:ホントですか?(笑)。あと、今回はアルバムを制作しながら、次のシングルの準備もしてたんですよね」
- EMTG:ええっ!早くも新曲をっ!
- 西川貴教:6月に公開になる予定の「戦国BASARA 劇場版」の主題歌をさせていただくことも決まっているし、結果的にツアーの途中でシングルを出すことにもなると思うので、それを踏まえた上で構想を考えていくとかなりめいっぱいのツアーになるんですよ(苦笑)」
- EMTG:アルバムの曲にこれまでの曲、そして新曲、ということか! 楽しみすぎます(笑)。
- 西川貴教:そういうことを含めても、非常に新鮮なツアーになるのは間違いないだろうと。もちろん、自分も純粋に楽しみたいと思ってますけどね(笑)」
【 取材・文:海江敦士 】
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