T.M.Revolution、セルフカバー第2弾の『UNDER:COVER 2』ついに完成!

T.M.Revolution | 2013.02.27

 T.M.Revolutionのセルフカバーとしては第2弾となる『UNDER:COVER 2』が、2月27日に発売される。ファンによる投票で選ばれた人気の曲達が、個性的なアーティスト達によるアレンジで見事に再構築! 浅倉大介や岸利至、柴崎浩といったT.M.R.となじみの深いアーティストのみならず、布袋寅泰やVERBAL、May J.やthe GazettEという意外な面々も参加しているあたりも話題だ。もはや新曲ではないか……と思わせるくらいに新たな生命が吹き込まれたトラックの仕上がりも圧巻。今回は、豪華コラボが実現したいきさつや、セルフカバーを通して再認識したことを西川貴教自身に熱く語ってもらった。

EMTG:話題のセルフカバー・ベストアルバム『UNDER:COVER 2』は、意外性のあるアーティストとのコラボが印象的ですね。
西川貴教:最初からこういうラインナップでやろうと決めていたわけじゃないんですよ。作りながら思いつきで決めていったんです。
EMTG:えっ! それにしては、あまりにも豪華な……。
西川貴教:ホントに思いつきなんですよ。第1弾を作ったあと、“こういうこともできたんじゃないか”って思うことがいろいろあったんです。その中で、まず純粋にこういう試みの制作はフラットに楽しみたいなと思ったんですね。ある程度活動を続けさせてもらうと、年中行事のように決まってくることも多いけど、それを単なる慣例化したものじゃなく、もっと楽しみたい……だったら『UNDER:COVER 2』は、制作の過程から楽しもうかなと。
EMTG:選曲はファンからのリクエストの結果が反映されているとうかがってますが。
西川貴教:はい。今回も前作(=06年リリースの『UNDER:COVER』)同様、リクエストで収録曲を選んだんですが、やっぱりファンのみんなが大事にしてくれている曲がエントリーしてきますね。でも、シングルしか知らないような方々からすると、あまりなじみのない曲が多いかもしれない。で、そう考えたら、曲のリメイクを少しは無茶してもいいかなって思ったんです。
EMTG:それもあって意外なコラボにつながったのかもしれないですね。例えばthe GazettEがバンドで参加しているのも、ありそうでなかなかないコラボですよね。
西川貴教:最近のthe GazettEの作品のエンジニアを担当している人が、デビュー以来ずっとT.M.R.に関わってくれている人なんですよ。そういうつながりもあったし、“何かここにこういう感じの要素が欲しいんだけど”って話をしていたら“the GazettEなんていいかもね”って話になって。で、“じゃあ、連絡してみようか”っていう感じだったんです。
EMTG:まさに思いつき(笑)。そのthe GazettEが参加した「SHAKIN’LOVE」は、これ、初期のライブでは欠かせぬ盛り上げナンバーでしたよね。
西川貴教:そうそう! そうなんですよ。T.M.R.が今年17年目に入る中、ファンのみならず、自分がやってきたことを見てきてくれた後輩達も、がんばって自分達の世界を作ってきているわけですよ。そういう仲間が、過去に出したT.M.R.の楽曲に対して“ここが面白いと思った”とか“この部分がいいと思った”とかって言ってくれてる意見に、この先の自分のヒントになるものがあるような気がしたんです。どれだけ自分が“こういう部分がT.M.R.なんだ!.”って思っても、自分以外の人が認識してくれた時に、初めて自分の存在も認識できるんじゃないかって。自分がここにいるっていう主張だけでは存在しえないし……そういう鏡みたいなものがファンのみんなだったり、まわりにいてくれる仲間だったりするんですよね。
EMTG:the GazettEのフィルターを通すことによって、別な何かが見えてくるみたいなことなんですね。
西川貴教:言っていただいたように、特に「SHAKIN’LOVE」はファンにとって大事な曲だからこそ、そんな関係性が見えてくる仲間と一緒にやりたかったんですよ。で、曲のベーシックなアレンジはIKUO君(T.M.R.のライブサポートベーシスト)がやってくれて、ドラムは淳士(ex.SIAM SHADEで、以前のライブサポートメンバー)が叩いてくれて。他のドラムの多くは長谷川さん(現在のサポートメンバー)が叩いてるんだけど、淳士は先代のドラマーで、身内みたいな存在なんです。そういう意味でもファミリーみたいなつながりですよね。だから、この曲はファンにとっても納得のいく布陣だったと思います。
EMTG:原曲が好きなファンも多いと思いますが、意外性のあるアレンジはやっぱり新鮮ですよね。
西川貴教:純粋にオリジナル・アルバムを作る作業とは違うけど、ホントに作業は楽しかったです。同時に自分のスキルアップも確認できる機会でもありました。
EMTG:「Tomorrow Meets Resistance」のアレンジに参加したHOME MADE 家族のメンバーとは、プライベートで交流があるだけでなく、お互いが主催するフェスにも出演したりという交流がありますね。
西川貴教:この「Tomorrow Meets Resistance」も、自分が思っている以上にファンのみんなが大事にしてくれている曲。だから、誰と一緒にやろうかって考えた時、自分なりの観点で解釈したり消化してくれそうな、わかり合えた仲間がいいんじゃないかなって思って。それで彼らに声をかけたんですよ。
EMTG:そういう意味では、「last resort」に参加したMay J.さんは意外でしたね。あまり接点があるイメージもなかったので……。でも、彼女のようなボーカルが入ったことで、この曲、すごく進化した気がします。
西川貴教:実は当初から、こういうスタイルで完成させたかったんですよ。で、前作でも参加してくれた大島こうすけと音作りをしていた時に、アイデアが出てきたんですよね。もとは、ふたりの会話でストーリーが作られていくような曲だったから、それをもっと映像的に表現できたらいいなと。そうしたら大島が以前、Mayちゃんのプロデュースをしていた経緯があって、“Mayちゃんはどうだろう”って言ってくれて。
EMTG:“ここでも思いつきが(笑)。
西川貴教:ホントに全部そう(笑)。何ならレコーディングを進めながら“ここにこういう音が欲しいね”って話が出た時に仲間に連絡したりとか。「独裁-monopolize-」に参加してくれたTATSUYAは、そんな流れで参加してもらいました。ここに“ビートボックスあったら面白いよね、入れたいよな”ってところからTAKUYA∞(=UVERworld)に連絡したら彼が何人かリストアップしてくれて。そこから決めていったり。
EMTG:奇跡の連続ですね。声をかけるところまではできたとしても、スケジュールが合うのって大変じゃないですか。
西川貴教:もしくは、そこで断られてもおかしくないのに、みんな一緒にやりたいって言ってくれて、ホントに嬉しかったです。でも、思いつきで実現したところに面白さがあるんですよね。それに、気持ちがある人たちと音作りが出来たのは、今後においてもすごく大事な経験でした。前回の『UNDER:COVER』を作った時は、T.M.R.ではなくabingdon boys schoolを始動させるキッカケになったけど、今回、『UNDER:COVER 2』を制作したことで得たものが、今後のT.M.R.に消化されていくんじゃないかなって気もします。バンドはバンドの良さがあって、メンバーの意志で動かす楽しさもあるけど、僕自身のプロジェクトだと、こういう思いつきでどんどん実現する良さもある。そういう意味では、思いつきを具現化しやすかったのかもしれないですね。
EMTG:まさに偶然の面白さ(笑)。
西川貴教:そこで会えるか会えないか……来れる来られないっていう巡り合わせですね。こういう巡り合わせの妙を、今回すごく感じてます。
EMTG:最終的に、『UNDER:COVER 2』を作ってみて得たものはありますか?
西川貴教:まだまだ伸びしろがあるんだって再認識できたことですね。できれば、それを次のオリジナル作品で形にしていきたい。
EMTG:ちなみに、次のオリジナル作品の構想は見えてきましたか?
西川貴教:まだ何も見えてないですけど、次に出すアルバムがT.M.R.にとって記念すべき10作目になるんです。ひとつの大きな節目になるし、大事に作りたいなと思ってます。

【取材・文:海江敦士】

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リリース情報

UNDER:COVER 2(初回盤)

UNDER:COVER 2(初回盤)

2013年02月27日

ERJ

1. LEVEL 4
2. 蒼い霹靂
3. IMITATION CRIME
4. INVOKE
5. last resort
6. 独裁-monopolize-
7. とっておきのおはなし~新説恋愛進化論
8. O.L
9. Burnin’ X’mas
10. SHAKIN’ LOVE
11. Out Of Orbit ~Triple ZERO~
12. WILD RUSH
13. Albireo-アルビレオ-
14. vestige-ヴェスティージ-
15. Tomorrow Meets Resistance

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お知らせ

■ライブ情報

T.M.R. LIVE REVOLUTION’13 -UNDER:COVER2-
2013/06/01(土)ハーモニーホール座間
2013/06/02(日)ハーモニーホール座間
2013/06/05(水)NHKホール
2013/06/06(木)NHKホール
2013/06/09(日)群馬ベイシア文化ホール
2013/06/12(水)札幌市民ホール
2013/06/15(土)名古屋国際会議場センチュリーホール
2013/06/16(日)名古屋国際会議場センチュリーホール
2013/06/26(水)長良川国際会議場メインホール
2013/06/29(土)熊本市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)
2013/06/30(日)福岡サンパレス
2013/07/03(水)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
2013/07/06(土)神奈川県民ホール
2013/07/07(日)神奈川県民ホール
2013/07/10(水)千葉県文化会館
2013/07/12(金)サンポートホール高松
2013/07/13(土)神戸国際会館こくさいホール
2013/07/15(月)静岡市民文化会館 大ホール
2013/07/17(水)盛岡市民文化ホール
2013/07/20(土)新潟県民会館
2013/07/21(日)富山オーバード・ホール
2013/07/24(水)長野レザンホール(塩尻市文化会館)
2013/07/27(土)サンシティ越谷市民ホール
2013/07/28(日)NHKホール
2013/08/02(金)大阪フェスティバルホール
2013/08/03(土)大阪フェスティバルホール
2013/08/17(土)上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
2013/08/18(日)上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
2013/08/24(土)両国国技館
2013/08/25(日)両国国技館
2013/08/31(土)仙台サンプラザホール
2013/09/01(日)仙台サンプラザホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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