注目のねごと。未来を切り開くファーストアルバム!
ねごと | 2011.07.13
小学1年の頃から中学2年までピアノを習っていた蒼山幸子(Vo)と、家にあったギターを父親と兄が弾いているのを見てギターを始めたという沙田瑞紀(G)と、そんな瑞紀の家に行ったときに興味を持ちギターを始めるもコードが押さえきれず断念し瑞紀に勧められるままベースを弾くようになったという藤咲佑(B)と、高校の軽音楽部に入り部活内で組んだ最初のバンドにドラムが居なかったことでドラムを始めたという澤村小夜子(Dr)の4人でねごとは2008年の1月に本格的に始動し始めた。今作『ex Negoto』には、そんな現役高校生時代結成当初の楽曲も多く含まれるという。なんとも“お口ポカーン”(←彼女たちのイベントによく使用されるワード)な天才的アルバム。
いざ。聴かん!
- EMTG:今回のアルバムを作るにあたって、まずこういうアルバムにしたいっていう全体像を定めたりしたの?
- 蒼山幸子:はい。やっぱり自分たちにとっての初めてのフルアルバムでもあるので、フレッシュさを詰め込みたいねっていう話を4人でして、高校時代に作っていた曲で音源化出来ていない曲たちをこの機会に音源化してここに詰め込もう!ってことになったんです。
- EMTG:高校時代に作った初期曲もあるってこと?
- 蒼山幸子:はい。「ループ」と「AO」と「インストゥルメンタル」って曲は結成後まもなく出場した『閃光ライオット』っていうオーディションの2次審査のときにやった曲でもあったんです。あと、「サイダーの海」や「ふわりのこと」もそうですね。
- EMTG:すごい! 本当にすごい! 「ふわりのこと」みたいな独特な空気感は作ろうと思って作れるモノじゃないな、天才的だなって思った1曲でもあったのに、この空気感が高校時代に出せてたとは……驚き……。衝撃なんですけど……。
- 一同:(爆笑)
- 蒼山幸子:ありがとうござます(笑)。「ループ」に関しては、17歳の頃にレコーディングしたままの状態で、今回のアルバムに入れているんです。クリックも聞いてないし、本当にそのまま録ったモノなんです。
- EMTG:本当にすごい……。「ループ」のちょっと不協和音っぽいギターコードなんて、狙ってやったら絶対に当たってこの感じが出せないと思うからね。
- 沙田瑞紀:そうですね。この曲はその“不協和音のようで、そうじゃないところ”が魅力になっている面白い1曲だなって思いますね。
- EMTG:「ループ」に宿る気だるさが17歳の頃のモノだなんてびっくりなんですけど、本当に……。
- 蒼山幸子:ふふ(笑)。17歳の頃の音のままを入れたっていうそれだけで、フレッシュさは出たかなって感じなんですけど(笑)。
- EMTG:うん(笑)。しかし「サイダーの海」のピアノロックな感じも高校時代の曲とは……。こんなにも透明感を感じさせる空気感を生み出せるのがすごい。控えることを知らない迸る勢いこそが、若さの特権だと思っていたのを覆された感じ。だから、「七夕」やギターロック的な「week…end」が高校時代の曲ですって言われた方が、まだなるほどって思えるというか。
- 蒼山幸子:なるほど(笑)。「七夕」は去年の七夕に作った曲で、「week…end」も最近ですね。「サイダーの海」とか今回録ってみて思ったのは、この頃にしかなかった透明感だなって思いましたね。今自分たちが作り出す透明感とはまた違うというか。今回は本当にそういう意味でも、自分たちの今までをちゃんと見つめ返せた1枚にもなりましたね。ちょうどこのアルバムを録り終えたときに全員がハタチになったこともあり、このアルバムは17歳からハタチまでの3年間が詰め込まれた1枚になったんです!
- EMTG:すごいな。本当に天性のモノを持ってる4人なんだね。驚いた。その他の曲もほとんどアレンジとか変わらず?
- 沙田瑞紀:そうですね、ほとんど当時と変わってない感じです。
- EMTG:今回アルバムを作ってみたことで、改めて感じた自分たちが音楽へ向くときの想いの変化はあったりした?
- 蒼山幸子:でも、やっぱりファーストシングルでもあった「カロン」の制作に当たっていた時期くらいから、人に聴いてもらう音楽を作っているんだっていう意識をちゃんと持ちつつ、自分たち色をどう出していくかっていうことを考えていくようになりましたね。でも、ちゃんとそんな中でも自分たちのやりたい音楽をやるというのは絶対で。いろいろと自分たちでバランスを取りながら向き合うようになりました。
- EMTG:今回のアルバムは、音色へのこだわりも強く感じられるけど。
- 澤村小夜子:そうですね。ギターやベースもアンプとかにもすごくこだわってたし、ドラムもチューニングをまめにしましたし、すごくこだわったところではありましたね。
- EMTG:すごく印象的だったのがベースの音。丸くない音を選んでいるよね。すごく鋭利な音色を何曲かに感じて。
- 藤咲佑:はい(笑)。昔は透き通った音が好きだったんですけど、いろんな音楽を聴いていく中で、自分の好みも変わってきたし、ねごとの音楽もバッキバキに歪んでいるベースを求めているような気がして、最近ではそういう音を中心に選んでいたりしますね。
- 沙田瑞紀:今回のベースはまた特にバッキバキだった気はしましたね(笑)。でも、すごくいいなって思ったし曲にも合ってたので、個人的にもすごく好きな音でした。ギターとの相性も良かったと思います。
- 蒼山幸子:今回は感じてもらったように音色へのこだわりは特に強かったのは確かですね。ギターテックの方やドラムテックの方にも来てもらいましたし、キーボードに関してもキーボード出身のサウンドプロデューサーさんだったのもあって、レコーディング中に“こうしてみようか!”とか“こっちの音にしたらどうかな?”とかいろいろと試しながら作業していけたのが、すごく楽しかったですね。それぞれがすごく楽しんでやってましたね。
- EMTG:なるほどね。壁にぶつかることなく?
- 蒼山幸子:はい。特にストレスなく、すごく楽しめましたね。
- EMTG:流れもすごくいいよね。アンプラグドな雰囲気が印象的な「ふわりのこと」から一気にファニーなロック「七夕」への流れも意表をつかれたし。
- 澤村小夜子:「七夕」はアルバムだからこそ入れられた冒険部分だったかなと思いますね。こういうファニーなロックもひとつのねごとらしさだと思うし、そこは自分たちでも気に入ってるところだったりするので。ドラムに関してもいままでにやったことのないようなフレーズとか面白いコーラスを入れてみたり出来た1曲でしたね。
- 蒼山幸子:「七夕」は歌ってても楽しかったですね。今回アルバムを作ってみて思ったのは、本当にねごとの色っていっぱいあるんだなって思ったんです。透明でもあり、レインボーでもあり。得体の知れない感じがすごく出せたんじゃないかなと思います。
- EMTG:そうだね。原色ではないよね。透明だったり、まだ名前の付いていないいろんな色が混ざり合った色を感じる。「揺れる」とかの独特な色を放つ鍵盤の音もひとつの個性を感じたしね。
- 蒼山幸子:「揺れる」は、「カロン」を作り終えて、自分的に“もっともっといろんな曲がつくれそう!”って、また一歩前に進めた気持ちになったときに作った曲だったんです。
- EMTG:「カロン」も鍵盤の音が印象的だったりするからね。瑞紀ちゃん的に冒険出来た曲ってあったりする?
- 沙田瑞紀:「week…end」はアルバムだからこそ見せられた一面でもあったのかなって。この曲はとにかく早くライヴでやってみたいです! ねごとのハードな部分もみせられたと思うし、曲の雰囲気やメロや歌詞もちゃんと見せられた1曲でもあったと思います。
- 藤咲佑:今だから出せた音とか、今だから考えられたフレーズだったりが、今回はどの曲にも入っていると思うので1曲には絞れないんですけど、それぞれの曲の中にそれぞれのねごとらしさを感じてもらえたら嬉しいです。
- EMTG:そうだね。歌詞に関しては高校時代のモノは当初から変えていたりするの?
- 蒼山幸子:そんなに大きくは変えていないですね。「AO」や「サイダーの海」はほとんど変わっていないけど、「ふわりのこと」は最後にちょっと付け加えたりしたりしました。ねごとは曲から出来ていって歌詞を後から乗せるので、曲に沿った歌詞になっていくんですが、今回このアルバムを作ってみて自分の歌詞を見返してみて思ったのは、未来って解らないモノだし現在って変わっていくモノだけど、そんな中で今自分が感じたことってすごく大事なのかなって思ったんです。今の中にしか本当がないんじゃないかなって思ったんです。だから、これからも自分たちの好きな音に、今という本当を詰め込んで歌っていけたらいいなと思っています。
- EMTG:いい話だね。『ex Negoto』というアルバムタイトルに込められた意味は?
- 沙田瑞紀:“ex”という言葉に興味を持って、みんなに“どう?”って持っていったらびっくりしてて(笑)。調べたら“元”っていう意味だってことを知り、“元ねごと”ってすごいなと思ってでも、その他にもexって“excite”とか“exit”とかexから始まる単語っていっぱいあるなって後々思って。そこもくっつけて、“ねごとの脱皮”っていう意味を持たせることも出来るかなって思ったんです。exから始まる、ここからのねごとという意味も込めて付けたので、これまでのねごととこれからのねごとを、ぜひこのアルバムから感じ取ってもらえたら嬉しいです!
【 取材・文:武市尚子 】
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ビデオコメント
リリース情報
INFORMATION
●蒼山幸子(Vo)
イッカク
「テレビを見ていたときにたまたま出逢ったんですけど、北極に住んでいるイッカクっていうクジラがいるんです。イッカクが群れになって吠えてる映像を見て、カッコイイ! って思って一気に好きになっちゃったんです! クジラなのに角があるなんて、すごくないです!?(※実は角じゃなく牙らしい)なんかロマンを感じちゃうんです。いつか歌詞の中で使いたいなって思ってます」
● 沙田瑞紀(G)
古川日出男
「私がよく検索するのは人物ですね。最近検索した人は、小説家の古川日出男さん。いろいろと書いていらっしゃるんですが、代表作は『ベルカ、吠えないのか?』。本当に古川さんの文章は独特なんです。『ゴットスター』とかも有名みたいですが、この作品もかなり個性的で。全部の文章の頭が“アタシ”から始まっているんです。“アタシ?”“アタシ?”ってずっと続く感じ。その独特な文章感が好きなんです。調べようと思ったきっかけは、ブックのカバーが凝っててすごく可愛いので、他にはどんなのがあるのか気になったんです。私は図書館で本を借りることが好きなんですけど、そこになかった他の作品も見てみたくなって調べました。『サマーバケーションEP』っていう作品の最後のページにモーサム・トーンペンダーさんの作品が載っていたのも気になったので、ミュージシャンにも古川さんファンが多いのかな? と思って更に調べまくりました(笑)」
●藤咲佑(B)
タワレコ(TOWER RECORDS)
「自分たちのシングルのリリース日だったので、店頭にどうやって並べられてるのか見に行こう! と思って学校帰りに1番近いタワレコを検索しました(笑)。なんかすいません、私だけ実用的な感じで(笑)。調べた結果、錦糸町店が1番近かったのでそこに行ったんですけど、置いてなくて……軽いショックを受けました(笑)。古いシングルは置いてあったんですけど新譜が置いてなくて……。錦糸町店はあんまり大きなショップじゃなかったので、こんなことなら無理してでも新宿か渋谷のタワレコまで行けば良かったと後悔しました(笑)。売り切れちゃったのかなって思っておこうかなって思ってます(笑)」
●澤村小夜子(Dr)
トゲナシトゲトゲ
「昔、テレビを見ていたときに【トゲナシトゲトゲ】の話をしていたんです。それをこの前急に思い出して調べてみたくなったんです。その言葉の響きにも惹かれてずっと気になっていたんですけど、ずっと調べるのを忘れていたんですが、この前ふとしたときに思い出し、結局そのトゲナシトゲトゲにはトゲがあるんだっけ? ないんだっけ? と疑問になって画像を見てみようと思って検索してみたんです(笑)。もともとカブトムシとか好きで、昆虫好きでもあるので、検索しながらいろんな虫を見ちゃいました! 最近は【トゲアリトゲナシトゲハムシ】ってのもいるみたいですよ(笑)!」
■ライブ情報
♪SETSTOCK’11
◆2011年7月23日(土)
国営備北丘陵公園
[問]SETSTOCK’11 インフォメーションダイヤル
0180-998-900(24時間テープ対応)
♪JOIN ALIVE
◆2011年7月24日(日)
いわみざわ公園
[問]マウントアライブ
011-211-5600
♪GIRLS’FACTORY 11
◆2011年7月31日(日)
Zepp Tokyo
[問]ホットスタッフ・プロモーション
03-5720-9999
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください