藤巻亮太、ソロ第2弾シングル「月食/Beautiful day」は両A面でリリース!

藤巻亮太 | 2012.08.16

今年の2月にレミオロメンの活動休止を発表し、その後、シングル「光をあつめて」でソロデビューを果たした藤巻亮太。ソロではバンド活動で表現できなかった言葉やアプローチで、新たな扉を開いている。8月15日にはソロ第2弾となる両A面シングル「月食 /Beautiful day」をリリース。今回は、彼自身の内側から出てくる叫びを躊躇なくさらけ出す作品になった。曲には、藤巻自身が感じたこと、思ったことが、正直に綴られている。ここではその秘話を存分に語ってもらった。


EMTG:ニューシングルの「月食」は、かなり前に出来上がった曲だったんですね。
藤巻亮太:バンドとして音楽をやっていく時って、気持ちが開いていくとか、つながっていくとか、何かプラスの思いを共有していくことがテーマになると思うんですよ。ひとりひとりの思いが乗っかることによって、相乗効果が生まれると思いますし。でも、自分の中では、人ってプラスだけじゃなく、マイナスな部分も抱えながら生きていることもあるんじゃないかと感じていて。ある時期、そのネガの部分がドバッと出てきた時に生まれたのが「月食」だったんです。これが生まれた時は、自分としてもすごく衝撃があったし、曲に込められた濃いエネルギーみたいなものを感じたんですね。
EMTG:それはソロ活動を決意する前のお話ですか?
藤巻亮太:はい。でも、こういう内側から出てくる“叫び”って、扱うのがすごく難しかったんですよ。特に、その“叫び”を、バンドのメンバー同士で共有し合って一緒に音を奏でるのって、ホントに難しいと思うんです。それぞれどういう心持ちで曲に向き合ったらいいのか、わかりにくいし。一度(レミオロメンでも)形にしようとしたんだけど、自然とお蔵入りしてしまったんです。
EMTG:かなりパーソナルな感情だったんでしょうね。
藤巻亮太:今思えば、お蔵入りになってしまった理由もすごくよくわかるんです。ただ、自分としては、その曲が生まれた時の衝撃がすごく残っていて。でも、こういうネガな感情や闇みたいなものと向き合わないと、本当の意味で表現の自由とか音楽の本質に触れられないような気がして。一昨年から、バンドとしての次の活動を模索する中で、ひとりひとりがもう一度音楽と向き合った方がいいんじゃないかっていう決断に至って、僕自身はソロ活動をスタートすることになったんですけど。実は、ソロをスタートしようと思った時、一番最初に浮かんだ曲が、この「月食」だったんです。
EMTG:2月のソロデビューシングルは「光をあつめて」でしたが、その前にこの曲があったということですね。確かに「月食」には、心の叫びみたいな強さを感じます。
藤巻亮太:ネガティヴなことを否定するのは簡単だけど、向き合って肯定していくことにも音楽をやっていく意味があると思ったんです。光を描くためには、闇を知らなきゃいけないって。それが曲になりましたね。
EMTG:さきほどから“曲がバッと出てきた”とおっしゃってますが、もしかして、すごく自然に歌詞が出てきたんですか?
藤巻亮太:そうなんですよ。ひと筆書きのように出来た楽曲なんです。
EMTG:ひと筆書き! じゃあ、歌詞は出てきたまんまってことですか?
藤巻亮太:そのまんまです!
EMTG:どうりで言葉に強さがあるはずですね。しかも、“クルクルパーの俺の頭の中のバカを吹き飛ばしてくれ”っていうフレーズが秀逸で(笑)。きっと理論で考えても出てくるような言葉じゃないですもんね。
藤巻亮太:バンドでは歌いにくかったでしょうね。自分が望む望まないにかかわらず、人って何かを得るのと同じくらい失って生きていると思うんですよ。でもバンドだと、表現の種類として、叫びみたいなテーマを扱っていいのかどうか、ずっと悩んでました。
EMTG:ただ、明るいことばかりで曲は書けないですよね。
藤巻亮太:自分としては、一度向き合わなきゃいけなかったんです。“叫び”って、たぶん誰の心の中にもあると思うんですよね。それは否定しちゃいけない。そういう意味でも、“叫び”を肯定したことで、学んだことは多かったです。
EMTG:それだけ解き放ったら、歌った時にスッキリするでしょうね(笑)。
藤巻亮太:演奏してて気持ちいいです(笑)。闇の部分でも表現すれば、どこか気持ちが軽くなるし、それは音楽の役割でもあると思いますね。この曲のおかげで、ソロの意義もすごく広がったと思います。
EMTG:そういえば、この夏、かなりたくさんのフェスに出られていますね。
藤巻亮太:はい。ライブに飢えている自分がいるので(笑)。
EMTG:そしてもう1曲「Beautiful day」は、曲調は違えど、やはり自問自答があり、強いメッセージを感じます。
藤巻亮太:この曲も、自分が自分に課したものから自由にならなきゃいけないって思っていた時期に出来た曲なんです。自由になった時に見える景色って、やっぱり風通しのいい“Beautiful day”みたいな世界になるんじゃないかなって半分、自分に言い聞かせながら作った曲でもありますね。
EMTG:すごく正直に感情を曲にされてきてますよね。これはホントにソロらしい楽曲達だと思います。
藤巻亮太:フィクションかノンフィクションかってことは関係ないと思いますけど、最終的には言いたいことにウソはつけないなっていう思いはあります。
EMTG:「Beautiful day」の歌詞の中で“人は心無にして進める生き物だから 希望と名付けてもいい 愛と呼んだっていい”っていう部分にすごく共感します。どうせ進むなら、希望でいいじゃないかっていう。本当の理由はわからなくてもね。すごく人間賛歌っぽい歌だなって感じます。
藤巻亮太:何か……ホメちぎってますよね(笑)。
EMTG:いえいえ(笑)。純粋な感想ですよ。で、ウソをつかずに表現されているということは、藤巻さん、“流行物には疎いが”っていうフレーズがある以上、そういうタイプ……なんですか?(笑)。
藤巻亮太:ですね(苦笑)。しかも、そのあとに“断捨離は妙に気になっていたよ”っていう歌詞に続くんですけど、その頃、まわりに“断捨離、断捨離”って言ってる人が多かったんです(笑)。これって、物を減らすみたいな話になるのかもしれないけど、最終的には自分の心の中にある執着をなくす、みたいなことかなって思うんです。しがみつこうとするものをパッと手放した時に入ってくるものが大事なんじゃないかと。自分達が一生懸命作って歩んできたレミオロメンっていう存在から離れるのもすごく大きな出来事だったし。でも、そこから旅立たなかったら、本当に大事なものは見えなかったような気がします。なので、必然的にこの言葉には共感したし、そこから始まるのが「Beautiful day」っていう曲なんですよ。
EMTG:すごく……プライベートというか、本質が浮かびでた曲ですよね。
藤巻亮太:ホントに素直に作ってますね、これは(笑)。
EMTG:3曲目は「砂時計」のライブバージョンですね。
藤巻亮太:一番最近出来た曲なので、バランス的にもいいかなと思って。これだけ弾き語りなんですよ。レミオロメンでも弾き語りはほとんどしてこなかったし、こういうシンプルな曲もいいですよね。
EMTG:ここまで続々と曲が生まれていると、アルバム発売も近いのか……と推測しちゃいますけど(笑)。
藤巻亮太:10月17日に「オオカミ青年」というタイトルで1st Albumリリースが決定しました!早く聴いてもらいたいですね。

【 取材・文:海江敦士 】

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月食 / Beautiful day

月食 / Beautiful day

2012年08月15日

ORS

1. 月食
2. Beautiful day

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J-WAVE LIVE 2000+12
2012/09/01(土)国立代々木競技場第一体育館

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2012
2012/09/02(日) 山中湖交流プラザ きらら

藤巻亮太 LIVE 2012"ECLIPSE"
2012/09/12(水)渋谷公会堂
2012/09/19(水)なんばHatch

夢チカLIVE VOL.80 UNPLUGGED in KRAPS HALL
2012/09/22(土)KRAPS HALL

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