栗山千明、1年3ヶ月ぶりのシングルをリリース。
栗山千明 | 2013.04.24
2011年に発売された、栗山千明のファーストフルアルバム『CIRCUS』(2012年に新曲を追加した『CIRCUS Deluxe Edition』として再リリース)は、彼女がリスペクトする豪華なミュージシャン達(布袋寅泰、浅井健一、椎名林檎、9mm Parabellum Bulletら)をプロデューサーに迎えたアルバムであった。
前述したプロデューサー達の個性の強い楽曲群を、栗山千明は、1人のボーカリストとして素直に歌い切っていたと思う。だからこそ、楽曲のバリエーションがよくわかり、そのカラフルさは、ロックンロール特有の華やかさにつながり、アルバムの作品性にもなっていた。
「レコーディングでは、自分が好きな方々とお会い出来て、とにかく緊張していました」(本人談)というこの作品から約2年。栗山千明から、ニューシングルが届いた。
タイトルは「とよす☆ルシフェリン」
作曲、編曲、プロデュースを滝 善充(9mm Parabellum Bullet)が担当。作詞は後藤まりこ(EX.みどり)が手掛けた。
熱心な音楽リスナーでもある栗山千明に、ニューシングルについて、音楽について聞いた。
- EMTG:ニューシングル「とよす☆ルシフェリン」は、プロデュースを滝 善充さん(9mm Parabellum Bullet)が手掛けていますね。滝さんとは、アルバム『CIRCUS』でも何曲か一緒に作られてましたね。
- 栗山:そうですね。『CIRCUS』でいろんなアーティストさんに、いろんな曲を書いていただいた中で、いちばん“この曲、どうなるのかな”って想像がつかなかったのが、9mm Parabellum Bulletさんの「ルーレット」だったんです。
- EMTG:それは、栗山さんが歌う前に感じたことだったんですか?
- 栗山:それもありますし、曲をいただくって決まった時にも、想像できなかったんですよね。それで実際に歌ってみて、自分でもすごくびっくりしたんです。“あ、こういう曲だと、私、こんな声が出るんだ”って。それが嬉しかったんですよね。自分で聴いてて“おぉ?”って驚く、みたいな。自分の声に驚くって感じで。「ルーレット」は、自分も知らなかった自分の声に、気がつかせてくれた曲だった。そこをちゃんと自分のものにしていきたい、もっと突き詰めていけたらいいなっていうのが、あったんですよね。
- EMTG:なるほど。そこをもっと具体的に言うと? シャウト感とか、中低音とか?
- 栗山:なんかこう……気持ちでぶつかってるみたいなとこが、いちばん大きかったんじゃないかな。レコーディングの時、滝さんに言われたのは“丁寧に歌いすぎるから、音程とか気にしないで、1回、歌ってみて”ってことで。で、歌ってみると、意外と気持ちいい。それで思わぬ声が出るっていうか。思わず、出てしまったというか(笑)。だからテクニックで狙ってとかいうのでは、まったく無いんですよね。で、何回か歌って、結果、“1テイク目がいい”って言ってくださったりとか。そういう経験として、自分はたぶん、テクニックもまだまだ無いし、気持ちで歌った方がいいんだなっていうのは、今回の作品でなんとなく見えてきたと思います。
- EMTG:ではその延長線上のお話にもなりますが、例えば、もっとハードな曲、ハードロックでシャウトするような曲にも、挑戦してみたいという思いは出てきました?
- 栗山:まぁ、たまにはいいんじゃないですかねっていうか(笑)。私自身、どちからと言うと、ロックをやっていても、どこかに品の良さみたいなものを残しておきたいみたいな気持ちがあるんですね。だから、今おっしゃった、ハードな要素が入っても、まとまりがいいものであればいいな、と。ただ、いきすぎて自己満足みたいに聴こえてしまうのであれば、やらない方がいいと思ってて。やってみてもいいという思いはもちろんありますけど、それが自分に合うのであればいいかな、と。まだあまりやったことがないところなので、やってみて考えてもいいかなって思ってますね。
- EMTG:今作の作詞は後藤まりこさん。ズバリ、このタイトルを初めて観た時の感想は?
- 栗山:“とよす”って、あの豊洲ですかって言いました(笑)。それから“ルシフェリン”って、ルシフェル? あの天使のことですか? とも言ってましたね(笑)。
- EMTG:私も同じことを思いました(笑)。
- 栗山:(笑)。この歌詞を書いていただいた時、後藤さん自身、頻繁に豊洲に行ってたらしいんです。スタッフさんから聞いたんですけど。その豊洲の街の印象が結構インパクトに残っていたらしく、“とよす”ってついたんですね。後藤さんと実際にお会いしたのは、結構最近で、それまではスタッフさんを介して、いろいろ聞いていたんですよね。で“ルシフェリン”は光の物質って意味で。後藤さんは、豊洲に舞い降りた光の物質、って表現をしてくれて。夜の海に石を投げると光る、ともおっしゃってましたね。その光の物質をのことを“ルシフェリン”って表現をしていました。それで“豊洲って住宅地で開発途中でもある場所で、その中に見えるもの、光るものってことなのかな”とか思いましたね。
- EMTG:実際、歌詞を読んでみて、どんなことを思いました?
- 栗山:不思議だなと思ったのは最初のAメロくらいでしたね。サビはなんかこう……自分にとってのルシフェリンってなんだろう、みたいなことを思いましたね。
- EMTG:そこに答えは出ましたか?
- 栗山:出ませんでした、わかんないですね(笑)。もしかしたら、今いる自分の環境自体がそうかもしれないし。今、たまたまこういう仕事をさせてもらっているけど、そういう人生じゃなかったとしたら、今の自分の環境……芝居やったり、歌を歌わせてもらったりっていうことが、光るものに見えるかもしれないし。はたまた、身近で大切な人を言ってるのかもしれないし、逆に手が届かないような憧れの人かもしれない。いろいろあると思うんですよね。それは、聞いてくださる方も、多分、それぞれで、違うんじゃないかと思ってますし、そのほうが楽しいんじゃないかなって(笑)。
- EMTG:わかりました。では、熱心な音楽リスナーでもある栗山さんにお伺いします。ボーカリストとしてではなく、リスナーとして、普段、音楽とどういう付き合い方をしてますか?
- 栗山:? どういう聞き方ってことですか?
- EMTG:そうです。例えば、朝起きて、とにかくすぐ聴くとか、家ではいつも流れてるとか。
- 栗山:私は、自宅ではだいたい自分の部屋で聴いてますね。テレビはリビングで見るんです。で、部屋にもテレビがあるんですけど、それはゲーム用で(笑)。楽な部屋着に着替えて、ポケーッとしながら聴くときも多いし、部屋にいる時は、だいたい音楽を聴いてますね。このパターンだと、だいたい、仕事から帰ってからが多いので、まったりしたいなっていうのがあって、カフェとかで流れているような、ちょっとBGMよりの音楽を聴くことが多いですね。昔のロックの曲なんだけど、アレンジが違ってて、カフェでかかっているような感じの。
- EMTG:曲は誰もが知る王道ロックだけど、アレンジがライトでラウンジっぽい。コンピレーションものですかね?
- 栗山:そうです、そうです。アレンジ加えて、女性ボーカルになってて、みたいな。あぁいうのを聴きながら、♪ ふふ?ん ♪ って口ずさんでます。
- EMTG:アレンジは違ってて、リラックスするのでも、やっぱり自分が知ってる“ロック”なんだ。
- 栗山:そうですね。知ってるから落ち着くって曲もありますから。逆に、仕事の現場で聴く……例えば、メイクしながらとかだと、アップテンポなものを聴いたり。
- EMTG:あぁ、テンションあげていくんだ。
- 栗山:そうなんです(笑)。やっぱり好きな音楽、アップテンポの曲、激しい曲ってテンション上がりますから。私、疲れてる時こそ、例えば仕事に向かう前に、激しい曲を聴くんです。車で現場入りする時は、車の中で、マリリン・マンソンを聴くって決まってるんですよ。車に乗って♪ ダーンダーダダーンダーンって言いながら、“やるぞ?、仕事だ?”って。
- EMTG:着いたら、車のドア、バーン、みたいな(笑)。
- 栗山:はい。勢いつける! みたいな。あと、結構私、ロックのバラードも好きで。このパターンはあんまりないですけど、例えば、次に泣くシーンがあって、バラード聴いてちょっと気を落ち着けよう、とか。集中しなきゃ、みたいな時に聴きながら“ああ?、落ち着け自分”みたいな時もあります。
- EMTG:音楽で自分のテンションをコントロールしてる感じ。
- 栗山:まさしくそうだと思いますね。
- EMTG:すてきな関係ですね、音楽と。
- 栗山:ハイ。ハイって。あははははは(笑)。
- EMTG:(笑)そんなこともありつつ、作品も出してきた中、今後、音楽との関係性についてはどう考えてます?
- 栗山:私がホントに好きだからこそ、こうしたいみたいなのはあります。それはずっと変わらなくて。それは歌ひとつひとつっていうよりは、大きくアーティストとしてっていうところなんですね。だから、これまでやってきたものを生かして、アー写もPVも、曲から生まれたものとして全力を尽くすっていう。歌は、まだまだで……今回のシングルも、滝さんだったり、他の皆さんに支えてもらいつつ、一緒に作ってもらってる。でも映像、スチールっていうのは、歌より長くやってきた私のジャンルだから、そこで、いかに楽しんでもらえるか。楽しんでもらえるように自分が表現できるかだと思うんです。今私が好きなアーティストさんが、歌や演奏以外のところでも、自分自身をアーティストとしてプロデュースできるような方たちばかりなんですよね。そこは憧れじゃないけど、私もそうありたいというか。この思いは、変わらずに、最初から、今もありますね。だから、これからも長く音楽を続けていきたいなって思ってて。演技、映像、スチールとはまた別に、派手じゃなくてもいいから、とにかくずっと音楽を続けていきたいと思ってます。
【取材・文:伊藤亜希】
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クックパッド、玉子、納豆
クックパッドを結構使ってて、その中で検索したワードなんですけど(笑)。夜中の2時くらいにお腹が空いて、冷蔵庫にあるものを見たら、納豆と卵があるなぁ、と。納豆オムレツ? うーん、もうちょっとなんか食べたいなと思って、卵と納豆で検索して。あ、納豆チャーハンにしよう、と。で、作って食べました。
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