石崎ひゅーい、デジタルシングル「メーデーメーデー」リリース!
石崎ひゅーい | 2013.11.29
- EMTG:『柔道グランドスラム東京2013』のテーマソング。書き下ろしは「夜間飛行」に続いて2曲目ですね。
- 石崎:そうですね。2曲目だ。「夜間飛行」はドラマ(『みんな! エスパーだよ!』)の物語や主人公の“像”が、自分のテーマとリンクして、お題の難易度が簡単だったんです。今回は……なんつうか……どういう方向で行くのか決められなくて。だから選手が試合をやってる時にどんな曲が流れたら熱狂できるかなぁって。そう想像して書いていきました。
- EMTG:ただサビが“SOS SOS”じゃないですか。ある意味、真逆なアプローチ……。
- 石崎:ふふふ。そうすね。でも自分の中では逆方向では考えてなくて。スポーツって闘いじゃないですか。一生懸命に練習した努力や情熱を爆発させたり、何かに向かって叫んだり。だから選手のそういうところと同じ目線で書くというか。僕、女子バレーがすごい好きで。観てると泣いちゃうんですよ。なんかグッとくるんです。
- EMTG:女子バレーで!? 頑張ってる感とかチームワーク感とかに?
- 石崎:そう。泣ける。“わ――!! 俺も頑張ろう!!”みたいな。最終的には女子バレーの曲を書きたいんですけど(笑)。柔道で言えば、グッとくるポイントは一本背負いとかしてる姿だから、僕も一本背負いするような曲がいいなと思って。要するに、でっかいフィールドで、闘うという意味で、同じようなことを示すというか。僕も闘うぞ。いや…闘えないかな…。いや、闘おう。う…うーん? みたいな(笑)。
- EMTG:はははは。つまり真逆に見える“SOS”は、じつは自分を鼓舞する言葉みたいな。
- 石崎:そうです、そうです。スポーツとかって共感だと思うんです。選手に自分を反映させて、その選手の頑張ってる過程を見て、自分も頑張ろうみたいな。そういうことを音楽でもやれたらいいなと思って。
- EMTG:なるほど! 歌の最初に帰る場所や逃げ場がないとか、切羽詰まった状況が出てきますね。それを“天国行きの小田急線に乗って”と表現した。天国って“死”とも“素晴らしい場所”とも取れますね。
- 石崎:ふふふふ。いい歌詞だと思います(笑)。たとえば中央線とか自殺者数が多いじゃないですか。この歌詞はそういう混沌とした風景が必要だった。生きづらい世の中を描写することが必要だったんですよね。
- EMTG:渋谷の女子高生も登場しますね。
- 石崎:僕、まずは女子高生に歌を聴かせたいんです。女子高生に届けばそれでいいんです。プロデューサーに“お前、また女子高生が出てきたぞ”って怒られたりするけど(笑)。何を考えてるかわからない。ちょっと怖い。でも可愛い。いつも時代を象徴してる。女子高生がいないと時代が動かないと思う。だから好きなんですね。
- EMTG:時代の空気を真っ先に感じる存在だと。炭鉱のカナリアみたいですね。
- 石崎:なるほど。うん。うんうん。そういう感じはします。あとは単純に見ていたい(笑)。
- EMTG:そういう“SOS”の描写を重ねて、そこから這い上がる。それが感動を呼ぶわけですね。
- 石崎:はい。これ、僕の中ではとっても真っすぐな言葉で。あんまり“這い上がってゆく”みたいなことって書かないんですけど、柔道と一緒になった時に、こういう言葉があったほうが燃えるなぁって。“もう終わりだ。やべえ”って言ってる人が“オラァ!!”と這い上がる。追い詰められてからの大逆転。そういうのが感動するじゃないですか。今回、書き下ろしって面白いなと思いましたね。自分ではあんまり出さないような言葉が出るから。それがいいなぁって。
- EMTG:メロディもどんどん上がっていって、どん底まで落ち込んだ人を救い上げているようです。
- 石崎:はい。でもサビのキイが高いなって。クセなんですよ。ワ――ッとどんどんどんどん上がっちゃう。そうなるとライヴで歌えなくなってくる。どうしようって。その闘いがあるんです。でも、そこまでしないとダメな気がしちゃうんです。
- EMTG:ギリギリの歌だからこそ胸に届く。
- 石崎:うん。そうだったらいいですよね。
- EMTG:あと、Aメロいいですよね。
- 石崎:そう! この曲、Aメロがいいんですよね! シンガーソング・ライターって、Aメロが結構得意なんですよ。そしてサビでそれをなかなか越えられない悩みを抱えてる。曲のあたまから作ったりするからそうなるんでしょうね。みんな、そうだと思いますよ。
- EMTG:そうなんですか! そんな石崎さんにとって、2013年はどんな年でした?
- 石崎:今年の最初にライヴを毎日やったり、ツアーをやったり、初めてのことをやりまくった年だったので、あぁ、頑張ったなっていう気はしてます。結構、疲れるなぁと思ったけど、ちょっと疲れるぐらいじゃないとダメだなって。あとはライヴをやっていたいなと思いましたね。一番性に合ってる。そう思った一年。ライヴがダメだったらもう終わりだぁって(笑)。
- EMTG:(笑)。その中で「メーデーメーデー」はどんな位置にある曲に?
- 石崎:真っすぐなものを作った。そのイメージがとてもあります。だから聴いてくれた人の感想とか反応とかすごく知りたいです。
- EMTG:確かに真っすぐですね。でもリスナーとしては“とんでもない曲”だなと(笑)。
- 石崎:マジすか。ははははは。
- EMTG:いい意味でド肝を抜かれました。だって柔道のテーマソングですよ?
- 制作スタッフ:そうなんです。これを「いい曲ですね! OKです!」と言ったテレビ東京のスタッフの方もすごいなって。
- 石崎:あはははは。でもさ、今回のサビとかめっちゃわかりやすくない? う?ん。これ、どうなんだろうね…(一同爆笑)。僕自体がまったく希望に満ち溢れてない人間なので、こうなっちゃうんですよね。でも“なんだあの曲!?”みたいに言われたら、それはそれでまた面白いですよね(笑)。
メーデー、メーデー。至急救助されたし。こちらはホームに立つ一般市民。こちらは渋谷センター街に座る女子高生。こちらは石崎ひゅーい。誰か助けてください──。11月27日に配信される石崎ひゅーいの新曲「メーデーメーデー」から無数のSOSが聴こえてくる。テレビ東京系『柔道グランドスラム東京2013』のテーマソング。アスリートの孤独に寄り添い、自分自身の孤独と周波数を合わせた結果、それはすべての人を救う歌となった。ライヴ会場で無数のSOSが叫ばれた瞬間、その場にいる誰もが気づくだろう。自分を救ってくれるのは自分自身。誰もが自分自身を救う救世主になれるんだ。
【取材・文:柳村睦子】
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石崎ひゅーい
自分自身の検索を定期的にしちゃうんですよ。クセみたいなもんです。検索して“クソだ”みたいなこと書かれて“あぁ…。くそ! ムカつくなぁ!”とか、“いい”みたいなこと書かれると“OK、OK”とか(笑)。どっちかと言うと、いい意見を見て喜びたいんでしょうね、きっと。
■ライブ情報
DECEMBER’S CHILDREN
2013/12/15(日)赤坂BLITZ
※石崎ひゅーいは、夜の部のバンド「初恋の嵐」のゲストボーカルとして出演いたします。
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。