進化し続ける[Champagne]のニューシングルは、疾走感溢れるロックナンバー!!
[Champagne] | 2013.12.20
- EMTG:6月にアルバム『Me No Do Karate.』を発表して、9月からは全国ツアーが始まり、そんな中でのシングルリリースということで怒涛のスケジュールだったと思うんですが、制作はどのように行われましたか?
- 川上:「Run Away」は9月に作り始めたんですけど、まさにツアーの真っ最中でしたね。今回はアルバムのツアーということで3時間近い内容なのと新曲を演奏するために練習量も多くて、集中力がすごく必要だったので、さらに新曲を生み出すっていうことはなかなか大変な作業でした。
- EMTG:新しいものを生み出すことと、これまでの曲をしっかり表現することを同時にやるのって、端から見ても大変そう。
- 川上:今回何が大変だったかと言えば、物理的な部分だったんですよ。ツアー中だから喉をすごく大事にしなきゃいけないんだけど、新曲のためのメロディを絞り出す時は自分の声が元になるから、大きな声で唄わなくてはいけないこともある。それこそライブと同じくらいの声量が必要なんです。だから、ライブ、メロディを生み出す時、実際の録音、それぞれの瞬間に100%出せるように、バランスを考えてましたね。
- EMTG:そんな中で生み出された「Run Away」はバンドサウンドなんだけど、ダンスミュージックの享楽性もありますね。
- 川上:この曲はジョギングをしている時に思い浮かんだんです。自分が走る時にはカサビアンやアヴィーチーを聴いたり、帰り道はクールダウンするアンビエントを聴いたりしてたんですけど、そういう音楽を一切聴かずに自分の中から出てくる音楽に耳を傾けて、出てきたのがこの曲で。ダンスっぽくなってるのは、身体を動かしながらできたものだからかもしれませんね。
- EMTG:今までもダンサブルな曲はありましたけど、この曲は地平線を飛んでいくような壮大なイメージも感じさせます。
- 川上:さあ聴くぞ!と勢い込んで聴くものではなくて、まわりで音が鳴っていて、自然と身体に染みこんでいくようなものを作りたかったからそういう雰囲気が出てるかもしれませんね。ただの4つ打ちだとつまらないので。
- EMTG:たしかに無機質なダンスビートではなくて、[Champagne]らしいバンドサウンドが有機的なものにしている。
- 川上:そこはこだわりですね。単純な4つ打ちはまわりはみんなやってるけど、僕らは多彩なビートで踊らせたいという思いがあったので。しかも、打ち込みを足すのではなく、自分たちのフィジカルな力で。
- EMTG:まさにライブを観ていても、4人が爆音を自分たちの力で操って、楽曲として表現している印象がありますよ。
- 川上:そうしないと、演出に頼っちゃうじゃないですか、例えば照明とか映像とかに。とにかく、僕たちは自分たちの人間力が感じられるような楽曲を作りたいし、パフォーマンスをしたい。単純な4つ打ちで終わらせるんじゃなくて、さらにその上をいくような気持ちいいものを目指してるところに、負けたくないっていう思い=人間らしさが出ると思うんでね。
- EMTG:歌詞からは「まわりからなんと言われようと、自分の信じた道を行く」というポジティブな意思が感じられますね。
- 川上:最初は思いっきり風景画みたいな歌詞にしようと思ったんです。だから、走ってる時に見ている景色をそのまま描写してる。そのうちに風景を見てる自分とか、風景に映る人の心を描きたくなって、ああいう歌詞になりましたね。
- EMTG:単純にポジティブなだけじゃなくて、現状に甘んじてない感じもすごく人間臭い。上昇志向を素直に宣言してるというか。
- 川上:最近の人たちって、高級志向じゃなくなってるじゃないですか。高級車に乗りたいと思ったり、高級で品質も高い時計や服を身につけることをしなくなってますよね。こだわりがなくなってきてる。僕自身はそうではなくて、やっぱり高級車にも憧れるし、いいものを身につけてカッコつけたいとも思うんです。僕にとってロック・スターはちゃんとカッコつけてる人なんですよ。で、もしそういう思考が今の世の中の価値観と違うのであれば、そこから抜けだそうと思う。だから、『のらりくらりと「僕」は/はぐれる事を選んだんだ』っていう歌詞を書いたんです。目立つことは歓迎されない世の中だからこそ、自分が本当に目立てる部分がクローズアップされてわかってくるんですよ。その目立てる部分を伸ばして、突き抜けてしまったら、誰も文句を言わないですよね。僕はそうやって生きてきた。「Run Away」は“逃げ出す”という意味もあるけど、"暴走する”という意味もある。だから、暴走して突き抜けて、自分らしいところに戻ってくるという歌詞なんです。
- EMTG:たしかに今、突き抜けたロック・スターっていないんで、そのポジションはぜひ担ってほしいです。つづく「Oblivion」も「Run Away」と同様にピアノの旋律が印象的なメロディアスチューンですね。物語性も感じされる。
- 川上:この曲のサビは大学生くらいのときにできてて、いつか使いたいなあと思ってて。あんまり物語風の歌詞は書かないんですけど、この曲ははじめてフィクションになりました。「Run Away」は都会的な雰囲気ですけど、「Oblivion」は荒野を想起させる乾いたイメージですね。
- EMTG:「過去は振り返らない、未来にしか興味がない」というこちらも前進するようなメッセージ性があります。
- 川上:U2のボノがエッジのギターソロに載せてカッコよく言った言葉があるんですよ。"自分たちは新しいことにしか興味がない”というような内容ですごく印象に残ってて。U2とかプライマル・スクリームとか、いい意味でも悪い意味でも毎回新しいことをやってるじゃないですか。それって、自分たちがやりたいことを信じてやりつづけてるからなんですよね。僕はそういう姿勢にこそ力が宿ると思ってるので、今回の歌詞にその思いを込めました。
- EMTG:「Run Away」も「Oblivion」もピアノがフィーチャーされているところが聴きどころのひとつですね。
- 川上:ピアノで曲を作ってるんですよ。サポートのROSEちゃんに僕が考えたコードを弾いてもらって、その上にメロディを乗せていくという方法を「Starrrrrrr」くらいからメインでやり始めて。ピアノの音を聴きながらだとアイデアが浮かびやすくて、ギターで作るよりも自由度が高くなるので。
- EMTG:3曲目はアルバムから再収録となる「Rise」になりますが、これもピアノが牽引する曲ですね。これも同様の作り方?
- 川上:いや、これはちょっと違うんです。去年の12月にピアノの音を想像しながらギターで作ったんですけど、Bメロから先にできて、最初はかなりノリのいい曲だったんです。で、今年のスタジオ初めに持っていったら、Aメロがすぐにできて、そこからのセッションであの壮大なサビが生まれて、4人とも「これはキたね!」って(笑)。アルバムの中でもすごく重要な曲になりましたね。
- EMTG:その重要な曲をシングルに入れることで改めて聴いてもらいたかったと。
- 川上:うん、それからまだつづいている今回のツアーでも一曲目に演ることが多くて、象徴的な曲になっていたこともあったので。この曲は勢いだけでできない曲なんですよ。ここまでタメがあって、ハードロック的な展開もある曲って、正直新人が演ったら笑っちゃいますよ(笑)。だから、僕らがメロディメインのバンドなんだよってことをようやくわかってもらえる時期にきたから書けた曲だし、ライブの一曲目にもってこれるようになった。自分たちのなかでもファイヤースターターとしてアガる曲ですよね。
- EMTG:最後は「Paint Your Socks Into Pink」。遊びゴコロたっぷりに締めくくります。
- 川上:これは『Me No Do Karate.』の蔵出し音源で、最後の最後に作った曲なんです。みんなヘロヘロの状態の時にできたから、レコーディングのストレスをすべて発散してる曲です。だから、歌詞もエレン・ペイジ(『ジュノ』や『インセプション』に出演してるハリウッド女優)とデートしたいという、意味不明な内容だし(笑)。
- EMTG:2014年3月には武道館公演も決まってるということで、来年の展望をお聞かせください。
- 川上:武道館公演はひとつの通過点だと思ってますが、やっぱり背筋がピンと張るような会場ですし、日本でロックが始まったところだし、光栄な気持ちです。将来的にはあそこで何日間もライブができるようなバンドにならなきゃいけないし、来てくれたお客さんみんなに[Champagne]は武道館では収まらないって言わせなきゃいけないし。さらに上を目指すために、恐れず挑みたいですね。2014年は「そういえば春に武道館で演ったね」って思えるくらい、その後も盛りだくさんな活動をしていくので、楽しみにしててください。
6月にニュー・アルバム『Me No Do Karate.』を発表、さらに9月からは大規模な全国ツアーを敢行中の[Champagne]が2013年を締めくくるシングル「Run Away / Oblivion」をリリースする。「Run Away」はナイキのリストバンド型活動量計「Nike+ FuelBand SE」のミュージックビデオコラボ曲、「Oblivion」はファッションブランド「LITHIUM HOMME」とのタイアップとなっており、[Champagne]の流麗なメロディセンスをたっぷり味わえる内容に仕上がっている。そんなニュー・シングルについて、さらには初の武道館公演も決定している2014年について、フロントマンの川上洋平(vo&g)に話を聞いた。
【取材・文:小林“こばーん”朋寛】
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リリース情報
お知らせ
バスマット ソイル
最近ひとり暮らしを始めたんです。バスマットって、毎回洗うの大変かなと思うんですが、洗わなくていいバスマットを見つけたんですよ。「soil」っていうバスマットなんですけど。土でできてるんですが、そこに足をのせると瞬時に乾くんです。“すっ”と、足が吸われるような感覚で。きれいだから置きっぱなしにもできるし、1週間に一度くらい天日干しするくらいで大丈夫みたいです。一昨日届いたばかりなんですけど(笑)。ほんとにおすすめです。
■ライブ情報
We Don’t Learn Anything Tour 2013-2014
2014/03/28(金)日本武道館 SOLD OUT
2014/04/10(木)Zepp Namba Osaka
2014/04/11(金)Zepp Namba Osaka
2014/04/13(日)Zepp Fukuoka
2014/04/20(日)Zepp Sapporo
2014/04/28(月)Zepp Nagoya
2014/04/29(火・祝)Zepp Nagoya
2014/05/09(金)Zepp Tokyo
2014/05/10(土)Zepp Tokyo
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。