フラワーカンパニーズとハルカトミユキのスペシャル対談!

フラワーカンパニーズ | 2014.10.22

 泣けるポイントを増幅させた曲がある。斬新な解釈を見せた曲もある。結成25周年を迎えたフラワーカンパニーズへの愛に溢れたトリビュート盤『I❤FC MORE THAN EVER ~FLOWER COMPANYZ TRIBUTE~』。それに参加したハルカトミユキと、フラワーカンパニーズの鈴木圭介とグレートマエカワの対談が実現。選んだ楽器で性格が決まる説、コンポーザー同志の深い話、そして…。ここにもまたフラカン愛が溢れていたのだ。

EMTG:第一印象はどうでしたか?
グレートマエカワ:俺、最初は眩しくて見られなかった(一同笑い)。その前に噂は聞いてたの。ハルカちゃんはストイック、ミユキちゃんはちょっとファニーだって。
ハルカ&ミユキ:あはははは!!
グレートマエカワ:それが曲にも表れてる。ハルカちゃんはヴォーカリスト独特の雰囲気があって、鈴木もいつの間にかそうなったよね? プレッシャーやアンテナの張り方のせいで、ヴォーカリストは楽器をやる人と違ってくる。他のバンドを見ててもそう思うよ。
鈴木圭介:アンテナと言うより、ひと皮剥く感じかな。ちょっとしたことですげえ傷つかないと歌詞なんて書けないんですよ。だから、あえて自分に負荷をかける。わざと雨に打たれてみるとか。フラれても“女に捨てられた俺、イケてる…”とか(一同爆笑)。
グレートマエカワ:喜びでもいいのに、悲しみだけに行くところが鈴木イズムなんだよな。
ハルカ:あぁーー!
ミユキ:(ハルカも)似てるよね? 幸せになれないってよく言われてます。
鈴木圭介:言われるんだ(笑)。逆にベーシストはガサツ。弦が4つしかないし、間違えてもあまり気づかれないし。
グレートマエカワ:俺はガサツだけど、ベーシスト全員がガサツなわけではない(笑)。
鈴木圭介:そうだね(笑)。ベースはね、ちゃんと人付き合いができる。常識人。ドラムも比較的そうなるね。
グレートマエカワ:ギタリストはね、一番興味があるのは、飲み会のつまみとギター・ソロ(笑)。鍵盤ってどうなんだろう?
ミユキ:私に限って言えば、ガサツですね(笑)。鍵盤は押せば音は出るし。
鈴木圭介:でも鍵盤は間違うとバレるでしょ。だから、ちゃんとしてるんじゃない?
ミユキ:バレまくってますが、ま、いっかって思っちゃうんですかね。そこが、もうガサツ。
ハルカ:適当だもんね。困ったら♪フワァ~~って音出してごまかしてる。あの…“ストイックで喋らない自分がかっこいい”方向ってのは考えなかったんですか?
鈴木圭介:……ある(一同爆笑)。それを実践したことがあって。俺達はキャラがダメなんじゃないかと思って、意図的にライヴで喋らないようにしたんだよね。
グレートマエカワ:それが1998、1999年頃。でも、お客さんは減るわ、ストレスたまるわ、ライヴは面白くないわ。逆に自分らのキャラクターをわかってなかったね。自然のままに、やりたいようにやるのが一番だなって。
ハルカ:まさに! 私達2人だけで何も考えずにやって来ちゃったので、いまだに、お客さんとの距離感がわかってなくて、時に迷走してます。
鈴木圭介:だからね、最初からキャラ設定が出来てる人は順調に売れていくんだと思う。
ハルカ:あ―!! 私、よくわかりづらいって言われてます。
鈴木圭介:本能的に出来てる人はクラスでもモテてるでしょ。例えばビジュアル系のバンドは自分たちのキャラをちゃんと考えて成功してるバンドが多いよね。僕らみたいなバンドは見せ方は考えるけど、彼らは見られ方まで考えてる。プロフェッショナルだなと思う。
ハルカ:フラカン先輩は楽しませ方のプロ中のプロだと思うんですけど。ライブ見ると、いつも、いつのまにか楽しんじゃってる私がいます。
EMTG:ここでトリビュート盤の話題へ移します。ハルカトミユキさんがカヴァーした「感情七号線」はすごくいいテイクでしたね。
ハルカ:ありがとうございます。もともと私の個人的な神曲で、一時期の私になくてはならない曲でした。先日僭越ながらライブでも歌わせてもらったんですが、ヤブさん(プロデューサー)にも大好評でした(笑)。「感情七号線」は負け犬どものテーマソングだと思ってるんですけど、自分が曲や詞を書くのが苦しくてどうしようもない時期に改めて聴いたら、ヤバかったですね。歌詞が最初から最後まで染みまくりでした。トリビュートのお話を頂いた時に、もう、絶対この曲しかないと思ったので、直訴しました。
グレートマエカワ:ひと言目からめちゃめちゃ負け犬感出とった。ドキッとしたもん。
鈴木圭介:サビをため気味に行くでしょ? あれが“うわー、すごいなー!!”と思って。
ハルカ:あぁ…良かった…。元はといえば、誰かに聴かせるということでなく、自分1人でギターでポロポロと歌ってたものを、レコーディングでちゃんと伝えられるか、不安で。でも絶対に何かを残したくて。だから、ちょっと音楽的じゃなくなってもいいから、できるだけ歌詞の一行一行に入り込んで、サビは溢れる感情を抑えるように歌いました。
鈴木圭介:なるほど! 抑制してるから、逆に滲んでくる感情がある。
グレートマエカワ:勉強になるわ…(一同爆笑)。
鈴木圭介:本来、あの歌はそういう歌なんだよね。たどり着きそうで、たどり着かない。曇り空のままで終わる。
ハルカ:“最後まで負け犬のままなんだ…”って(笑)。それを小僧の私が歌うんだったら、精一杯もがいてやろう、と。
鈴木圭介:すぐに答えが出るなんて安易じゃないかと、僕は思ってて。それを汲み取った上での歌い回しだった。あの、歌詞はたくさん書き直すタイプですか?
ハルカ:はい…。私は感情表現が下手で、言いたいことも、すぐ遠回しにしてしまうの、どんどん削って削って、出来るだけ伝わるところまで行くように、それでもまだ遠回しになってたりします。
鈴木圭介:そっちのほうがいいっすよ。僕は最初に思いついたものをバーッ!! と書いて、それを書き直しても“語尾を変えたり、倒置法にしても、結局はわかりづらくなっただけ。一番伝えたいことは最初に書いた歌詞にあるんじゃないの?”って戻すことが多かった。でも、それは中途半端なところで投げ出してるから。書き直しきるというパターンもあるかもって、最近やっとわかった(笑)。
グレートマエカワ:それはやってみる価値があるね。トライしてみて、またもとの方法に戻ることも悪くないと思うし。
EMTG:話は尽きませんが、そろそろタイム・リミットが…。言い残したことがあれば。
ハルカ:もうちょっといいですか? 私、スターになるのが小さい頃の夢で…(笑)。で、スターには2種類あると思ってて、最初から輝いてる生まれつきのスターと、努力を重ねてボロ雑巾みたいになって、最終的に輝く人。自分が歌い始めてわかったんですけど、どうやら私は前者じゃなかった。ということは、私もうボロ雑巾系になるしかない!だから…すごい失礼な話なんですけど…。
グレートマエカワ:つまり話は長~くなったけど、フラカンはボロ雑巾だと(一同爆笑)。
ハルカ:うわーーーー、違うんです。ボロ雑巾になった末にスターになった大先輩だと思うので、そこを目指して行きたいんです。あれっ?? これ大丈夫ですか? 失礼なこと言ってませんか?
鈴木圭介:いやいやいや、大丈夫! でもボロ雑巾のスターを目指すのは、きついと思いますよ? リスクは高いと思うなぁ。
グレートマエカワ:話を聞いてると、鈴木感が相当あるよね? ヴォーカリスト感だけでなく負け犬感も同じとは(笑)。対談でもない限り、そういう話はあまりしないからね。
鈴木圭介:そうそう。歌詞の話とかなかなか踏み込んで話せないから。
グレートマエカワ:だからすごく面白かった。これ、シリーズ化するといいよ。タイトルは“負け犬さん、いらっしゃい”(一同爆笑)。

【取材・文:柳村睦子】



※対談終了後、記念撮影。4人の距離はこんなに縮まりました!?

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ビデオコメント

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リリース情報

I◆FC MORE THAN EVER ~FLOWER COMPANYZ TRIBUTE~

I◆FC MORE THAN EVER ~FLOWER COMPANYZ TRIBUTE~

2014年10月22日

SMAR

1.クリープハイプ 「吐きたくなるほど愛されたい」
2.THE BACK HORN 「はぐれ者賛歌」
3.忘れらんねえよ 「ホップ ステップ ヤング」
4.爆弾ジョニー 「俺たちハタチ族」
5.ハルカトミユキ 「感情七号線」
6.田我流 「発熱の男」
7.豊満乃風+フラカン芸人 「真冬の盆踊り」
8. go!go!vanillas 「脳内百景」
9.新山詩織 「深夜高速」
10.トモフ&ピーズ 「煮込んでロック」
11. SCOOBIE DO 「恋をしましょう」
12.うつみようこ&THE OLD FELLOWS 「真赤な太陽」
13.フジファブリック 「星を見ている」

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■マイ検索ワード

●ミユキ(ハルカトミユキ)
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やる気がないときの対処法

何回か調べてるんですけど、毎回同じ答えしか出てこないんです。でも定期的に調べちゃうんです。

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乗り換え案内 梅ヶ丘から乃木坂

毎回検索はいっしょ(乗り換え検索)なんですけど、今日は梅ヶ丘にいたので乃木坂までの乗り換えの時間と乗り継ぎを調べました。

●グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)
モハメドアリ

1976年に武道館で行われた試合がノーカット盤のDVDで出たので調べました。それをこないだ移動中にずっと見てたんだけど、すごい楽しかった。


■ライブ情報

<ハルカトミユキ>
秋の東名阪ワンマンツアー

2014/11/02(日) 大阪 umeda AKASO
2014/11/03(月祝) 名古屋 CLUB QUATTRO
2014/11/15(土) 恵比寿LIQUIDROOM

<フラワーカンパニーズ>
フラカン結成25周年 ~ほぼ対バンtour~
『シリーズ・人間の爆発スペシャル』

2014/10/25(土)北海道 函館club COCOA
2014/10/26(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2014/11/01(土)山口 LIVE rise SHUNANN
2014/11/03(月・祝)愛媛 松山Double-u studio
2014/11/05(水)大阪 十三ファンダンゴ
2014/11/15(土)福井 福井CHOP
2014/11/16(日)富山 club MAIRO
2014/11/21(金)岩手 盛岡club change WAVE
2014/11/23(日)山形 酒田MUSIC FACTORY
2014/11/30(日)岐阜 CLUB ROOTS
2014/12/06(土)栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
2014/12/07(日)栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2

フラワーカンパニーズワンマンライブ
2014/12/18(木)京都 磔磔
2014/12/19(金)京都 磔磔

フラカン25周年記念トリビュートparty
『WE❤FC MORE THAN EVER』

2015/01/15(木) 東京 赤坂BLITZ

フラカン結成25周年 ~ほぼ対バンtour~
『シリーズ・人間の爆発スペシャル』

2015/01/22(木)三重 松坂M’AXA
2015/01/24(土)宮崎 SR BOX
2015/01/25(日)佐賀 GEILS
2015/01/31(土)滋賀 U☆STONE
2015/02/01(日)和歌山 GATE
2015/02/03(火)奈良 NEVER LAND
2015/02/08(日)群馬 高崎club FLEEZ
2015/02/11(水・祝)山梨 甲府Conviction

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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