KEYTALKニューシングル『桜花爛漫』は、ロックの英才教育になるか!?
KEYTALK | 2015.04.28
- EMTG:「桜花爛漫」は「境界のRINNE」のオープニングテーマとして書き下ろしたんですね?
- 首藤義勝(Vo & B):そうです。まず疾走感があるサウンドを先方が求めていらっしゃったので、そこは意識しつつ。でも、すごく自由に作らせて頂きました。サビのメロディは以前から思いついていて、メンバーにも聴いてもらっていたものだったので、かなりスムーズな制作でしたね。
- EMTG:メロディのネタのストックって常に持っているんですか?
- 首藤:今回はたまたまです。前作の「FLAVOR FLAVOR」の制作をした時に出したネタが丁度あったので、それを今回の曲で使いました。「桜花爛漫」は和風のメロディ。こういうのはKEYTALKが前からやっていることですけど、それが「境界のRINNE」に合っていたと思います。高橋留美子先生の作品は、和風なペンタトニックスケールの雰囲気があると思うんですよ。
- EMTG:作風をスケールで喩えるって、ミュージシャンらしい(笑)。ペンタトニックスケールってロックで多用されるけど、使い方によっては和テイストになるから、たしかに高橋留美子先生の作品に漂う和的な情緒と通じるものがあるかも。
- 首藤:分かってくれる人がいて良かったです。これ、誰かに言いたくてしょうがなかったんですよ(笑)。そういう雰囲気、ありますよね? 代表作の『らんま1/2』や『犬夜叉』とかもそういうイメージがありますから。
- EMTG:この曲のメロディ、「境界のRINNE」にすごく合っていますよ。
- 寺中友将(Vo & G):Bメロもいいんですよね。義勝の作る曲はBメロがいいと、全体としてもすごくいいものになる傾向があるんですけど、この曲はまさにそれです。最初に聴いた時からサビがすごく際立っていたし、全体としてもいい雰囲気を感じていたんですけど、個人的に「Bメロ、きてるな!」って思っていました。
- EMTG:Bメロって、サビの爆発力に繋がる重要な導火線の役割を果たしますからね。
- 寺中:そうなんですよ。曲によってはBメロがないものもありますけど、Bメロがあるとサビが引き立つんですよね。もしかしたらBメロってサビのメロディを考える以上に難しいとも言えるかも。
- EMTG:「高橋留美子先生の作品にはペンタトニックスケールが合う」という義勝さんの提唱する説に関しては、どう思いますか?
- 寺中:その通りだと思います(笑)。
- 小野武正(G & Cho):僕も「なるほど」と思いました(笑)。こういうメロディ、弾くのも気持ちいいです。KEYTALKはもともと和メロが好きなバンドですからね。
- EMTG:武正さん、外見に関しては和風から一番遠いメンバーですけどね。よく、ハーフに間違われるじゃないですか。
- 小野:でも、日本が好きですね……って、でっかい括りの表現ですけど(笑)。ご飯も和食が好きです。好きな食べ物は、鰻、てんぷら、寿司です。
- 八木優樹(Dr & Cho):この人、高校の3年間、「俺はクォーターだ」って言って、僕をだましていたんですけど。
- 小野:ギャグのつもりで、「嘘だよ」ってすぐに言うつもりだったんですけど、どうやら言い忘れていたらしく。もしくは八木が聞いていなかったのかも。
- 八木:そんな話、聞いてません!
- EMTG:何系のクォーターっていう話だったんですか?
- 小野:イタリアって言っていました。
- 八木:「EUの方っすね」みたいな感じで(笑)。この件に関しては、未だに根に持っています。
- EMTG:曲のお話に戻りましょう(笑)。八木さん、「桜花爛漫」に関してはいかがですか?
- 八木:走り出すような感じをサビで出すことを考えてドラムを叩きました。竿陣(ギター&ベース陣)の醸し出す抑揚も、曲のアクセントになっていると思います。あと、ハイハットの使い方もいろいろ考えました。ハイハットをいっぱい叩くと賑やかな雰囲気になるので、そういうのも活かしつつダイナミクスをつけています。
- EMTG:アニメの放送が始まりましたが、どうでした? みなさんが正座して初回の放送を観ている写真がツイッターにアップされていましたけど。
- 八木:KEYTALKの曲が流れて、めっちゃ感動しました。絵と音がすごく合っていて、なんだか自分たちの曲じゃないような不思議な感じもしましたね。
- EMTG:Eテレ(NHK)のアニメですし、ご親族も喜んでいるんじゃないですか?
- 首藤:そういう反応もありました。「境界のRINNE」の直前の番組が「おかあさんといっしょ」だというのも感慨深かったです。観て育った番組ですから。今、「おかあさんといっしょ」を観て育っている子供たちにKEYTALKサウンドを刷り込みたいです。
- EMTG:ロックの英才教育ですね。
- 寺中:ぜひ、子供たちにも聴いて欲しいです。そして、いつか『巨匠ランド』を作りたいと思います!
- 小野:『巨匠ランド』って何?(笑)。でも、この曲がテレビで流れて、僕の親も喜んでいましたよ。「録画したよ」って連絡が来ましたから。
- 八木:アニメの曲って毎週流れるから、いろんな人の思い出に残ったらいいですね。僕の思い出のアニメの曲は、「めざせポケモンマスター」です。
- 首藤:アニメの曲って、それだけ影響力があるという話をしていると……なんだか怖くなってきました(笑)。でも、こうやっていろんな人に聴いてもらえる機会を頂いて嬉しいです。
- 寺中:KEYTALKは、行けるところまで行きたいと思っているバンドですから。渋谷の交差点とかにでっかい広告が展開するようなバンドになりたいです。
- EMTG:目指せ、国民的バンド?
- 寺中:はい(笑)。
- 小野:学校のクラスのみんなが知っているようなバンドになりたいですよ。バンドの音楽をいろいろ聴いている人以外にも知ってもらって、好きになってもらえたら嬉しいですね。それくらいになったら国民的バンドに一歩足を踏み入れたと言えるのかもしれない。
- EMTG:今、ふと思い出したんですけど、メジャーデビューのタイミングで八木さんは、「ナゴヤドームでライブをやって、ドアラに観に来て欲しい」っておっしゃっていたんですよ。それくらいになったら、国民的バンドになったと言えるのではないでしょうか?
- 八木:そうなれたらいいですね。いつか実現したらいいなあ。
- EMTG:でも、その夢が実現したら「バンドを脱退します」とも言っていたんですけど……。
- 八木:そんなこと言っていました?(笑)。でも、始球式もいつかやりたいんですよね。
- EMTG:大好きな中日ドラゴンズの試合前に歌ったり?
- 八木:「燃えよドラゴンズ!」(応援歌)を? そういうお話がもし来たら、俺、歌ってもいいですか?
- 寺中:どうぞどうぞ(笑)。
- 首藤:そんな話になったら気が気じゃないことでしょう。「なんであいつが歌ってるんだ!?」って思われるだろうし。
- 八木:みんなもそう思うだろうけど、誰よりも俺がそう思うだろうね。「なんで俺が歌ってるの?!?」と(笑)。
- EMTG:(笑)カップリングのお話に移りましょう。「消えていくよ」はライブの音源ですね。
- 小野:「消えていくよ」は、インディーズの時の限定シングル『KTEP』に入っている曲なんですけど、フル尺のミュージックビデオも作ったんですよね。初期の代表曲ということもあって、今回、ライブ音源を入れることにしました。
- 八木:いろんな思い出がある曲です。今回は今の僕らの演奏なので、昔とは違った印象のものになっているんじゃないかと思います。
- 寺中:昔の自分たちの曲を聴くと、「いろいろ変わってきてるな」というのも感じます。
- 首藤:昔の自分の歌って、恥ずかしくてなかなか聴けないんですけど(笑)。でも、成長できているっていうことなのかなと思っています。
- EMTG:では、そろそろインタビューを終了しようと思いますが。
- 寺中:最後の締めは、八木さん、よろしくお願いします!
- 八木:えっ? えーと……このシングルで国民的バンドに近づけるように頑張ります! ドアラさんにもぜひ聴いてもらいたいですね。最近、ドアラさん、バック転全部失敗していて。でも、ドアラさんがバック転に失敗すると中日が勝つっていうジンクスが生まれているんですけど(笑)。
新曲「桜花爛漫」は、放送がスタートしたテレビアニメ「境界のRINNE」のオープニングテーマ。爽やかに疾走するサウンド、何処か和的な情緒を漂わせるメロディがとても心地よい。多彩なフレーズが絡み合うアレンジは、KEYTALKの演奏の豊かな表現力も実感させてくれる。彼らの音楽の魅力を、さらに幅広いリスナー層に届ける絶好の機会ともなりそうなこの曲は、どのような経緯で生まれたのか? 今回のインタビューでも、メンバーたちの制御不能な自由奔放トークが随所で炸裂! 3rdアルバム『HOT!』のリリースも間近に迫り、彼らはますます絶好調であった。
【取材・文:田中 大】
リリース情報
溜息の断面図
発売日: 2017年06月28日
価格: ¥ 2,592(本体)+税
レーベル: Sony Music Associated Records
収録曲
1.わらべうた
2.Stand Up, Baby
3.Sunny, Cloudy
4.終わりの始まり
5.Fairy Trash Tale
6.WILL(Ending Note)
7.宝物
8.近眼のゾンビ
9.インスタントラブ
10.僕は街を出てゆく
11.嵐の舟
12.種を蒔く人
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リリース情報
お知らせ
KEYTALKのHOTをMOTTOワンマンツアー
2015/05/23(土)熊本 B9 V1
2015/05/24(日)福岡 DRUM LOGOS
2015/05/30(土)名古屋 DIAMOND HALL
2015/06/05(金)大阪 なんばHatch
2015/06/13(土)高松 DIME
2015/06/14(日)広島 CLUB QUATTRO
2015/06/20(土)新潟 LOTS
2015/06/21(日)仙台 RENSA
2015/06/27(土)東京 新木場STUDIO COAST
2015/06/28(日)札幌 ペニーレーン24
KEYTALKのHOTをMOTTOワンマンツアー 追加公演
2015/07/04(土)Zepp Tokyo
KEYTALK台湾ライブ『みんなでダージャーハオ』
2015/07/11(土)台湾・台北THE WALL TAIPEI
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。