2014年2月12日にシングル「My VOICE」でソロデビューが決まった元FUNKY MONKEY BABYSのリーダー、ファンキー加藤が、デビューに向けて本格始動。2013年11月17日より全国インストアライブツアー「ファンキー加藤 インストアライブツアー ?原点回帰?」のスタートを切った。その第一歩に選んだ場所は、地元・八王子の京王八王子ショッピングセンター。ファンモンのデビュー当時、初めてインストアライブを行った思い出の地である。

　6000通以上の応募数の中から抽選で当選した600人のファンが待つ屋上の特設ステージに、勢いよく走って登場したファンキー加藤。初披露の新曲のイントロが流れる中、“逢いたかったぜー!!”と声高らかに叫ぶと、大きな歓声と拍手で応えたファン。ステージの端から端まで縦横無尽に動き回るステージングはファンモン時代と変わらず、また、最前列から最後列のファン１人１人に訴えかけるように前のめりで熱唱した。

　“我が地元、八王子へようこそー!! 改めまして、ファンキー加藤です!!”とあいさつ。“今日、この日を心から待ち望んでいました。最後まで一生懸命歌います。１人ですけどね、できるだけステージいっぱい使ってあなたの心に、僕だけの音楽を届けます！”と語り、春の片想いを綴ったラブバラード「桜 ふわり ふわり」を披露。ピアノの美しくも切ない伴奏に乗って、ひと言ひと言、言葉を紡ぐように丁寧に歌い上げた。

　“６月２日にFUNKY MONKEY BABYSが解散しました。どこか心の中に“申し訳ないな”っていう罪悪感みたいなものが未だに消えずにあるんですけれども、俺がこれからできることは、前へ前へ進んでいくことだと思うんです”と決意表明とも取れる今の心境を語った。そして、“6月2日ぶりに歌います。みんなと共に哀しみを乗り越えていけたらいいなと思ってます”と言って披露されたのは、ファンモンの楽曲「あとひとつ」。驚き混じりの歓声が上がり、人差し指を突き上げ大合唱。涙ながらに一緒に歌うファンの姿も。歌い終えると深々と頭を下げたファンキー加藤。拍手に加え、“加藤さーん！”“おかえりー！”という掛け声が飛び交い、ファンキー加藤はタオルに顔をうずめ涙をぬぐった。６月3日以降、不安な日々を過ごしていたことを明かした後、“その日々の中でみんなにお手紙を書きました。それが曲になりました。思いっきり歌わせてもらいます！”と涙声で話し、2014年2月12日発売のソロデビュー曲「My VOICE」へ。その嘘偽りのない想いを声に乗せて届けた。

　“めっちゃ楽しいです！ めっちゃ充実してます！ 今日は「インストアライブツアー ?原点回帰?」、最高の一歩が踏み出せそうです！”と笑顔を見せ、ライブのラストを飾ったのはファンモンの楽曲「悲しみなんて笑い飛ばせ」。全員でタオルを振り回しながら大合唱、会場に集まったファンと心を１つにした。そして、“ありがとうございました、ファンキー加藤でした!! これから全国に行ってきます!!”と確かな第一歩を踏み出し、青空よりも晴れやかな笑顔でステージを降りて行った。

【取材・文:牧野りえ】