レビュー

KREVA | 2011.05.11

サッカーでも、野球でも、バスケットでも、バレーボールでもいい。球技等の団体競技の練習時には、あれほどチームのリーダーやキャプテン中心に動いていたものが、いざ試合となると、それらを忘れ、目標や目的のためにまるで各々が自分が指令塔のごとく役割を果たし合い、ひいてはそれが一丸性へと繋がっていたりする。

そして、KREVAのニューシングル「C’mon, Let’s go」は、その<誰もがキャプテン><それによる一丸性への結びつき>をフッと思い返させる。そう、ここ最近は特に聞いていて不安になる、必ずしも正しいところへと導いてくれる保証のないリーダーからの一言が降りてくるのをありがたく待っているよりも、今は国民一人ひとりが、己がリーダーの自覚を持ち、且つ他人を尊重し、全員攻撃、全員守備で今の危機を乗り越えようと響いてくるのだ。

東北関東大震災を受けて緊急配信された新曲「EGAO」から間髪置かず、早くもリリースされるこのKREVAの「C’mon, Let’s go」は、まさに今の日本、そして、これからの日本のために必要なことが、ハードにではなく、あえてポップに聴きやすく、だけど力強く伝えられている。

徹頭徹尾ラップでグイグイと押し通した前作シングル「挑め」に対し、逆に非常に肩の力の抜けた印象を受ける今作。ビートの適度なバウンス度といい、ウワモノ的にポップに踊るシンセ音といい、非常に聴きやすく親しみやすいトラックの上、オートチューンとボコーダーを巧みに、ラップと歌を使い分けるKREVAの軽やかなフロウと、それが含むメッセージが、優しく諭してくれるナンバーだ。誠に”一緒に行こうゼ!!”感たっぷりな同曲。一旦、終わり、リプライズでもう一度イントロが入るチャメッケも、いかにもKREVAらしく二ヤリとさせられる。

誰もが、<己がキャプテン><己がこの日本というチームを引っ張っていく>との自負を持ち得なくてはならない今の日本。とは言え、同じゴールを目指す共通の目標や志が存在していれば、そこに不思議とぶつかり合いは存在しないだろう。己がリーダーの自覚を持ち、且つ他人を尊重し、全員攻撃、全員守備で挑む。そんなことをKREVAの新曲は我々に教えてくれる。

【 文:池田スカオ和宏 】

リリース情報

馬場俊英EP1~平凡~

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馬場俊英EP1~平凡~

発売日: 2012年04月25日

価格: ¥ 1,238(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

1. 平凡
2. 幸せのウェイティングリスト
3. 吊り橋
4. オオカミの歌

リリース情報

C’mon, Let’s go【通常盤】

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C’mon, Let’s go【通常盤】

発売日: 2011年05月11日

価格: ¥ 1,191(本体)+税

レーベル: PONY CANYON

収録曲

1.C’mon, Let’s go
2.マカー GB-mix feat.AKLO,L-VOKAL(BETTER HALVES)
-bonus track-
3.C’mon, Let’s go(Inst.)
4.C’mon, Let’s go(with hook)
5.C’mon, Let’s go(Acappella)
6.マカー GB-mix feat.AKLO,L-VOKAL(BETTER HALVES)(Inst.)
7.マカー GB-mix feat.AKLO,L-VOKAL(BETTER HALVES)(Acappella)

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