去る8月13日。地元・新潟で最大級のキャパシティを誇る「朱鷺メッセ」にて、ワンマンライヴ「Live in TOKI MESSE-朱ノ鷺-」を大成功させたHilcrhyme。当日は各地より7,000人の観衆が集まり、新旧問わず全25曲を堪能していたと聞く。そして、そのアンコールのラストに披露されたのが、今回のシングル「パーソナルCOLOR」。この最後に届けられた大プレゼントに会場は聴き入り、みなが同曲に自身を投影していたという。

あの瞬間、会場の観衆は何を思いながら、この曲を聴いていたのか?　もちろん、１人ひとり違ったことを思い、違った光景を思い浮かべてはいただろうが、多くの人が、"私は私、それでいいんだ..."に近い確信を持ったのではないだろうか?
そう、今回のニューシングル「パーソナルCOLOR」は、聴く者各人に自身の個性やアイデンティティを問いながらも、自分の特色やキャラクターに思いを馳せさせる楽曲。人の特性はよく＜十人十色＞と例えられるが、まさにそれを上手く歌として表わし、聴く者を強く鼓舞する。

流麗なピアノを中心としたウワモノも印象的なミッドテンポのビートの上、"誰かと比較するなんてくだらないこと。自分は自分。一つとして同じものはないその自身の個性を誇れ"と力強く歌われる同曲。間に例えられる、赤、青、黄、緑が導き出す原理が聴く者を勇気づける。まさに、孤立を恐れず、自身の思った独自の道を信じ、進み、今の位置を築いた彼らならではの説得力に満ちたナンバーだ。
もしかしたら、あの日の朱鷺メッセのステージにてこの曲歌っていた彼らは、”自分は自分を信じてきて良かった…”と強く思ったのでは…?　繰り返し聴きながら、そんなことをふと思った。

【 文：池田スカオ和宏 】