レビュー
Perfume | 2011.11.04
「Perfumeの次のシングルは、初の地上波ドラマ主題歌!!」
このニュースを最初に聞いた時、正直、Perfumeの楽曲とドラマの主題歌のマッチングが想像出来なかった。サビのキャッチーさとインパクト勝負なCMでの起用なら充分理解出来る。しかし、エレクトロを基調としたリフレイン重視の歌内容と音楽性、そして、あのアンドロイドライクな歌声が、果たしてドラマの主題歌に合うものだろうか…?しかも、深夜番組やアニメ等ではなく金曜の10時。従来、その枠の主題歌と言えば、感動的でドラマティックで壮大、少々の切なさも有している、そんな歌やアーティストの方が似合うのでは...?などと要らぬ心配をしていた(笑)。
そして、その起用されたドラマ『専業主婦探偵~私はシャドウ』の第一回目を観て逆に驚かされた。そのエレガントでミディアムなハウスサウンドの上、活かされた各人の歌声が、しっかりとドラマの物語の伏線を擁し、ワクワクドキドキ、見ちゃいけないんだけど、ついつい見てしまいたくなる、ちょっとした刺激。その辺りが実に良く表わされていたからだ。
後に聞いた話だと、今回のこのPerfumeの新曲「スパイス」は、ドラマ側から依頼を受けた中田ヤスタカが、その内容をイメージしながら書いたという。Perfumeにとっても初のハウスサウンドへの挑戦だったのだが、あえてダンスミュージックというフォーマットの範疇で、ベストマッチさせたところはさすがだ。
いよいよ、次は11月30日リリースの2年半ぶりのニューアルバム『JPN』。ここに来て、これまでに無かった新しい引き出しを見せてくれた彼女たちだけに、”次のアルバムにも幾つかの新機軸が用意されているのではないか?”と、つい疑って(笑)、いや、期待してしまう。うん、これでまた、ニューアルバムの楽しみが一つ増えた。
【 文 : 池田スカオ和宏 】