シングル「Love Me Back」の取材時、「次のアルバムには自信があるんですよ！　すっごくいいものが出来てます」と、予告してくれた倖田來未。1月25日にリリースされた 通算10作目となるアルバム『JAPONESQUE』を聴いて、その言葉にウソはなかったと確信した。

和エロスともいうべきジャケットのアート ワークからは、セクシーでいて凜とした日本の女性を表現仕切っている彼女の心意気を感じる。なぜ日本に目を向けることになったのか……ここはぜひ ムービーのコメントを参考にしていただきたい。そして、気になるアルバムの内容も、シングルを含めた全19曲のボリュームが重く感じられないほど 秀逸の仕上がり。まず琴の音をフィーチャーしたオープニングの「Introduction ~JAPONESQUE~」から、グッとアルバムの世界に引き込まれ、オリエンタルなファンキーチューン「So Nice feat.Mr.Blistah」へと続く。こういった倖田來未ならではのダンスチューンをはじめ、キュートな“くぅちゃん”が表現されたポップナンバー や王道のバラード、暖かさを感じさせるアコースティックナンバー、さらにはひずんだギターリフが炸裂する「Boom Boom Boys」「No Man’s Land」のようなロックチューンまで、彼女の表現力の可能性を存分に活かしたものになった。まさに倖田來未劇場ともいうべき“百花繚乱”の作品だ。この トラック達をライブでどう表現するのか……ツアーにはかなりの期待が寄せられていたが、昨年末に入籍、現在妊娠中というおめでたい事情もあり、ツアーが中止になったのが非常に残念！

　ただ、秋にはバースデーライブを行うと発表しており、次なる始動が待たれるところ。恋する女性の様々な感情 を表現してきた彼女だが、新たに“母”の顔を持つことで、歌詞の世界もさらに広がりそうだ。パワーアップした倖田來未に再会するまで、期待して待 ちたい。ちなみに2月8日には昨年行われ、自己最多公演数をほこる全国31ヶ所、59公演の模様を収録した『KODA KUMI LIVE TOUR 2011 ~Dejavu~』のDVDがリリースされる。ライブが恋しくなった時は、こちらの映像がオススメだ。

【 文：海江敦士 】