レビュー
家入レオ | 2012.02.21
家入レオは1994年生まれ、現在17歳の現役女子高生シンガーソングライターだ。2月15日にリリースされたデビュー・シングル「サブリナ」が、テレビアニメのED曲に抜擢されたりと、今話題の新人である。
幼少の頃にピアノをはじめ、小学校では合唱部に所属。音楽好きの家系だったこともあり、よくライヴや舞台に連れて行かれていた彼女は、中学2年の頃に自分で曲を作りたくて、ギターを手にする。今回のシングル「サブリナ」は、彼女が15歳のときに作り上げ、音楽の道で行きていくことを決心した曲だ。
そんな彼女にとって決意の曲「サブリナ」は、“本当の愛が欲しい”と苦悩しながらも疾走する、ストレートなロックナンバー。若い世代特有の感受性で切り取った感情を、瑞々しく、力強い歌声で叫ぶ。一転、カップリングの「ripe」はピアノとアコースティックギターの音色と共に、彼女の歌声が優しく響く。<グランド走る君を見つめてた 放課後に>という歌詞も、現役女子高生ならではだ。
歌唱力やメッセージ性などからして“若者の新しい代弁者”と言われる存在になるだろうが、もしかしたら当の本人に、その気はないのかもしれない。彼女は、自分の想いや感情を曲に閉じ込め、爆発させるという、シンガーソングライターとして至ってピュアな衝動で創作活動を行っている。だからこそ、ここまで真っ直ぐに聴き手に響くのだろう。これから彼女が何を経験し、何を紡ぎ出していくのか、とても楽しみだ。
【 文:山口 哲生 】