レビュー
黒猫チェルシー | 2012.03.21
このバンド、つくづく衝撃的である。黒猫チェルシーが、3月21日に『猫Pack2』をリリースする。メジャー移籍第一弾アイテムとして話題を集めた『猫 Pack』から約2年を経て登場する、同タイトルの第2弾だ。
高校の同級生4人が集まって結成された黒猫チェルシー。ボーカルの渡辺大知は役者としても活躍中である。約2000人が集まったオーディションの中から、全く無名の状態でありながら主役に大抜擢。映画初出演にして初主演、しかも日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するという鮮烈なスクリーンデビューを飾った。最近では、NHK朝の連続テレビドラマ「カーネーション」に出演していたこともあり、俳優としての彼を見たことがある人も多いだろう。演技をしているときは、優しそうな好青年な感じがするが、黒猫チェルシーでは、その真逆。ギラギラとした目つきでステージ上を暴れ回り、見る者に熱狂をもたらす。
そして、今回の『猫Pack2』。<歌はなくならない/おれもなくならない>と自分のアイデンティティを確かめるように叫ぶ「東京」が、今作のリード曲だ。ミディアムテンポの曲を押しだすことは、彼らにとって初挑戦。こういう曲でも勝負が出来るようになったという、バンドの成長や自信を感じさせてくれる。また、ローザ・ルクセンブルグの「まったくいかしたやつらだぜ」をカバーしているのだが、原曲がリリースされたのは1986年。彼らが生まれる4年前の曲をチョイスするところがおもしろい。
付属DVDには、今回のレコーディングに完全密着した映像を収録。ロックバンドがひとつの作品を生み出すまでの生々しいドキュメントが綴られている。「観てから聴くか、聴いてから観るか」──どちらにせよ、リスナーに多大なる衝撃と興奮を与えてくれる作品であることは間違いない。
【文:山口哲生】
リリース情報
お知らせ
MAN WITH A MISSION"DON’T FEEL THE DISTANCE ~8カ所だョ!全員集合 対バン TOUR~"
2012/05/01(火)秋田Club SWINDLE
2012/05/03(木)青森Quarter
黒猫チェルシー「猫Pack2」リリースライブパーティー East & West
2012/05/06(日)東京・六本木 Super Deluxe
2012/05/20(日)大阪・心斎橋 OSAKA MUSE
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。