レビュー
The Birthday | 2012.06.13
The Birthdayが止まらない!
6月13日に、前シングル「ROKA」から約2ヶ月というスパンでリリースされるシングル「さよなら最終兵器」。もう、タイトルからしてインパクト抜群な本作だが、またしても傑作誕生である。
ちなみに、「ROKA」のディスクレビューを当サイトで書かせてもらったのだが、あの曲に関しても“傑作”と書いている。そんなに“傑作! 傑作!”と連呼していると、十中八九、嘘くさいと思われてしまうだろう。でも、本当に傑作なのだ。とにかく一度聴いてみて欲しい。何かを振り切るように疾走する、ドライヴ感全開なロックンロールに、必ず心が昂るはずだ。
サウンドはもちろんのこと、チバの歌詞も強烈だ。<生身だけで生きていれば/それが全て/代わりは無い>。「最終兵器」──“最後の切り札”など持たず、とにかく真っ向勝負で立ち向かっていく、生命力に漲った言葉だ。そして、「最終兵器」は、今現在、必要か否かで揺れている“我々の手ではまだ制御できなかったモノ”のことにも受け取れる。3.11以降の日本に突きつけられたメッセージ。CDジャケットに刻まれた、モノトーンの世界で男が差し出す極彩色の花束は、はたして何に「さよなら」を告げるのか。
怒濤のリリース攻勢を続けるThe Birthdayだが、まだまだその手を休めない。7月18日には、約1年ぶりのフルアルバム『VISION』を世に放つ。“視覚”“光景”“未来像”、様々な意味を持つ言葉をタイトルに掲げた作品に、彼らは何を込めたのか。とにかく期待が高まる。
【文:山口哲生】