レビュー

Superfly | 2012.08.17

 デビューから5年。その実績が、さらなる充実を呼び、彼女が次のステージへ向かっていると感じさせる。楽曲にも、その活動展開にも。それが、この半年?1年の、Superflyに対する印象である。

 充実がこのバンドにもたらしたのは、これまで以上の楽曲の広がり、つまり、今の音楽シーンにおける普遍性だ。それが顕著に現れたのが、Double A-sideとなったニューシングル「輝く月のように/The Bird Without Wings」ではあるまいか。前者は、連続ドラマの主題歌、後者は映画の主題歌と、ビックタイアップがついている。それぞれのサウンドアプローチも明確で、トラックも丁寧に作られており、じつにハイクオリティ。両曲とも、ゆったりした曲調ということもあって、作品を通して、歌をじっくりと“聴かせる”曲に仕上がっている。

 そして、両曲とも、肝になっているの志帆の声質と、表現力だ。両方とも、ボーカル力を核にした、包容力が感じられる歌になっているが、ディテールでそれぞれの曲の個性に違いをはっきりとセパレートして、表現している。特に後者「The Bird?」の英詞の部分は、その巧みな発音でブルース&ロック感を演出し、バックのギターのアプローチとリンクさせ、楽曲に個性を添えている。彼女の楽曲に対する解釈の違いが堪能できる1枚、そして、9月にリリースが控えたアルバムを、早く聴いてみたいと思わせる1枚である。

 しかし。両曲とも、サビのボーカルのストレートな抜け具合、本当に圧倒的。じつに爽快。こういう素直なメロディをしっかりと聴く者に印象付ける歌声と、その表現力こそ、彼女の本当の実力だろう。

【文・伊藤亜希】

tag一覧 Superfly 女性ボーカル シングル

リリース情報

輝く月のように/The Bird Without Wings (初回限定盤)

このアルバムを購入

輝く月のように/The Bird Without Wings (初回限定盤)

発売日: 2012年08月15日

価格: ¥ 1,334(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

ディスク:1
1. 輝く月のように
2. The Bird Without Wings
3. 28
ディスク:2
1. ハロー・ハロー
2. さすらいの旅人
3. 平成ホモサピエンス
4. 愛をこめて花束を

スペシャル RSS

もっと見る

トップに戻る