レビュー
ONE OK ROCK | 2012.08.22
2012年夏、各地のフェスで今年も多くのオーディエンスを熱狂させてきたONE OK ROCK。もはや彼らナシのフェスは物足りたいと感じるほどだ。
8月22日、そんな彼らが約1年ぶりとなるシングル「The Beginning」をリリースする。アニメ化もされた大人気コミック作品の実写化映画『るろうに剣心』(8月25日公開)の主題歌ということでも話題だが、何より圧倒されるのは、そのパワーアップしたサウンドだろう。
楽曲のミックスとマスタリングを担当したのはデンマーク人のチュー・マドセン。メタル、ラウド界ではその腕を買われている人物だ。「The Beginning」は、疾走感を保ちながら、重厚感、そして情感あふれるメロディアスなボーカルが一体となったロックチューン。英語と歌詞が違和感なくリズムに溶け込んでいるのも、ボーカルのTakaらしいセンス。
カップリングの「欠落オートメーション」は日本語詞メインで、ポジティヴな気分にさせてくれる爽快なナンバーだ。3曲目の「Note’n’Words」は、80年代洋楽ロックファンにはたまらない匂いのバラード曲。もちろん懐古的という意味ではさらさらないが、1枚のシングルで、このレンジの広さは心憎いばかり。また「The Beginning」のリリースに合わせ、長期ライブハウスツアーも発表された。9月4、5日のZepp Nagoyaを皮切りに、北は北海道から南は沖縄、さらには11月の台湾2Days公演(Sold Out)まで、季節をまたいで続く。酸欠は必至だが、新曲と共に楽しみな今年後半の展開に期待したい。
【文:海江敦士】