レビュー
アシガルユース | 2012.08.22
“女性よりも男性の方がロマンティックだ”と、よく言われる。個人的には“人によるのでは?”なんて思ったり、なんだか“男って単純ね”と言われている気がして、ちょっとモヤっとするのだが、彼らの曲を聴いていると、それもアリかもなぁ……と、思ってしまう。
先日、TVのダイエット企画で、その衝撃の痩せっぷりに周囲を驚かせたアシガルユース(ちなみに、ダイエット法は美木良介の「ロングブレス・ダイエット」だそうです)。彼らが、8月22日にリリースする2ndアルバム『妄想yes』は、これでもか!と言わんばかりにロマンティックが大爆発している。瑞々しい希望を歌い上げた「A.O.SO.LA?キセキ?」、センチメンタルが疾走する「失意Freeze」、“君”と手を繋ぐまでの葛藤をポップに描いた「プログラムエンター」など、全9曲を収録。どの曲も男の淡い想いを歌い上げているのだが、その言葉達が乗せられるメロディーがとにかく本当に心地よくて、クセになるものばかりだ。
「ロマンティック」は、端から見ると“浅はか”だ。誰かを想い、あれこれいろいろ考えてみたところで、その思いが実ることは多くない。ただ、男のロマンティックはこんなにもピュアで、情けなくて、素晴らしいものであると、彼らは歌う。アシガルユースの音楽は、そんな男の浅はかさ=“妄想”を、全肯定=“yes”してくれるようだ。男に生まれてよかった! ロマンティックで何が悪い!
【文:山口哲生】