レビュー
清水翔太 | 2012.09.14
これまでも、数多くのアーティストとコラボレーションを果たしている清水翔太。
ミリショーと称される加藤ミリヤとのコラボは特に人気だが、今年2月にリリースしたシングル「君さえいれば feat.小田和正」では、かの小田和正と堂々の共演を果たして話題となった。特徴的な声を持つ清水翔太だが、共演相手によって巧みに歌のトーンを変えるうまさは、経験を積むごとに研ぎ澄まされているように思う。
そして9月12日には、HYの名曲「366日」をHYメンバーの仲宗根泉との共演でシングルとしてリリースした。一瞬、意外とも思える組み合わせだが、曲を聴くと必然的とも思える声のマッチングに驚かされる。清水自身の声の個性は残しながら、仲宗根泉のボーカルとの声のまざり具合が絶妙だ。ピアノ1本というシンプルなアレンジも心地よい。まさに、楽曲と歌で勝負する、技ありのシングルと言えるだろう。
また、カップリングでは、清水翔太自身の作詞作曲による「さよならこの夏に」を収録。これはタイトル通り、夏の終わりと切ない恋の終わりを重ねたナンバー。共感できる恋愛ソングを数多く生み出してきた、実に清水翔太らしい楽曲だ。「366日」からの並びもシックリとハマる。3曲目は昨年6月にリリースした「love」のリミックス。タイトル曲、そしてカップリングの色合いに合わせた仕上がりになっており、3曲の統一感が見事。歌の優しさに癒されたい人には、迷わずオススメしたい1枚だ。
【文:海江敦士】