レビュー
JUJU | 2012.10.10
JUJUの新曲「ありがとう」は、約7年前に制作され、ライブでも何度か披露されながらも、タイミングに恵まれず、これまでリリースされなかったという、知る人ぞ知る名曲。
今回、映画『ツナグ』の主題歌となり、ついにリリースされる。中島美嘉の「雪の華」などを手掛けたSatomiの作詞、JUJUの“盟友”ともいうべき川口大輔の作曲によるバラードで、ストリングスが印象的な、スケールの大きなサウンドに乗せて、心から愛する人に出会えた喜びを、説得力溢れるボーカルで表現していく。
“ありがとう”という言葉の美しさ、温かさがダイレクトに伝わってくる。JUJUのシンガーとしての豊かな才能が見事に発揮された、壮大で感動的な楽曲だ。“この曲は、私からファンの皆さんへの「ありがとう」です”と彼女は語っているが、おそらく彼女の代表曲になることだろう。
一方カップリングの「くちづけ」は、ビートは軽快だが、歌詞の内容はとても切ないラブ・ソング。“切ない恋の歌の名人”JUJUの本領発揮ともいうべき楽曲だ。もう1曲のカップリングは、今年2月に亡くなったR&Bディーバ、ホイットニー・ヒューストンのヒット曲。JUJUの、ホイットニーへの愛情が表現されたカバーになっている。
【文:熊谷美広】