今秋、某イベントで真心ブラザーズのYO-KINGに会ったとき、「今度、真心と民生さんでバンドやるんだけど、ドラムもベースも全部３人でレコーディングして、楽しかったよ」とニコニコ話してくれた。そのバンドが“地球三兄弟”だ。そして届いたデビュー・シングル「呼びにきたよ」は、YO-KINGが語っていたとおり、手作り感満載のおっとりサウンド＆あったか歌詞の快心作だ。

　この３人が集まったらこうなるだろうなという予想の延長線上にありながら、さらにあったかくてのんびりした歌を聴いていたら、”小春日和“という懐かしい言葉を思い出した。冬の初めのお天気のいい日に、ぽかぽか日向ぼっこをしている感じ。その暖かさとまぶしさは、３人がゆっくり時間をかけて大人になったからこそのものだろう。自分たちのことは自分たちでやると決めて、酸いも甘いも、上手いも下手も受け入れた音と歌詞は、すっと心に入ってくる。”アーシーなサウンド“という言葉があるが、アーシーとはearthyと書く。音楽用語で”土臭い“という意味だ。語源はもちろんearth＝地球のこと。そう、「呼びにきたよ」はまさに地球三兄弟にふさわしい、アーシーなシングルなのだ。

【文：平山雄一】