一聴して「ん？　BOφWYの香りがするぞ！」。小気味よい８ビートに、ブライトなコーラス、ジャストなリズムのギターときたら、そんな連想も不思議じゃない。もっと言えば、ソロの初期、「GUITARHYTHM」や「GUITARHYTHM ?」を思わせる、フレッシュな躍動感に満ちたシングルが「Don’t give up!」だ。おそらくアニバーサリー・イヤーで自らのヒストリーを確認したからこそ生まれた新曲で、イギリスに渡って新たな冒険に挑む布袋寅泰の、ビッグ・スケールの“出発の歌”なのだ。

　そしてそんな旅立ちを力強く描くリリックを書いたのは、今、大注目の作詞家・いしわたり淳治だ。元・SUPERCARのギタリストのいしわたりは、布袋が作曲＆プロデュースした栗山千明のシングル「可能性ガール」で作詞を担当。二人がコンビを組んだ新作が待たれていたが、このタイミングでの実現は嬉しい限り。

　イギリスでのニューアルバムの制作が快調に進んでいるというニュースも飛び込んできて、新たなステージに立った布袋に、ますます期待が膨らんでくる。

【文：平山雄一】