現在、全国ツアー真っ只中のゴスペラーズ。2012年11月中旬からスタートしたこのツアーは、約４ヶ月かけ、全45公演を行うロングツアーである。 そんな中、ニューシングルが発売となった。
タイトルは「氷の花」。
宮崎あおい、向井理主演映画「きいろいゾウ」（２月２日より全国ロードショー）の主題歌にも起用されたこの曲は、ツアーでも、発売より一足先に披露されたそうだ。
このように。新曲をどこよりも早く、ライヴで披露するスタンスは、ライヴを大切にし、毎年全国ツアーを行っている彼らならではの、音楽に対する真摯な向き合い方とも、解釈できるのではなかなろうか。
「氷の花」は、彼らの代名詞とも言えるラヴ・バラード。愛の儚さを知りながら、それでも愛を信じる心を、５人の声がロマンチックに奏でていく。
　作曲は、彼らの代表曲のひとつ「永遠（とわ）に」を手がけた妹尾武氏。クラシックの滑らかさとポップスのキャッチーさを備えたメロディーが、降り積もるような切なさを誘う。特にサビメロの展開にその特徴が顕著に現れていて、細かく自然な楽曲の起伏は、メンバー達のハーモニーの効果もあり、まるで10数秒の組曲のように、とても情緒豊か。メインボーカルのニュアンスやコーラスで表現している余韻の儚さも、歌詞や楽曲の世界観とリンクしており、聴きどころである。
　カップリング「Someone To Watch Over Me」は、カバー曲。野村不動産“PROUD”のCM曲としてオンエアー中である。安定の歌声＆オリジナルのハーモニーで、安心して聴ける１曲となっている。
　前述した全国ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2012~2013“FOR FIVE“」も、残すところ20公演（１月30日現在）。３月２日＆３日の東京国際フォーラム2DAYSを経て、３月17日、仙台サンプラザホールでファイナルを迎える。

【文：伊藤亜希】