レビュー
RADWIMPS | 2013.03.27
RADWIMPSが、シングル「ドリーマーズ・ハイ」を3月27日にリリースした。3月11日にYouTubeで発表した「ブリキ」とは別の新曲で、パッケージとしては昨年8月にリリースされたシングル「シュプレヒコール」以来となる。
「ドリーマーズ・ハイ」は、アップテンポで透明感や清々しさのあるロックナンバーで、どことなく、かつての彼らの面影を感じさせる。なんとなく頭をよぎったのは『RADWIMPS 3 ?無人島に持っていき忘れた一枚?』に収録されていた「セプテンバーさん」。瑞々しくて、センチメンタルで、優しくて、力強い。とはいえ、曲調もBPMも違うわけで、それはあくまでも面影であり、かつてよりも洗練させた音を鳴らしているのは歴然だ。ただ思ったのは、「シュプレヒコール」で綴られた、“震災がもたらしたカオスと、あの瞬間から狂ってしまった日常”の、その向こう側にいくために、自分達が本当に奏でたいもの/奏でなければいけないものは何なのか。そんな自分達の原点を再確認し、それを<諦めないとそう誓ったんだ>と歌い、再び歩き始める生命力に満ち溢れた曲のように思えた。
また、間奏部分──そこまで続いていた清々しさを覆い尽くすようなギターノイズやドラムの激しい乱打を経て、溜めに溜めきった抑圧されたエネルギーを外へ一気に放出して生まれるカタルシス──は、4月17・18日に横浜アリーナにて行なわれる「RADWIMPS LIVE 2013 春ウララレミドソ」でもハイライトになると思う。早く生で体感したい。また、本作はCD-Extraとして、4人で1つのピアノを連弾しているシーンなども収録されたミュージック・ドキュメント・クリップ「白と黒と4匹のワルツ」も収録。こちらも見どころ満載だ。
RADWIMPSは、前述の横浜アリーナ2デイズワンマン、そして9月には野外ライヴ「青とメメメ」の開催を発表している。また、野田洋次郎(Vo.&Gt.)はソロプロジェクト・illionでも活動中と、楽しみな話題がまだまだ続きそうだ。
【文:山口哲生】