現在、全国ツアー「LIFE　IS“REAL”2013?THE　LETTER　あなたに伝えたくて日?」を行っている中島美嘉から、ニューシングル「愛詞（あいことば）」が到着。中島みゆきが書き下ろしたこの曲は、中島美嘉の魅力――憂いと美しさが溶け合う声、切実な恋愛感情をナチュラルに伝える表現力――を改めて体感できるバラード・ナンバーに仕上がっている。

　3拍子のリズムのなかで広がる慈愛に満ちたメロディも素晴らしいが、この曲の芯にあるのはやはり歌詞。特に「わかる人にしかわからない　それでいい愛詞（あいことば）」というラインは彼女自身の生き方にしっかりと重なっていて、思わずグッと来てしまう。’01年のデビュー以来、中島美嘉は自らのスタイルを貫きながら活動を続けてきた。楽曲、ファッション、メイクなど、どのファクターにも彼女自身の美意識が色濃く反映されているのだ（その在り方はおそらく、彼女の恋愛観にもつながっていると思う）。そう、「愛詞（あいことば）」における圧倒的な説得力は、歌の内容と歌い手の人生が強く結ばれていることから生じているのだ。デビューから約12年。30代になった彼女はいま、生き様そのものを歌に投影できるシンガーへと成長しつつある??そんな手ごたえがハッキリと伝わってくる。

【文：森 朋之】