人気テレビドラマ・シリーズ『救命病棟24時』とDREAMS COME TRUEのタッグは、これまで「朝がまた来る」や「何度でも」などのヒット曲を次々と生み出してきた。『救命病棟24時』は救急医療現場で展開される命がけのドラマを描く。それだけに主題歌は、普通のポップスとはテーマ設定が大きく違ってくる。待ったなしの緊張感は、本音をむき出しにした生きることへの執着を引き出す。それゆえ吉田美和の紡ぎ出すリリックは、いつにも増して愛と苦しみをシャープに描き出す。今回の「さぁ鐘を鳴らせ」にしても、“なんてキツいんだろう　これが生きるということなら”と、J-POPとしては最上級のシビアなフレーズが歌われる。だが、それでも「さぁ鐘を鳴らせ」は聴き方によってはラブソングのように心に響いてくるのは、さすがドリと言うしかない。今、渋谷のセンター街を歩いていると、街頭スピーカーからこの歌がしょっちゅう流れてくるのだが、そのたびに若者でにぎわう雑踏の中でリアリティを持って“生きること”を歌えるアーティスト“DREAMS COME TRUE”の凄さを、改めて思ってしまう。

　またカップリングの「MADE OF GOLD-featuring DABADA-」は、あの有名なＣＭソングのメロディをモチーフにしたオリジナル曲。おなじみのフレーズだけに、吉田の声の魔力を実感できる珠玉の作品だ。

【文：平山雄一】