ここ数年ライヴは皆無。「現在作品を制作しているらしい」とのウワサは時折耳にしたが、ここ最近はそれすら途絶えていたので、"峯田君は、きっと音楽に興味がなくなっちゃったんだろうな..."なんて思っていた矢先に突如届けられた銀杏BOYZの新作。しかも今回も2枚同時発表だ。

　全曲スタジオ録音、既発シングルも全く新しい形に生まれ変わった、10曲入りの『光のなかに立っていてね』は、これまでの彼らの外的印象を色々な意味で壊す、縦横無尽でクロスオーバー、実に多彩な1枚。また、ライヴリミックス盤『BEACH』の方は、彼らのライヴに於ける臨場感や熱狂、緊迫感が匂いたってくる作品だ。

　「俺が見たいし、やりたいのは、ドキュメントも食いつぶすエンターテインメント。しかも、今回も2枚で2極面を出すことで本質を露わにしてみた。だから今回も両方を聴いて、ようやく本質が伝わると思う」とは峯田本人の言葉。
　確かに、これまでの銀杏BOYZを想像して聴くと、仰天したり、驚嘆することが多いだろう、この2作。だが、訝しがることなかれ。これぞ今の銀杏BOYZであり、ボーカル&ソングライター、コンセプトメイカーの峯田和伸なのだと、聴き終えた際にははっきり思える自分に出会えるはずだ。

　残念ながら現在メンバーは峯田一人となってしまったが、意志や意義、思いや願いはきっちりとレコーディングに参加した4人のメンバーぶん、この2作には詰まっている。
　「銀杏BOYZはこれからも続ける。終わらせるわけにはいかない!!」と力強く語ってくれた峯田。<形態や音楽性、伝達メゾッドは変わろうが、伝えたいこと、伝えるべきことは変わっていない!!>。この2枚からは、そんな<銀杏BOYZ臭>がプンプン匂いたってくる。

【文：池田スカオ和宏】