レビュー
morioni | 2015.02.17
2月17日、その正体が公になった“morioni”。昨年末にUSENで楽曲が解禁されて以降、口コミでその存在が広がり、リリースが待たれていた新人・男性デュオだ。
この新人の正体は、森友嵐士(T-BOLAN)と鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)。前述した噂の1曲「サヨナラは歩き出す」でデビューする。
別れと出会いをテーマにした「サヨナラは歩き出す」は、圧倒的なマジョリティーを持ったバラード。作曲・編曲を手掛けたのは、GReeeeNの「キセキ」などを手掛けたJINだ。
ピュアなメロディー。シンプルな譜割り。ピアノを効果的に使ったアレンジ。日常的な言葉で紡ぎだす歌詞。どれも“歌うこと”を大切にしたファクターだ。
どれもとことん王道の要素。しかしながらこれは、ボーカリストの力量が無ければ曲として成立しないファクターばかりである。
2人のボーカルがあってこその圧倒的なマジョリティーなのだと思う。
両者とも少し鼻に抜けるウェットな歌い回しを得意としていながらも、声質の差やニュアンスの違いで異なる表情を見せていくが、面白いのは、はっきりと違いがわかる部分と、わからない部分があるところ。ボーカルの1人が、もう1人に声を似せて寄り添っていく(おそらくoniさんの方が、moriさんの方に寄り添っていると思われます)部分があり、その重なりは、ただのハモりやユニゾンとは趣の違う独特のスケール感になっている。
そういえば。ネットニュースを賑わせた“morioni”の正体解禁ですが、その記事によれば“morioni”の今後の活動を匂わす発言もチラホラ。次の曲も聴いてみたいと思わせるロック・デュオの今後が気になる。
【文:伊藤亜希】