レビュー

LinQ | 2015.04.27

 多種多様なアイドルが乱立し混迷極める中、先日Zepp Fukuokaでの結成4周年記念ライブを成功させ新たなフェーズに突入した福岡のアイドルグループLinQ。グループ内に18歳以上のお姉さんチームLadyと高校生以下を中心とするQtyという2つのチームを持ち、ライブやアルバムで大人っぽさと可愛らしさの両面を見せられるのが彼女達の大きな武器なのだが、魅力的な2チームが故に1つのグループとして勝負するシングルの表題曲に関しては、可愛い曲、カッコいい曲、2チームそれぞれのメインバージョンを出すなど今まで試行錯誤してきた部分があった。しかし昨年9月に新たな風を起こす“特命プロデューサー”企画第一弾と名打ち、でんぱ組inc.プロデューサー福嶋麻衣子を起用し発売した「ウェッサイ!!ガッサイ!!」でその悩みは遂に解消。博多弁を取り入れたソウルファンクナンバーは2つのチームの魅力を見事1つに合体させ“楽しい曲”というジャンルでグループの更なる可能性を提示した。

 その第二弾となる今作「ハレハレ☆パレード」はナオト・インティライミをプロデューサーに指名。“楽しい曲”を得意とする彼らしい派手で陽気な楽曲は、前作路線を大幅に拡大しサンバ、アフロビート、EDMとあらゆるジャンルのお祭り感を盛った事で、ライブに行って自分も一緒に盛り上がりたくなる気持ちを聴き手に起こさせてくれるような、楽しさを最大限に引き出した上がりっぱなしのパーティーチューンになっている。

 カップリングの「BATON」はピアノとストリングスのみのシンプルな構成で、合唱コンクールの課題曲になってもおかしくないようなチャレンジ曲。個々のソロパートから始まり中盤以降合唱になる歌声からは、成長したメンバー一人一人の気持ちが伝わり、彼女達から大切なプレゼントを渡されたような気持ちになる至高の一曲だ。対照的に「Bang Bang LinQ Island」はアップアップガールズ(仮)などの楽曲でもお馴染みのmichitomoがアレンジを担当。ハイテンションサウンドの中からメンバーの名前や自己紹介が多少強引に(笑)次々と飛び出してくる愉快なメンバー紹介ソングに仕上がっている。更に同発の通常版には、LinQの楽曲を常に支え続けてきたメロディメーカーSHiNTAによる「V to ROAD」を収録。

  “起死回生でガンバーレ時間かかっても別にいいんじゃない?”と楽しげに踊りながら進んで行く「ハレハレ☆パレード」は、彼女達が目標として公言している マリンメッセでのライブへと確実に近付いている。

【文:山村 哲也】

tag一覧 シングル 女性ボーカル LinQ

リリース情報

ハレハレ☆パレード

ハレハレ☆パレード

発売日: 2015年04月29日

価格: ¥ 1,204(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

1.ハレハレ☆パレード
2. BATON
3. Bang Bang LinQ Island
4. ハレハレ☆パレード -instrumental-
5. BATON -instrumental-
6. Bang Bang LinQ Island -instrumental-

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