レビュー
KANA-BOON | 2015.05.06
KANA-BOON「なんでもねだり」
セルフ・パロディ「なんでもねだり」で、KANA-BOONはジャンプ・アップする
3月に行なわれた武道館ライブのアンコールで披露されたニューシングル「なんでもねだり」が、ついにリリースされる。その武道館では、鮪の解体ショーやイリュージョンなど、メンバーそれぞれがやりたい夢を実現。それこそ“なんでもねだり”を実行したのだった。
そもそもライブで「なんでもねだり」という新曲のタイトルが発表された途端、会場では大きな笑い声が起こった。それはKANA-BOONの人気ナンバーに「ないものねだり」という曲があるからだ。つまり「なんでもねだり」は、セルフ・パロディというわけだ。
ロックバンドが、自分たちのキャリアを客観的に見直し、笑いながら更新していくこと。それは最も健康な成長のプロセスだ。自分たちの作品を大切にし過ぎて、守りに入ったとき、バンドはスリルを失ってマンネリに陥る。
「なんでもねだり」は、アイドルが歌ってもおかしくないほどポップな作りで、♪わがままな君が好きさ♪と歌う。途中で♪アンアンアアンアーン♪とスィートな声でハミングする谷口鮪は、ポップシンガーとしての能力を全開にする。
「わがままな君が好き」という、一見、ロックバンドらしからぬメッセージ。しかしそれはちょっとシビアな「ないものねだり」があるお陰で、パロディとして成立する。かつてTHE BLUE HEARTS が「夢」という曲で、♪あれも欲しい これも欲しい もっと欲しい♪と歌って、夢見心地でつらい日々を乗り越える術を逆説的に教えてくれた。
さてKANA-BOONの逆説は、いったい何を目指しているのだろうか。素直な欲望を素直に歌うこのロックバンドには、“素直にジャンプアップする夏”が待っている。
【文:平山雄一】
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