ねごとの3rdシングル「Lightdentity/Re:myend!」は、2大タイアップの両Aサイドシングル

ねごと | 2012.08.08

 “想いをぶつける曲を作りたい”、というところから生み出された、ねごとの新たな一面を見せてくれた前シングル「sharp ♯」。ねごとにとって、1つの壁を乗り越えた1枚でもあった、同シングルの次に放たれるのは、“苦しいと思う悩み事も、きっといつか光に変わる”という意味が込められた「Lightdentity」と、“終わってしまった自分を、もう一度蘇らせよう”という意味の込められた「Re:myend!」というダブルAサイドシングルだ。

EMTG:今作はライヴ感のある、ねごとらしい両Aサイドシングルだなと。
蒼山:ですね。「Lightdentity」と「Re:myend!」は、両方ともベーシックは去年作った曲なんですが、メロと歌詞は今年に入ってから作ったんです。「Lightdentity」は、最初シンセの音じゃなくピアノの音で、もう少しゆったりしたテンポの曲だったんです。
EMTG:へぇ! 意外!
蒼山:そうなんですよ(笑)。まったく躍れるような曲ではなかったんです。でも、最初のキーボードのリフがとても印象的だったので、”もう少しそこをブラッシュアップさせていったら、ライヴで躍れる曲になるんじゃないかな?”と思ったんです。瑞紀(沙田)を中心に進めていったんですけど、【3拍子で躍らせたい】っていうのは、核にあったかな。あと、シンセの音は印象的な曲だなと。去年いろいろとライヴをやってきて思ったのは、”初めてライヴを見てくれるお客さんにも届く曲を作っていきたいな”ってことだったんです。「sharp ♯」もそうだったんですけど、”1回でも印象強く心に残せる曲を作りたい!!”って、すごく思うようになったんです。
EMTG:曲中にすごく印象的な場面が出てきたりするもんね。
蒼山:そうなんです。「Lightdentity」も、サビの前で一度落とすブロックを作ってみたりとかして、サビに繋げていってますからね。今までは、普通の流れでAメロBメロが来てサビって感じだったけど、そうじゃなくて、ブレイク部分を作ってみたりとか、ラストの大サビの部分は、みんなで歌ってもらえるようなところを入れてみたりして、ライヴを意識した曲作りをしていったんです。そうやってトラックを作ってから、歌詞とメロを当てはめていったんですけど、なかなかいいのが浮かんでこなくて。そしたら、そのタイミングで、リクルートの『ナースフル』のテレビCMのお話を頂いたんです。『ナースフル』って、看護師の転職のCMなんですよ。看護師が転職する際の、そこにある不安と期待のような想いを、自分たちの心情に重ね合わせてみたんです。
EMTG:同世代のナースも多いだろうからね。
蒼山:そうなんです。リアルな自分たちの心情を乗せて、歌詞をかいていったんです。
EMTG:なるほどね。今回歌詞のクレジットが“ねごと”になっているのは?
蒼山:歌詞を作るときに、「今の自分たちの気持ちを重ねたいんだ」ってメンバーに伝えて、3人からも意見をもらいながら書き進めていったので、そういうクレジット表記にしたんです。
藤咲:幸子(蒼山)が書いてくれた歌詞について、3人が想うことを言っていき、それをまとめながら歌詞にしていったんです。ナースでも私たちでも、みんな、生きていると“この先どうなっていくんだろう?”って考えることって日々あると思うんです。私たちもそんな時期はあったし、今もそんなことがあるし。でも、そういう想いを積み重ねてきた今だからこそ書ける歌詞になったんじゃないかなって思うんです。だからこそ伝わるんじゃないかなと。
蒼山:ねごとは、「sharp ♯」を作って少し変われたと思うんです。「sharp ♯」を作っている時期は、“ねごとってなんなんだろう?””自分たちをどう見せていけばいいんだろう?”って悩んでた時期でもあったので、そのままの感情が「sharp ♯」には入っているんです。「sharp ♯」が、闇の向こうにある光に向かっていく曲だとしたら、「Lightdentity」は、「sharp ♯」のツアーをしてきて、改めて、お客さんが自分たちのやったことに反応してくれた喜びと、4人でステージに立てていることの喜びや凄さを感じたことで、1本軸が出来たなって思うんです。「sharp ♯」の頃に闇の向こうで見ていた光の場所に、辿り着いて、自分たちが抱えているモノをみたときに、その自信をもっともっと強いモノにしていけるんじゃないかなって。まだ完成していない、そのままのねごとの気持ちを歌に出来た1曲になったと思いますね。
EMTG:Bメロの不思議な空気感がいいよね。
蒼山:Bメロは変拍子ですからね。めくるめく感じというか。鮮やかで、ちょっと不思議でっていう、ねごとらしさが出てる部分だと思いますね。
藤咲:すごくライヴ感もあると思いますね。楽曲的に、夏フェスを意識した曲調でもあるし、聴いてくれる人たちがライヴで体を揺らしてくれるのが見える1曲になったなって。いままでは、音を鳴らしていただけで楽しくてしかたないって感じだったんですけど、この曲は、聴いてくれる人のことを考えて作れたかなと。
蒼山:「Lightdentity」は、しっかりとノレるサウンドの上に、自分たちの想いを乗せられた1曲になったと思いますね。「Lightdentity」は、ライトとアイディンティティをくっつけた造語なんです。そこには、【今、苦しいと思う悩み事も、きっといつか、それは経験しておいて良かったと思える光に変わる】っていう気持ちを詰め込んだんです。
EMTG:「Re:myend!」はイントロにアジアっぽさを感じる曲だよね。
蒼山:そうですね。イントロとアウトロはあとから作り足した部分なんです。この曲は「sharp ♯」を作ってた頃に生まれた楽曲なんですが、中華っぽいイントロとアウトロをつけたことによって、洋楽っぽい流れがあって、ポップに振り切ったサビが、より栄えたかなと。この曲もすごくライヴ向きな1曲に仕上がったと思ってます。
EMTG:幸子さん(蒼山)の歌い方も特徴的だよね。
藤咲:語尾とか特徴的ですよね。なんか、ちょっと意地悪そうに歌ってるのが、すごく好きなんです(笑)。楽曲も、ちょっとパタパタしてるというか。ガシャガシャ感があるというか。
蒼山:おもちゃ箱をひっくり返した感じにしたかったんです。この曲は『放課後ミッドナイターズ』っていう映画の主題歌なんですが、映画を見せてもらって、”この曲の感じがすごく合うな”って。本当に寄せて書こうと無理したんじゃなく、自然と作品に寄り添いながら作り込んでいけたかなと。「Re:myend!」というタイトルも造語なんですけど、そこにも意味があって。【Re:】ってメールの返信とかでよく使われるじゃないですか。そこに、【終わってしまった自分を、もう一度蘇らせよう】ってとこに立ち返ったというか。「sharp ♯」の頃に抱えていた葛藤を乗り越えてきたからこそ、自分の中にあるはずの亡霊のような情熱と向き合えたんですよね。”もう一回、あの頃の自分と向き合ってみよう”と思えたということを歌っているんです。
藤咲:主人公が骨格標本という不思議な設定の映画なんですけど、映画のカラフルな感じにピッタリな歌詞と曲になったと思います。真夜中の学校がテーマになってる映画なんですけど、ちょっと笑ったり、ちょっと感動したり。本当におもちゃみたいな映画なんです。ワクワクしながら見れる映画だし、曲なので、ぜひ、楽しんでほしいですね。胸が躍るような曲でもあるんで、ライヴでも楽しんでほしい。
EMTG:M-3の「彷徨」は、少し気だるい雰囲気の曲だよね。
蒼山:この曲の基は3年前に作ったモノなんです。大学1年の夏合宿の時に、イントロのギターから作り始めていったんですけど、曲全体にムードとオーラがある曲だったので、最近もう一度煮詰めて作り上げたんです。切ない曲なんですけど、オシャレなコードを使っているので、少しいつもとは雰囲気の違う曲調に仕上りました。
EMTG:ベースのフレーズの動きも、この曲の肝になっていると思う。
藤咲:うれしいです。ありがとうございます! 今回も「sharp ♯」のときにお世話になったサウンドプロデューサーさんとご一緒させて頂いたんですが、いろいろと相談してすごく考えましたね。
EMTG:歌詞もすごくいい。詩的だよね。ド頭の“ぼくはといえば今日は”っていう言葉使いがすごくいい。
蒼山:ありがとうございます! 嬉しいです! いつもメロディを最初に書くことが多いんですけど、この曲は、その歌詞の部分を最初に思いついて詞先で書いていったんです。ねごととしての、自分探しがそのまま歌詞になったのかなって思ってます。
藤咲:まだまだ自分たち探しは続いていきますけど、いろいろな経験を通して、いろんな葛藤を乗り越えながら、その想いを歌詞や曲に変えていけたらいいなと思います。
蒼山:今回3曲を並べてみて後から思ったんですけど、3曲ともに“I”が入っていたんです。”意識せずともコンセプトシングルになったかな”って思っているので、ぜひぜひ、今のねごとのメッセージシングルとしても受け取ってもらえたら嬉しいです。

【取材・文:武市尚子】

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リリース情報

Lightdentity/Re:myend!(初回生産限定盤)

Lightdentity/Re:myend!(初回生産限定盤)

2012年08月08日

KRE

1. Lightdentity
2. Re:myend!
3. 彷徨

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