馬場俊英がキャリア初のオールタイムベストをリリース!

馬場俊英 | 2013.05.13

 デビューから17年。馬場俊英がキャリア初のオールタイムベスト『BABA TOSHIHIDE ALL TIME BEST 1996 -2013 ?ロードショーのあのメロディ』をリリース。自身が“今”の視点で厳選した全28曲には、初期の曲から最新のEPシリーズまで、代表曲がズラリ。加えて、新曲あり、再録曲あり、さらにはコブクロの小渕健太郎と9年前に共作した“ババコブ”曲まで初レコーディングされて収録。ベスト=過去ではなく、過去も現在も少し先の未来も提示されている、究極のBest of the Bestとなった。

EMTG:初期の曲から最新のEPシリーズまで、馬場さんの代表曲が揃った、まさにオールタイムベストな2枚組になりましたね。
馬場:そうですね。選曲は本当に大変でしたけど(笑)。選曲だけで1ヶ月ぐらいかかりました。最初はアルバムの中に入っている、ちょっと地味だけど思い入れのある曲とかも入れていこうかなって思ってたんです。でもやっぱりそれは違うかなとか、ああでもない、こうでもないっていろいろ考えて、最終的には定番的なところになったんですけど。でもこれは今のセレクションで、10年後に選んだらまた違う曲になるかもしれないし。そういう意味では“今”の気分が反映されたベストになったと思いますね。
EMTG:その中でも特に“今”の気分が反映されてると思うのはどの曲になりますか?
馬場:今回「ロードショーのあのメロディ」と「オセロゲーム」を再レコーディングしたんですね。「ロードショーのあのメロディ」はデビュー当時作った曲で、今歌ったらまた違う表現になるなっていうのがあったのと、ライヴを重ねていく中でアレンジもだいぶ変わってきたので、今の感じを一度形にしたいなと思って。あと、「オセロゲーム」はCDになっているのがアコースティック・バージョンしかなくて、バンド・バージョンも録ってみたかったということで再レコーディングしたんですけど。その2曲とかは特に“今”が反映されていると思います。
EMTG:今作にはコブクロの小渕健太郎さんと9年前に共作した「三つ葉のクローバー」も初レコーディングされて入っていますね。
馬場:そうなんですよ。「三つ葉のクローバー」は作った当時から気に入ってたんですけど、二人で作ったから馬場俊英のオリジナルアルバムに入れるのも何か違うし、コブクロのアルバムに入れるのも違うし、かといって急にそれ以外の形でCDを作るっていうのもちょっとおかしいし、みたいな(笑)。だからそれぞれのライヴで歌って共有する、みたいな不思議な曲だったんですよね。それが今回、こういう編集ものならあり得るねってことでレコーディングすることになったんです。ただ、最初は一人で歌うっていう案もあって。でも一人で歌うならやらなくてもいいんじゃないかとか、いろいろ考えていたら、小渕くんが「今やらないといつできるかわからないし、何とか形にしましょうよ」って、スケジュールも調整してくれて。ありがたかったですね。
EMTG:ちなみに小渕さんとは、この曲を作る前から仲が良かったんですか?
馬場:2003年くらいに出会って。でもそんなにしょっちゅう会ってたわけじゃないんです。出会ったのは、小渕くんが僕のCDを聴いてくれて、僕のホームページにメールしてきてくれたのがきっかけだったんです(笑)。
EMTG:それで、2004年に一緒にイベントに出ることになって、この曲を共作した、と。
馬場:はい。それまであんまり共作とかやったことがなかったので、緊張しながら(笑)。
EMTG:それを今回初レコーディングして、いかがでしたか?
馬場:小渕くんと久しぶりに一緒にものづくりをして、納得するまで追い詰めていくエネルギーって言うんですかね? それがものすごい迫力で。いやぁすごいなぁ!って改めて思いましたね。
EMTG:お二人のハーモニーもすごく綺麗で……ちょっとビックリしたのが、馬場さんと小渕さんの声って結構似てるなと。
馬場:自分達でも、どっちが歌ってるんだかよくわからなくなったりして(笑)。でも制作は本当に楽しかったし、春らしいポップな曲になってよかったなと思ってます。で、この「三つ葉のクローバー」っていうのは、どこにでもある平凡な存在でも出会いや縁に恵まれて力を持つよっていう歌なんですけど、僕が「平凡」とかで歌ってることと同じなんですよね、結果的に。だから今の曲と並べても違和感がないし、そこは発見でしたね。
EMTG:そして、今作には新曲も入っています。
馬場:はい。「向かい風は未来からの風」という曲です。これは最近作った曲で、大変なことを乗り越えた時に新しいものに出会えるんじゃないかっていうようなことを曲にしたんです。
EMTG:心に刺さる言葉がいっぱいあって、例えば“間違わないために 僕ら生きてるわけじゃない/恥をさらして ナンボじゃい”っていうフレーズも、あぁその通りだなぁと思ってグッと来ました。
馬場:まぁこれは自分の反省も含めてなんですけど、“失敗しちゃいけない”って思うと、思い切ったことができなくなったりするじゃないですか。例えば何か思いついても“これを言ったらどう思われるかな?”って考えて結局言わないとか。でもそれだと無難なことしかできなくなってしまう。それに、何か間違えたところで別に死ぬわけじゃないですからね(笑)。だから、間違えてもいいじゃないって。間違えて、もがいて、それでも前に進んでいけばいいんじゃないかなって思うんですよ。何かそういうことを若者だけじゃなくて、大人の人にも伝えたいなと思ったんです。
EMTG:そんな新曲を含めた全28曲。通しで聴いて改めて思ったのは、どの曲も全然古くなってないなと。最近の曲が古くないのは当然ですけど、だいぶ前に作られた曲でもいい意味で“時代”を感じさせない。ファッションや髪型だったら、10数年も前の写真を見たら古く感じて“こういう時代もあったよね”みたいになると思うんですよ。
馬場:それはたぶん、僕の音楽がオーソドックスだからじゃないかな。例えば料理で言うなら、流行りの調味料とか食材を使うんじゃなくて、大根とか味噌とかニンジン、ジャガイモみたいな、いつもあるものをオーソドックスに調理しているから、そういうふうになるんじゃないかなと思いますね。
EMTG:馬場俊英の曲は流行に左右されずに時代を超えていく、スタンダードだということですね。馬場さん自身は、こうやって28曲が並んだのを見て、どんなことを感じました?
馬場:まぁ、よくやってきたなぁって(笑)。その都度その都度できることをやって、こうやって振り返った時に、ちゃんと繋がってるというか、足跡になっていて。だから継続はやっぱり大事だなと思いましたし、これまで自分が思ったことしか歌にしてこなかったから、無責任なことはないなと思いましたね。
EMTG:このオールタイムベストを出して、“一区切り”という思いもありますか?
馬場:そうですね。ここからまた頑張っていきたいし、僕、あと何年かで50歳になるんですが、そういう意味でも新しいところに差し掛かろうとしているので、その世代にしか歌えない歌を作っていきたいなって、思っています。きっと30歳の時に思ったことと50歳の時に思うことは違うと思うんですよ。僕はその時々の気持ちを歌っていきたい。我々の世代でも頑張っている人はたくさんいて、それは派手なものではないけれども、日々一生懸命何かを乗り越えていると思うんですよ。そういう情景をうまく歌にしていきたいなって。
EMTG:期待してます! そしてコンサートと言えば、今、ツアーの真っ最中なんですよね?
馬場:そうなんです。4月から始まっていて、6月いっぱいまであるんですけど。ファイナルは久しぶりに日比谷野外音楽堂なので、集大成にしたいなと思っています。
EMTG:6月だと野音は気持ちよさそうですね。
馬場:晴れたら気持ちいいですよね。でも6月は梅雨なので微妙ですけど(笑)。これまでの野音は毎回降ってるんですよ(笑)。
EMTG:雨男なんですか!?
馬場:でも大丈夫。野音は雨を基本に考えていますから(笑)。

【取材・文:赤木 まみ】

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リリース情報

BABA TOSHIHIDE ALL TIME BEST 1996-2013〜ロードショーのあのメロディ(初回限定盤)

BABA TOSHIHIDE ALL TIME BEST 1996-2013〜ロードショーのあのメロディ(初回限定盤)

2013年05月15日

ワーナーミュージック・ジャパン

<THEATER1:ROAD MOVIE>
1. スタートライン (Album version)
2. いつか君に追い風が
3. 君の中の少年
4. ボーイズ・オン・ザ・ラン (2002 version)
5. 向かい風は未来からの風
6. 青春ラジオ
7. スニーカードリーマー
8. オセロゲーム (2013 version)
9. 平凡 (Edit version)
10. 悲しみよ、明日の星になれ
11. 君はレースの途中のランナー (Single version)
12. 働楽~ドウラク
13. 勝利の風
14. 弱い虫

<THEATER2:LOVE STORY>
1. ただ君を待つ
2. 一瞬のトワイライト
3. 三つ葉のクローバー
4. 今日も君が好き (Album version)
5. 小さな頃のように
6. 世界中のアンサー (Single version)
7. 明日の旅人 ~Live at 大阪城野音2010.06.27~
8. 君がくれた未来
9. 二十年後の恋
10. 鴨川
11. 待ち合わせ
12. 明日に咲く花
13. 遠くで 近くで
14. ロードショーのあのメロディ (2013 version)

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あおさ
「あおさ」というのは、乾燥した海藻みたいなもので、お味噌汁とかに入れるとすごくおいしいんですよ。たまたま大分の空港で買って帰ったらおいしくて、もう一度食べたいと思って検索したんです。お取り寄せしようと思って。でも検索したら、いろんな産地の「あおさ」がバーッと出てきて、すごい迷っちゃって、結局まだお取り寄せしてないんですけどね(笑)。

■ライブ情報

BABA TOSHIHIDE LIVE BEST 2013 ?ロードショーのあのメロディ
2013/05/15(水)大阪フェスティバルホール
2013/06/15(土)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館)

BABA TOSHIHIDE ACOUSTIC CIRCUIT 2013 ?ロードショーのあのメロディ
2013/05/25(土)EBCビビットホール(愛媛)
2013/05/26(日)高松オリーブホール
2013/05/30(木)大阪市中央公会堂 大集会室
2013/06/01(土)東京キネマ倶楽部

日比谷野音90周年記念『野音でピース!2013』
2013/06/23(日)日比谷野外音楽堂

BABA TOSHIHIDE LIVE TOUR 2013 秋冬』
2013/11/09(土)野洲文化ホール(滋賀)
2013/11/16(土)京都劇場(京都)
2013/12/01(日)NTTクレドホール(広島)
2013/12/07(土)イムズホール(福岡)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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