馬場俊英、9分超の大作のEP2「犬はライオンになりたくない」をリリース!
馬場俊英 | 2012.08.02
馬場俊英のEP2(感じたことをすぐ歌にして届けるEXPRESS CD第2弾)が到着した。「犬はライオンになりたくない」というユニークなタイトルの本作は、自分は自分でいいんだよというメッセージを軸に、身近にあるさまざまな風景をスケッチした9分超の大作だ。熱を持った馬場の歌声が豪快に、軽快にドライヴする。またカップリング3曲も三曲三様に秀逸で、なかでも「ころんで立ち上がるときの顔が好きだ」は苦労人・馬場俊英の温かい視点に泣ける。すべての人にぜひ聴いてもらいたい充実の1枚となった。
- EMTG:前作「平凡」に続いて、今回の「犬はライオンになりたくない」も9分超えの大作になりましたね。
- 馬場:別に長くしたいわけじゃないんですけどね(笑)。必然性があって、と言いますか、この曲は歌詞が先にできたんですよ。それで、削るとこは削っていきながら、時間のことはそんなに気にしないで作っていったらこうなったって感じです。
- EMTG:サビにもなっている“犬はライオンになりたくない”というユニークなフレーズは、どういう発想から生まれたんですか?
- 馬場:今回も前作に引き続き須藤晃さんにプロデュースしていただいたんですけど、須藤さんとの会話の中で「他人(ひと)と比べて不安になるのは人間ぐらいだよね。犬はライオンになんかなりたくないもんね」みたいな話になって。そこからひらめいて、この曲が生まれたんです。犬は犬、人は人、君は君、自分は自分でいいんだよって。
- EMTG:馬場さんご自身も、他と比べて不安になったりすることはありますか?
- 馬場:例えば、○歳までにそろそろこうなってなきゃヤバイとか、世の中にそういうのっていろいろあるじゃないですか。突き詰めるとそれってなんだかよくわからないものなんだけど、漠然とそれがプレッシャーになってるってことは結構ある気がしますね。で、なんでそういうのが気になるんだろうって考えたことがあるんですよ。それで思ったのは、結局、自信の問題なのかなって。人間、自信のないことに関してはやっぱり不安になるし、人の意見も気になるじゃないですか。逆に、自信があれば大概のことはどうでもよくなったりする。だから“自分はこれなんだ!”って思えれば、そこでどっしり構えていられるのかなって。とはいえ、頭ではわかっていても現実はなかなかね(笑)。なので、この曲はみんなに向けてるのと同時に、自分に向けてるところもありますね。
- EMTG:レコーディングはどうでした?
- 馬場:この曲は一発録りだったんですよ。いつもライヴをやってる気心の知れたメンバーと一緒に。だから結構あっというまに終わって。その場の熱とか勢いを重視したので、ドライヴ感のある歌と演奏になってるんじゃないかなと思います。
- EMTG:確かに。ただ、ライヴで歌うのは結構大変そうですね。言葉もぎっしり詰まっている曲だから。
- 馬場:(5月?7月の)アコースティック・ツアーで歌った時は、歌詞を間違えても誰もわかんなかったと思うんですよ、まだCDが出てなかったから(笑)。でもこれからはね、大変というか、間違えられないですね(笑)。
- EMTG:そして2曲目の「HALF」。これはカントリー・テイストのロックチューンで。
- 馬場:はい。人生の真ん中あたりまで来ると、ちょっと疲れてくる頃だと思うんですけど、“いやいや、まだ半分だよ。折り返し地点のここから、さぁもう1回スタートだ!”っていう気持ちを歌ってます。
- EMTG:同じ背中を押してくれる曲でも、20代が歌う“頑張ろう”と40代が歌う“頑張ろう”では、その中身も深みもだいぶ違ってくるんだなと今回改めて思いました。
- 馬場:そうですね。若い世代の人たちっていうのは、やり方がわからなくて悩んでたりすると思うんです。でも、もっと上の世代の人たちは“やり方はわかってる、でもそれができないからツライんだよ”っていうことだと思うんですよ。だから道を説くのは違うと思うし、「犬ライオン(犬はライオンになりたくない)」にしても、この「HALF」にしても、まず“それでいいんだよ”っていう肯定をしてから、“じゃあどうする”っていうところに近づいていければいいのかなって。
- EMTG:馬場さんの歌って、そうやって肯定感が根底にあるから、すごく沁みるんですよね。今作の4曲目「ころんで立ち上がるときの顔が好きだ」にしても、ころんで立ち上がろうともがいてる人を肯定した上で温かいメッセージが綴られていて。思わずその優しさ温かさに泣きました!
- 馬場:そう言っていただけると嬉しいです。僕、ころんで必死に立ち上がろうとしてる人とか、一回負けて、それでもまたフィールドに戻ってくる人って好きなんですよ。それだけで胸に訴えかけてくるものがあるというか。“おまえはダメだ、ダメだ”って言われて、それを受け入れるのって苦しいじゃないですか。でも逃げたらそこで終わってしまうし、現状を受け入れないと先には進めない。そういう苦しい時間を過ごしてる人を応援したいってすごく思うんですよね。
- EMTG:馬場さんもこれまで、順風満帆というよりは山あり谷あり、いろんなものを乗り越えて進んでこられたと思うんですけど。
- 馬場:そうですね。
- EMTG:その時に一番ご自分を支えたもの、モチベーションとなったものって何だったんでしょう?
- 馬場:それが自分でもずっとわからなくて。最初の頃は“ファンの皆さんに支えられて”みたいなことを言ってたんですよ。もちろんそれは嘘じゃないし、すごく大きなことではあるんですけど……でもそれだけじゃできないなっていう結論に達したんです。じゃあ何か?って言ったら、自分を導いてくれたのは、自分の作った曲だなって。自分がいいと思える曲を作れたら、それをみんなに届けたいっていうエネルギーにもなるし、“あ、自分はできるんだ”っていう自信が湧いて元気にもなる。憂鬱な時でも曲ができると嫌なことを忘れてたりもするし。だから曲ができることは、それがみんなに受け入れられる受け入れられないにかかわらず、自分にすごいプラスのエネルギーを与えてくれるんだなって感じるんですよね。
- EMTG:じゃあ、これからもご自分がいいと思える曲を作ってはみんなに届けるっていう、その繰り返しで70歳80歳まで。
- 馬場:そうですね。あの…、ヒット曲をたくさん持ってて、それでずっとやっていく人っているじゃないですか。一方で、ヒット曲がたくさんあっても新作を作り続ける人もいる。で、後者は古い曲を歌っていても何か錆びてない気がするんです。ウッディ・アレンとかも80代なのにまだコンスタントに映画を作り続けていて、何がそうさせるのかな?って思うんですけど。そういうのにすごく憧れるんですよね。だから僕もその時その時でいいと思えるものを作り続けながら、どこまでも進んでいけたらなって。
- EMTG:新作を発信し続ける80代の馬場さん……いいですねぇ!
- 馬場:ははははは。
- EMTG:そんな日も楽しみにしつつ……でもそれより前に、楽しみにと言えば、11月からまた全国ツアーが始まりますね!
- 馬場:はい。春夏はアコースティックだったんですけど、秋冬はバンドスタイルでやります。で、実は11月にEP3を出す予定なんですよ。なので、EP1,2,3の集大成としてのツアーになるので、そちらの方も楽しみにしていてください。
【取材・文:赤木まみ】
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お知らせ
アイスノン
最近暑くて寝苦しいじゃないですか。でも冷房は苦手なんで、アイスノンを買い増ししようと思って、検索しました。でも調べてみると、すごいいろいろあるんですよ。材質だけでも固いものから柔らかいものまで。で、同じ柔らかいタイプでも、ブランドによっては10時間冷たさが持つものとか、3時間で常温に戻ってしまうものもあったりして。いろいろ比較検討した結果、白元っていうブランドの氷みたいにカチカチに固くなるタイプを足の裏に、同じく白元のシリコン系の柔らかいタイプをクビの後ろに当てて寝るのがベストだ!と。そういう結論にたどり着きました(笑)。
■ライブ情報
馬場俊英 LIVE TOUR 2012 ~スーパーオーディナリー~
2012/11/09(金)やまと郡山城ホール(奈良)
2012/11/16(金)イムズホール(福岡)
2012/11/18(日)大津市民会館
2012/11/23(金/祝) club G(岐阜)
2012/11/24(土)BLUE LIVE(広島)
2012/11/25(日)BLUE LIVE(広島)
2012/11/30(金)Monk(松山)
2012/12/02(日)名古屋市公会堂
2012/12/08(土)NHK大阪ホール
2012/12/12(水)渋谷公会堂
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