ねごと、ニューシングル『シンクロマニカ』に込めた“つながり合うトキメキ”
ねごと | 2013.11.14
- 蒼山幸子(Vo・Key):「シンクロマニカ」は、1年前にもう出来上がっていた曲で。去年の夏の終わり、瑞紀の家に、みんなで泊って曲を作ってて、その中の1曲。サビのメロディーがいいから、ブラッシュアップしていこうってなって、オケや歌詞を練り直して、今の形に落ち着いて。そんな中、6月くらいに『ガリレイドンナ』のお話をいただいて。いくつかあるデモの中でも「シンクロマニカ」がすごく合うって言っていただいて。それで今回のシングルに決まったんです。
- EMTG:印象的なタイトルですが、これは、言葉と言葉をくっつけてたんでしょうか?
- 幸子:これは“シンクロ”と“ロマニカ”をくっつけてて。“ロマニカ”っていうのは、ロマンティカから来てる。元々の言葉を崩して“ロマニカ”にしたんですね。
- EMTG:なるほど。そういう言葉にした意図は?
- 幸子:シンクロする……共鳴する、気持ちがつながる。そこに方法論は無いし、目に見えないし。形にできないことじゃないですか。でもだからこそ、近付いた時にトキメキがあるんじゃないか、と。その近付いていく過程を楽しもうよって気持ちで、タイトルをつけました。
- 藤咲佑(B):それこそ『sharp ♯』(セカンドシングル。2012年4月発売)あたりから、悩んで、ずっとずっと(リスナーや観客と)近づきたいって言ってたんですけど、でも『5』(セカンドアルバムのタイトル。2013年2月発売)全国ツアーを回っていく中で、どんどんみんなと近づけていってる感じがしてて。それをちゃんと、ねごとの曲として表現することができたのが、この曲だと思うんです。
- EMTG:ではそれぞれに。“シンクロする”状態、つながっていると感じる瞬間って、どういう時ですか?
- 沙田瑞紀(G):うーん……人と話している時、そういうこと、意識したことはなくて……。
- EMTG:そうだと思います。ゆえに、ちょっと皆さんに、考えてみていただきたいな、と。
- 瑞紀:はい(笑)。なんか……例えばテレビとかを観ていて笑った時、みんなも笑ってたとか。みんなも同じ気持ちで笑ってるんだなって思った瞬間、すごく嬉しい。あと、みんなが悲しんでいたら自分も泣いちゃう、みたいな。そういう瞬間に、つながった感じはします。言葉を介してじゃなくて、心が一緒の瞬間というか。
- 幸子:お互い、正直でいられているのは、関係性としてすごくいいなと思いますね。私は、人に対して、結構構えちゃう方なんですけど(笑)、正直に言ってくれる人は、すっきりしていていいなと。その人の中には、遮るものが最初から無いから。そういう状態でこっちに向かってくれる時点で、つながるかなって思うことができるから、すごく嬉しいなと思うんですよね。
- 小夜子:あの……正直、あんまり人とつながってるって、感じたこと、あまり無いんですよね(笑)。すみません。
- EMTG:いいですよ。まったく問題ないです。
- 澤村小夜子(Dr):(笑)。私、言葉でつながりたいって言っても、心の底までは絶対につながるのが無理だって思ってて。でも逆に、つながれないからこそ、面白いんだなと思っているんです。そういう中でも、音楽とだったら、つながれるというか。この間も「クレーター」(byメレンゲ)って曲を聴きながら、オリオン座流星群を見てたんです。そうやって、自分の世界を作って、その中で「今、すごく音楽とつながってる」って感じることはあります。
- 佑:ライヴ中に思うことなんですけど……私、結構、笑いながら弾いてる時も多いんです。そうすると、お客さんがみんな観てくれて、たまに目が合うと、その子達もニコッて返してくれる。「あ、今、目線合ったよね?」みたいな。そういう……今、一緒に楽しんでるよねって思う瞬間は、気持ちが通じあってるなって思うし、すごく嬉しいんですよ。こっちももっと笑っちゃうし。
- EMTG:カップリングの1曲に、「ばらの花」(くるりのカバー)を収録した理由を教えていただけますか?
- 瑞紀:ツアーが終わった後のミーティングで 「もっといろんな挑戦をしたい」って話が出てきて。そのひとつが原点回帰だったんですね。私達がまだコピーバンドだった頃って、すごく大切な原点だな、と。シンプルに音楽が好きで、この4人で音を鳴らすのが好きでやってたし、そこにすごく夢を持っていた。この時期があったから、今があるんですよね。だから、カバーしたいな、と。洋楽は前にやったし、じゃあ邦楽でみんなが知ってて、ねごとの原点である曲って何だろうって考えたんです。
- EMTG:なるほど。原点回帰で邦楽、で、くるりが出てきた。
- 瑞紀:そうですね。“ねごと”ってバンド名は、じつはくるりさんから来ていて。平仮名で覚えやすいってところで。だから、くるりさんがいいんじゃないかって。くるりさんとは、1度、2マンをやらせていただいたことがあって、その時「ばらの花」をやったんですね。当時はカバーってよりは、ただのコピーって感じだったんですけど(笑)。「ばらの花」って、いろんな方がカバーしているし、世の中に愛されている曲だから。いいよね、やりやすいねって、やることに(笑)。
- 佑:前はホント、コピーだったんで、そこにねごとの色を入れる作業が面白かったですね。例えば「ばらの花」って、最初のイントロの音が印象的だったりするじゃなないですか。そのフレーズ抜きでも、すごくいい曲だって伝えたいな、と。ねごとが演奏しても、いい曲だって思ってもらえるものを作るっていう。そこはすごく大変だったけど、同時にすごく楽しくて面白かったですね。
- 小夜子:この「ばらの花」は、音源ではいろいろ入っているんですけど、ライヴでやる時は、幸子がピンボーカルで、楽器は3人だけなんですね。昔、ねごとを組んだばっかりだった頃は、幸子はピンボーカルだったんで、ライヴ中、ちょっと当時を思い出したりしましたね。
- 幸子:でも昔は、縦ノリの……頭をふるみたいな動きしかできなかったんですけどね(笑)。
- 瑞紀:激しいだけだったよね(笑)。
- 幸子:そう。間奏どうしようって感じで(笑)。でも「ばらの花」はリズムが、そういう感じじゃないから。そこに合わせて、体を動かして呼吸をすると、歌がすごく気持ち良く歌えるなぁ……みたいな発見はありました。「あぁ、私、こういう歌も歌えるんだ」って思って。楽しかったですね
タイトルからして、彼女達らしい“こだわり”と“遊び”を予感させる逸品だ。助走からランナーズハイに向かうような末広がりのスピード感&スケール感が魅力のアップチューン。構成や展開のフレキシブルさも相変わらずだが、非常に軽やかな印象が残る。突っ走っているというよりも、飛び跳ねながら走ってる感じ。
この春、全員大学を卒業し“ねごと”に専念することになった彼女達。2月?5月にかけてのロングツアーを終え、束の間の休日を過ごした後、4人が集まり最初に話したことは“次のねごと”のことだったそうだ。
「みんなでご飯食べに行って。普段4人だけで飲んだりしないんですけど、その時は飲みました(笑)」(幸子)
さあ、ねごとの新しい物語が、始まる。
【取材・文:伊藤亜希】
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ビデオコメント
リリース情報
お知らせ
●蒼山幸子(Vo・Key)
灯台 写真集
最近図鑑に凝っていて。図鑑を見ていたら、自分が灯台を好きなことに気がついたんです。「灯台」って言葉も好きで。「灯(ともしび)」って言葉が好きなので。だから写真集ないかなと思って検索しました。
●沙田瑞紀(G)
マッドハニー
まさにさっき調べたんですけど、なんか、ずっとマッドハニーって調べてる。(佑「持ってる。CD貸すよ」瑞紀「ほんと?持ってる?」)今ちょっと、グランジあたりを聴いてて調べてて。その流れです。
●藤咲佑
温水プール 住所
自分の住所入れて、住んでいる近くの温水プールを調べてました。最近、ウォーキングとか楽しいなと思ってやってて。その延長線上でプールで歩くとか泳ぐのも楽しいかもって。
●藤村小夜子(Dr)
触覚
アンケートを書いてて。「触覚」って書きたくて、漢字を調べました。ウィキ●ディアで調べたので、節足動物などの頭部から……って説明も読んだり(笑)。
■ライブ情報
ねごと お口ポカーン!! 〜SYNCRONIGHT TOUR〜
2013/11/12(火)名古屋 CLUB QUATTRO
2013/11/13(水)大阪・梅田 CLUB QUATTRO
2013/11/16(土)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。