秦 基博、直感に導かれたニューシングルは8ビートの秦流ロック!
秦 基博 | 2014.04.17
- EMTG:「ダイアローグ・モノローグ」の曲作りは、どんな風に始まったんですか?
- 秦 基博:8ビートのギターの刻みを基にしてメロを作ってるうちに、これには4つ打ちのリズムが合うなと思ったんです。それでCOILの佐藤洋介さんに相談したら、ドラムのいい音源集をプレゼントしてくれた。ハメてみたらカラーがよかったんで、自分の部屋でプリプロしてみたんです。そうしたらウーリッツァ(エレピ)の音色が合うとか、こんなシンセを入れてみようかとか、アイデアが広がっていったんです。
- EMTG:「ロックをやろう」っていうより、もし秦くんが8ビートのギターの刻みで曲を作ったらどうなるかっていう実験?
- 秦:実験っていうことはないですけど、どうなるかなって(笑)。
- EMTG:そのあたりが秦くんらしい(笑)。
- 秦:ずっと8ビートが鳴っていて、2コーラス目でエレピが出てきたり、その後どうするかとか。なるべく音の数を少なくしてっていう“差引”を考えて、自分でアレンジしました。
- EMTG:その差引に沿って、ボーカルも前半はクールで、後半に行くほどエモーショナルになるのが面白かった。
- 秦:時間が進むに従って変化する、ドラマ性のあるアレンジを やってみたくて。ボーカルも、当然クールさであったり、熱い部分だったりが出て来る。だからボーカルを録るマイクもそれに合わせて選びました、歌のタイトルも対話だったり、ひとり言だったりするので。飾り過ぎることなく楽器を構成して。
- EMTG:最後に出て来るシンセの音色も、すごくよかった。
- 秦:あまりエレクトロっぽくなり過ぎないように、生と打ち込みの中間くらいのニュアンスで、シンセは皆川(真人)さんに弾いてもらいました。デモではシンセもベースも自分で弾いてたんですけど、スタジオの現場でいろんな弾き方をしてもらって、その中から自分の頭の中のイメージに近いものを選べたのもよかったですね。
- EMTG:なんだかすごく冷静に、“次の秦 基博”を模索している感じだね。
- 秦:ツアーをやり切ったところで、前作の『Signed POP』を離れてフラットに作った4、5曲の中の一つがこの「ダイアローグ・モノローグ」なんです。
- EMTG:その流れでは、自分でアレンジすることも大事な要素だったんだ。
- 秦:そうです。もちろん誰かにお願いすることもできたんですけど、自分でアレンジしているので、整っているように見えて、どこかイビツなところがある。それがオリジナリティになると思いました。
- EMTG:確かに普通のJ-POPの“刻みロック”じゃないね。
- 秦:偏っていてもいいから、僕の頭の中にある音の方に、 ミュージシャンの方々に集まってもらったっていうやり方でした。
- EMTG:結果、今までにない耳触りの歌になった。
- 秦:『Signed POP』の中の「Girl」っていう曲は昨年コマーシャルでも有線でもよく流れていて、それで僕のでことを初めて知った人も多かったと思うんですけど、それと同じことをやっても意味ないし、かといって裏切り過ぎてもいけない。そのバランスの中で「ダイアローグ・モノローグ」を作った。今まで聴いてくれた人にも、新鮮なんじゃないかと思います。
- EMTG:カップリングの「五月の天の河」は、とてもスイートなラブソングだね。
- 秦:“星”をモチーフにした歌は、これまであまり書いてないんですよ。都会で暮らすようになってから、じっくり星を見たりしてないですからね。自分へのお題として“星”を選んで、デモでは星が瞬いているようなピアノのフレーズを入れて。もっとバンドっぽいアレンジもできたけど、「ダイアローグ・モノローグ」とは対照的に、16ビートでやってみようって。
- EMTG:それで“星”なんだ。
- 秦:遠距離恋愛の歌なんですけど、遠くから逢いに来て、2時間一緒にいて帰って行くっていうのが、どこかでライブに通じてる。今年、2年ぶりに「GREEN MIND」ツアーをやるので、アコースティックなライブで響くことを念頭に作りました。《名前もない星の明り?君とまた見られるように》って、ライブの場面で歌うことを想像しましたね。なので、ツアー・メンバーでレコーディングして。今まで「GREEN MIND」は新しいトライをする場だったんですけど、地方の野外でやったりしてて、 大都市を回っていない。今回はいろんな場所でやります。4人でツアーするので、サウンドをがっちり固めるというより、音の少ないセッション的な内容になると思います。弾き語りもたっぷりやっちゃおうかな、とか。
- EMTG:それは楽しそう!
- 秦:それに『Signed POP』の曲はまだ「GREEN MIND」でやっていないので、アコースティック・バージョンでやります。新旧織り交ぜたセットリストになると思うので、聴きにきてください。
- EMTG:ありがとうございました。
イントロでエレキギターの刻むビートが聴こえてくると、「おっ、ロックじゃん」と思わず声に出してしまった。秦流ロックは、曲が進むにしたがって、楽器の編成や歌い方が変化していくスタイリッシュな構成。2014年の秦 基博は、このシングルから始まる。
前作アルバム『Signed POP』でストレートなポップにチャレンジして新生面を切り拓いた秦は、一度フラットなスタンスに戻ってニューシングル「ダイアローグ・モノローグ」を作ったように感じる。ストーリー性のあるアレンジには、そうした秦のアーティストとしての直感が強く働いていて、彼自身、次なるステップをその直感に委ねて探しているように思う。そして、そうしたトライでさえ、完成形にしてしまうのが秦 基博なのだ。「ダイアローグ・モノローグ」=対話とひとり言。彼の新しい物語の始まりだ。
【取材・文:平山雄一】
リリース情報
ダイアローグ・モノローグ(初回生産限定盤)[CD+DVD]
発売日: 2014年04月23日
価格: ¥ 2,300(本体)+税
レーベル: AUGUSTA RECORDS / アリオラ・ジャパン
収録曲
[CD]
1. ダイアローグ・モノローグ
2. 五月の天の河
3. ダイアローグ・モノローグ <Backing Track>
[DVD]
「BEST OF GREEN MIND 2008?2012」
1. 風景
2. キミ、メグル、ボク
3. 今日もきっと
4. 鱗(うろこ)
5. 朝が来る前に
6. 夜が明ける
7. 1/365
※2008年より“アコースティック”をテーマに開催して来た「GREEN MIND」のライブ映像から7会場7曲を年代順に収録。
リリース情報
[DVD]Hata Motohiro Visionary live 2013 -historia-
発売日: 2014年04月30日
価格: ¥ 6,000(本体)+税
レーベル: AUGUSTA RECORDS / アリオラ・ジャパン
収録曲
1.Hello to you
2.やわらかな午後に遅い朝食を
3.今日もきっと
4.青い蝶
5.初恋
6.アゼリアと放課後
7.Girl
8.メトロ・フィルム
9.Dear Mr.Tomorrow
10.Lily
11.dot
12.言ノ葉
13.グッバイ・アイザック
14.花咲きポプラ
15.パレードパレード
16.スプリングハズカム
17.自画像
18.綴る
19.風景
[encore]
20.アイ
21.ドキュメンタリー
※Blu-ray(初回生産限定盤 / 通常盤)も同時発売!
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ビデオコメント
お知らせ
Hata Motohiro presents an acoustic live
“GREEN MIND 2014”
2014/04/30(水)フェスティバルホール
2014/05/01(木)フェスティバルホール
2014/05/04(日・祝)よこすか芸術劇場
2014/05/06(火・祝)サンポートホール高松
2014/05/11(日)札幌市民ホール
2014/05/15(木)福岡市民会館
2014/05/17(土)広島 上野学園ホール(旧ALSOKホール)
2014/05/23(金)秋田市文化会館 大ホール
2014/05/25(日)市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)
2014/05/30(金)東京エレクトロンホール宮城
2014/05/31(土)新潟県民会館
2014/06/04(水)大宮ソニックシティ
2014/06/08(日)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2014/06/11(水)NHKホール
2014/06/12(木)NHKホール
2014/06/18(水)フェスティバルホール
2014/06/19(木)フェスティバルホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。