ファンキー加藤、初ソロアルバム、大特集! 全4回の集中連載。
ファンキー加藤 | 2014.08.15
- EMTG:「太陽」は日本テレビ系水曜ドラマ『ST赤と白の捜査ファイル』の主題歌として書き下ろしたんですね?
- ファンキー加藤:そうです。ドラマのストーリーについてのお話を聞いた時に、「君を守りたい」っていうワードが頭の中に浮かんで、「人を守る」っていうところに特化した曲を作ろうと思ったんです。そのテーマについて深く考え、一緒に作った川村結花さんとも話し合いながら形にしていきました。
- EMTG:「守りたい大切な人の存在が自分を強くしてくれる」っていうことを描いているのが印象的ですが。
- ファンキー加藤:それは僕がライブ中にステージ上で感じることなんですよ。ああいうライブをリハーサルでもやれと言われたら無理。ファンのみんながいるからこそできるんです。みんなは愛おしい大切な存在であり、守りたい存在。そういう人たちを目の前にすると自分でも驚くくらい120%の力を出せることがあって。人間って大切な人の数だけ力を出せるのかなと思うんですよね。
- EMTG:曲を作る上で川村さんとはどんなことを話し合いましたか?
- ファンキー加藤:川村さんはまず僕の言葉を欲していたんです。「何でもいいから、バラバラの単語でもいいから」っていうことをおっしゃっていました。だからざっくりしたイメージをお伝えして、それを下地に2人で相談しながら作っていきました。
- EMTG:加藤さんって想いを真っ直ぐに届けてくれるアーティストですけど、そういう面がすごく発揮されている曲だと思いました。
- ファンキー加藤:僕としてもすごく心を寄り添わせることができる曲です。レコーディング中もすごく集中できました。最近、僕、レコーディングブースの冷房を切るんですよ。汗だくになって歌うんです。
- EMTG:なぜ?
- ファンキー加藤:その方がよりライブ感が出るということに気づいたんです。その反面、超疲れるんですけど(笑)。でも、それが性に合うんですよね。僕はテクニカルなことができないからメッセージを最短距離で投げかける歌い方を心がけているんですけど、そのためには汗だくになって体温を上げる感じがいいのかなと。だから僕が歌った後のレコーディングブースはすごく汗くさいと思います。(笑)
- EMTG:男子柔道部の部室のような?
- ファンキー加藤:そう。だから「申し訳ないな」と思って消臭剤とか吹いたりして(笑)。
- EMTG:その内、歌う前に鍋焼きうどんとか食べるようになるんじゃないですか?
- ファンキー加藤:ほんと、そうなる気がしています。あるいはキックボクシングのトレーナーさんにミットを持ってもらって、息を上げてから歌うとか(笑)。
- EMTG:なるほど(笑)。すみません。少し脱線しちゃいましたね。歌詞に関しては《運命とか奇跡とか そんな言葉に逃げるのはやめよう》っていうのも印象に残りました。
- ファンキー加藤:「運命」とか「奇跡」とか、僕も使いがちなんですよね。でも、この曲を書いた瞬間には自然とこういう言葉が出てきたんです。「大切な人を守るっていう気持ちはそういう大層なことでもないだろう。もっとシンプルで身近なところにあるものなのかな」っていう気持ちがあったんです。
- EMTG:興味深い視点です。
- ファンキー加藤:実は、この部分は川村さんと意見が食い違ったというか。「女性は運命とか奇跡っていう言葉は好きだけどね」っておっしゃっていました(笑)。でも、「川村さん。ファンキー加藤の“今”を考えた時に、そのワードを使うと逃げ道になるのかなと思うんです」というお話をしました。「運命」とか「奇跡」とか呼びたくなる出会いや幸せが訪れることはもちろんありますけど。でも、それは自分が選んだ道の上にあったものなんですよね。だからそういうワードで表わすのも違うのかなと。
- EMTG:加藤さんは歌詞もストレートな表現をすることが多いですけど、美し過ぎる表現でまとめることに対しては抵抗がありますか?
- ファンキー加藤:その感じ、たしかにありますね。気をつけています。たまに書いてしまうこともあるんですけど、周りのディレクターさんやスタッフさんが止めてくれますよ。僕も薄々気恥ずかしさを感じている場合があるから、「やっぱり?」ってなりますけど(笑)。
- EMTG:ストレートな表現をしつつ、気恥ずかしさを覚えるきれいな表現でまとめ過ぎないっていうバランス感覚が、ファンキー加藤節なのかも。
- ファンキー加藤:そこはやっぱり考えます。誰かの人生に寄り添っていけるような楽曲じゃないといけないということも思いますし。そういう気持ちは最近、より強まっています。僕はその人の人生を先導していくようなものは書けない。「斜め後ろ45度くらいに曲が寄り添っている」っていう感じのものの方が自分の場合は良いのかなと思うんですよ。
- EMTG:全力投球のストレートでありつつ、誠実であるための抑制も心がけている表現者ということですね。
- ファンキー加藤:そうなのかも。まあ、ライブは別なんですけど。ライブは正面から聴いてくれる人とぶつかり合うような、大相撲のようなスタイルが好き(笑)。でも、曲はそれとはまた別のところにあって欲しいという気持ちがありますね。
- EMTG:「太陽」はドラマで流れるわけですけど、やっぱり独特な感慨がありますか?
- ファンキー加藤:ありますね。ソロになってからドラマの曲は初めてですけど、自分の曲が自分のものじゃないように聞こえるんですよ。いい意味で俯瞰で聴けるというか、ドラマのスパイスとして自分の曲を聴く体験なんです。それが不思議だし嬉しいんですよね。
- EMTG:ドラマの放送がある日の夜は、ご実家でお母様もきっとソワソワしていますよ。
- ファンキー加藤:絶対そうですよ。ウチのおふくろ、ファンキー加藤が大好きですから(笑)。そうやって応援してくれるおふくろも僕の太陽です。幸せですよ。太陽がたくさんあって。
- EMTG:では、カップリングのお話に移りましょうか。「FLY」はフジテレビ系『めざましテレビ』の水曜日のデイリーテーマソングですよね?
- ファンキー加藤:そうです。「輝け」と同時期に作っていたんです。先にTVで流していながらここまでなかなかリリースしなかったのって、あんまりなかったケースかも。
- EMTG:朝に聴くのが気持ちいいタイプの曲ですよね。
- ファンキー加藤:この曲でイメージしたのはOLやサラリーマンのみなさんです。朝、会社に行く前に重たい気持ちでTVを観ているかもしれないじゃないですか。そういう人たちに「よし。今日も頑張ろう!」ってちょっとでも思ってもらえるようなものにしたかったんです。
- EMTG:応援する気持ちって、やっぱり加藤さんの創作の重要な源ですよね?
- ファンキー加藤:それはでかいですね。僕自身、音楽ってそういうものだと思うんです。それがリスナーとしての原体験だったりもするので。決して応援するということだけが音楽の本質ではないですけど、少なくとも僕の中の音楽はそこが大きいんです。
- EMTG:加藤さんのキャリアの中で、今後もいろいろな応援歌が生まれるんだと思います。
- ファンキー加藤:そこはスタッフさんともよく話をしています。「逃れられない宿命」というか(笑)。一番しっくりくるんですよね。
- EMTG:数十年後とかに「世界一応援歌を歌った男」としてギネスブックに載るかも(笑)。
- ファンキー加藤:それ、いいっすね(笑)。いい目標だと思います。
- EMTG:続いて、3曲目の「ヒマワリノユメ」のお話も。これは伸びやかなスカ風味のサウンドが気持ちいいです。
- ファンキー加藤:デビューシングルからずっと花をモチーフにした曲(「桜 ふわり ふわり」と「紫陽花」)が続いているんです。だから今回はヒマワリになりました。ヒマワリありきで作り始めましたね。表題曲の「太陽」がバラードだから、こっちはカラッとしたものにしたというイメージもありました。カラッとしているけどちょっぴり切ないラブソングになりました。
- EMTG:ライブで気持ち良く盛り上がれそうです。
- ファンキー加藤:ライブでぜひ歌いたいですね。みんなでモンキーダンスとかしながら(笑)。何気に「ひまわり」で韻を踏んでいるのも気に入っているところです。
- EMTG:8月は今回のシングルのリリースの他、ソロでの初の夏フェス出演もあるじゃないですか。夏フェスに対してはどんな想いがあります?
- ファンキー加藤:今まではインストアライブとかも含めて、僕のことを好意的に受け止めてくれる人たちの前でしかやっていなかったんですよね。でも、夏フェスっていろんなお客さんの前でやる機会。正直言って不安や恐怖心もあるんですけど、「そういう場でもちゃんとファンキー加藤でいられるか? ファンキー加藤の歌を真っ直ぐ歌うことができるか?」っていう刺激は必要なんです。そういうものを日本武道館の前に感じておくのは、絶対にプラスになると思っています。
- EMTG:日本武道館も楽しみです。
- ファンキー加藤:日本武道館もやったりますよ!
- EMTG:僕、ファンモンの初日本武道館について話す時、「お客さんのノリがすごくてお堀の水があふれた」ってよくホラを吹くんですけど、今度もそれくらいのものになりそうだなと思っています。
- ファンキー加藤:僕も「ファンモンの日本武道館の時は屋根のタマネギが傾いた」って言っていました(笑)。今回もそれくらいのライブをしますよ。普段はネガティブなところがある僕ですけど、ステージ上のファンキー加藤は相当強いんで大丈夫だと思います。
- EMTG:そして、日本武道館の前には1stソロアルバム『ONE』もリリースされますが、期待しているファンのみなさんに何か予告できることはありますか?
- ファンキー加藤:純度100%ファンキー加藤のアルバムですよ。ソロの作品ですから僕の分身。愛着という点だと今までのものの中で一番あります。ジャンル、言葉のチョイス、感情もカラフルな1枚になったという自負があります。
- EMTG:ブログで「エッチな曲をレコーディングしました」って書いてあったのを見たんですけど。(笑)
- ファンキー加藤:作りました(笑)。ファンモンの「アワービート」とか「Say!Joy!」とかに続くあの感じです。英語ダブルミーニングシリーズの第3弾。事務所の社長に「今回、ストレート過ぎない?」って言われたくらいの曲(笑)。純度100%ファンキー加藤のアルバムですけど、そういうファンモンの魂もちゃんと引き継いでいますよ。
9月3日にリリースされる待望の1stアルバム『ONE』のリリースを記念して週1回更新、全4回の集中連載がスタート! 第1回目は3rdシングル『太陽』についてのインタビューをお送りする。「大切な人を守るというのは一体どういうことなのか?」というテーマを深く掘り下げた表題曲「太陽」。一歩を踏み出す勇気とエネルギーを爽やかに届ける「FLY」。伸びやかなスカサウンドが心地よい「ヒマワリノユメ」……収録されている3曲にこめられた想いとは? そして、間近に迫った日本武道館公演、アルバムについてもファンキー加藤が語ってくれた。
【取材・文/田中 大】
■次回、集中連載第2回は、ファーストソロアルバム『ONE』について
第2回目はこちら
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お知らせ
「I LIVE YOU 2014」in 日本武道館
2014/09/19(金)日本武道館
2014/09/20(土)日本武道館
カルピスソーダ presents ファンキー加藤 白熱 ALL STANDING LIVE!
2014/09/29(月)なんばHatch
2014/10/01(水)Zeep Tokyo
ファンキー加藤×TSUTAYA 1stアルバム『 ONE 』発売記念スペシャルライブ
2014/11/05(水) 都内某所
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2015/02/21(土)【和歌山】和歌山県民文化会館
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2015/03/01(日)【愛知】名古屋国際会議場センチュリーホール
2015/03/07(土)【広島】広島市文化交流会館(広島文化学園HBGホール)
2015/03/08(日)【山口】周南市文化会館
2015/03/14(土)【埼玉】大宮ソニックシティ
2015/03/15(日)【埼玉】大宮ソニックシティ
2015/03/27(金)【香川】香川県県民ホール(アルファあなぶきホール)
2015/03/29(日)【高知】高知県立県民文化ホール・オレンジホール
2015/04/04(土)【大阪】大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
2015/04/05(日)【大阪】大阪国際会議場 (グランキューブ大阪)
2015/04/11(土)【岩手】盛岡市民文化ホール 大ホール
2015/04/12(日)【秋田】秋田県民会館
2015/04/18(土)【奈良】なら100年会館
2015/04/20(月)【兵庫】神戸国際会館 こくさいホール
2015/04/25(土)【大分】iichikoグランシアタ
2015/04/26(日)【長崎】長崎ブリックホール
2015/04/29(水・祝)【熊本】市民会館崇城大学ホール
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2015/05/10(日)【福島】郡山市民文化センター 大ホール
2015/05/16(土)【新潟】新潟県民会館
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