“WE ARE ONE”のメッセージをより深く体現した、TRICERATOPS「第一回おとといミーティング」
TRICERATOPS | 2011.04.25
会場入口にはメンバー手書きのメッセージボードと“トライセラ募金ボックス”が設置。19時を回り、“限定96名(!)”というプラチナチケットを手にしたオーディエンスが足早に入場する中、メンバー控え室から世界に向けて映像配信がスタート。固定カメラに向かってマイケル風ダンスなどをしておどけてみせるメンバーたち。開演15分前にはメンバー3人とライター森田恭子氏がソファに座ってフリートーク。その模様を場内のモニターを通して見ながら、ライブの始まりを待つ。
19時半、いよいよライブスタート! 大きな歓声と拍手が沸き起こる中、客席を通ってステージへ。通常のライブハウスとは違い、ステージを見下ろす特異な作りのMusic&CafeDiner。最前列のオーディエンスとメンバーとの距離は、2メートル足らず! 定位置に着いた途端、“近いねー!みんなとも近いけど、俺たちが近いねー”との和田の第一声に爆笑。
心躍る軽快な「プレゼント」でオープニングを飾ると、場内はすぐにハッピーな空気感が充満した。“被災地で頑張っている皆さんへ、この曲を捧げます。この気持ちが届きますように。俺たちは1つです”と言い、力強いサウンドと想いのこもった歌声で「Fly Away」を演奏した。アコースティックというシンプルな構成によって、3人が紡ぐ音と歌がよりダイレクトに観る者の心に伝わってきた。1曲演奏し終わる度にトークを挟みながら、ゆったりとステージを繰り広げていく。“皆さん居心地はどうですか?”と吉田が聞くと、拍手で答えるオーディエンス。
連載・おとといミーティング定番の“フリーコーナー”に突入すると、「君の瞳に恋してる」や「ROCK WITH YOU」(マイケル・ジャクソン)、「カブトムシ」(aiko)など、オーディエンスからのリクエストや和田の“趣味”で次々と演奏。どこかかしこまっていたメンバーたちも、TRICERATOPS本来のノリ、フリーなスタイルに。吉田と林はビールを注文。アートホームな雰囲気の中、場内は笑顔と笑いにあふれ、メンバーもリラックスムード。和田が鼻歌まじりに口笛を吹き、“リラックスしすぎじゃね?”と吉田から突っ込まれる場面も(笑)。
そして、もう1つの定番コーナー“森田氏からの課題曲”を披露。第1回目の今回は、RCサクセションの名曲「スローバラード」(80年)がリクエスト。“ロックの宝的な存在の曲なので気合い入れてやらせていただきます。天国の清志郎さん、見ててください”と言い、力強くギターをかき鳴らす。リスペクトを込め、トライセラ流に昇華させて演奏。早速、次回の課題曲、岡村靖幸の「イケナイコトカイ」(88年)も発表された。そして、松たか子への提供曲「惑星」を披露。バンドでは未音源化ということで、トライセラ・フリークも大喜び。ライブ直前のフリートーク中、即興で歌い始めた“♪西麻布の向こう~ きっとそこにあるよ~ どこかに忘れて来てしまったものがあ~る”も再び飛び出し、もはやこの企画ライブのテーマ曲に!?
Ustreamでの映像配信は「TATTOO」まで。チケットを買って会場に足を運んでくれたオーディエンスのためだけに、さらに演奏は続く。どこか切ないメロディが印象的な「Fall Again」では、和田が“コードを間違えた”と言い、演奏後にその部分だけをやり直すことに(笑)。オーディエンスにとっては嬉しいミスプレイとなった。アッパーなダンスチューン「Future Folder」で熱のこもった演奏を聴かせた後、“もう1曲いきますか!”と和田。そして“日本は大変な時だけど、俺たちは1つです。今こそみんな力合わせて、さらにいい時代にしましょう”とメッセージし、ポジティブなパワーにあふれた「あのね BABY」を披露して“12-Bar”は終了。
こんな時だからこそ、何もかも超越して繋がろうという“WE ARE ONE”のメッセージをより深く体現した一夜となった。
【取材・文:牧野りえ】
【撮影:山本倫子】
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