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松たかこがサプライズ出演!!TRICERATOPSの第3回”おとといミーティング”!!

TRICERATOPS | 2011.08.01

6月なのに真夏のように暑い。西麻布SweetEmotionでのTRICERATOPSの "12-Bar" の3回目は「GUATEMARA」から始まった。

奥行きと深みのあるドラム、浮遊感のあるベース、マジカルなギター、そして自在なフェイクを交えてのセッションを導入部として、印象的なイントロへ。真夏の夜の夢の中へと誘っていくような幻想的なオープニングだ。こうしたシュールなテイストも彼らの音楽の魅力のひとつ。ファンキーなロックナンバー「WARP」ではまさにワープするように一瞬で会場内の空気が静から動へと変化していく。アコースティック編成でのこの切れ味、この躍動感はすごい。白熱の演奏に観客からも歓声。椅子から腰が浮きそうだ。体内及び脳内はライヴハウスオールスタンディング状態。

「夏が始まっちゃったもんだから、ジャケットはきついね。でも脱ぐのは我慢しようかな。脱ぐと、黄色すぎるから。みんなの気分がセクシーにならないと、オレは黄色くなれないんだよ」と和田。色に例えると、深みのあるブルーと表現したくなったのは「NEW LOVER」だ。愁いを帯びた歌声と陰影のある演奏に聴き惚れた。が、余韻に浸っているヒマはない。イェイイェイイェィと突発的にaikoのモノマネをして、和田が「カブトムシ」を歌い出したりする。もちろんすぐに林も吉田も参加して演奏する。心のおもむくがままにトークし、演奏していく。アドリブ満載、道草もOK。前回に引き続いて、「ウルトラソウル」高音チャレンジコーナー(?)もあった。「バラードハ好キデスカ?」という言葉に続いての「何気ないSUNDAY」は淡々としているのに、グルーヴィーで、ハーモニーもいい感じだ。何気ないけど、さすがの演奏。

"12-Bar"の見どころのひとつとなっているのは森田恭子氏からの宿題曲。今回はYEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」なのだが、すぐに始まらずに、美川憲一の「さそり座の女」へ。さそり座の男、吉田が魅惑のボイスを披露してから、「Swallowtail Butterfly ?あいのうた?」へ。オリジナルは曲と映画、物語が一体となって独自の世界観を形成していたが、TRICERATOPSバージョンでは純粋に音楽的な魅力が浮き彫りになっていた。ひとつひとつの音にエモーションをしっかり込めていくような集中力のある演奏が見事だった。歌心を持っているバンドだからこそのカバー。和田のボーカルもソウルフルだ。優しさやせつなさだけではなくて、強さも含んだ歌声がグッと入ってきた。
その後に発表された次回宿題曲は沢田研二の「恋のバッド・チューニング」。意外性のある選曲だけに、彼らがどう料理するのか、楽しみだ。次回は秋開催とのことで、「読書の秋、食欲の秋」と和田が言うと、「アンジェラ・アキ」と林のダジャレが飛び出す。くだらないんだけど、おもしろい。彼らのトークには“無用の用”のような魅力がある。フリーコーナーでは観客からのリクエストをつのりつつ。「Star Jet」に続いて、「エベレスト」を演奏し始めたのだが、歌詞を忘れてしまったのか、全然歌えない。観客に教えてもらっても、ぐだくだで歌えない。と思ったら、これは仕組まれた演出だった。

「話は聞かせてもらった!」という声が鳴り響き、助っ人参上といったSEに乗って、ゲストで松たか子が登場。こうした手作り感のある演出がこの場にはよく似合っている。「エベレスト」は彼女もお気に入りの曲とのこと。清々しくて、凛とした彼女の歌声がこの曲にみずみずしい息吹きを吹き込んでいく。和田とのハーモニーもいい感じだ。逆にTRICERATOPSがお気に入りだという彼女の作品で、彼女が作詞作曲を手がけた「Time for music」も披露された。いい歌といい演奏が真っ直ぐ入ってくる。今の時代に深く響いてくる。さらに和田からの提供曲でもある「水溜まりの向こう」。TRICERATOPSの人なつこい演奏と彼女の健やかな歌声との相性も抜群。音楽的にはもちろん、人間的にも絶妙のコラボレーション。そんな印象を受けたのは温かな空気が伝わってきたから。

 彼女が去って、客席のハンドクラップをきっかけとして「JEWEL」、さらに「ロケットに乗って」へ。希望の歌、未来への道を示す歌もたくさん演奏された。未知のステージへ、エベレストへ、水溜まりの向うへ、新たなる航海へ、グルッと夜空へ。最後に演奏されたのは「Any Day」だった。映画やミュージカルのエンディングにも合いそうなジャジーで小粋な歌。でも歌詞は深みがあって、さりげなく歌われるからこそ、すっと入ってくる。未来への入り口は特別な場所にあるのではなくて、日常のすべての瞬間の中にあるということが伝わってくるような鮮やかなエンディングだ。そしてもうひとつの鮮やかなエンディング。夜空に輝く月のように、最後の最後には和田唱も黄色くなっていた。

【 取材・文:長谷川誠 】

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リリース情報

WE ARE ONE -CERTIFICATE-

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2010年12月29日

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