前へ

次へ

TRICERATOPS、15周年ツアーのファイナルは日比谷野外音楽堂!

TRICERATOPS | 2012.08.08

 7月18日に『DINOSOUL-BEST OF TRICERATOPS-』をリリースしたばかりのTRICERATOPSが、6月から行ってきた“15TH ANNIVERSARY TOUR”のファイナルを7月21日、日比谷野外音楽堂で迎えた。何とその日は、彼らが15年前、シングル「Raspberry」でデビューした日! しかも、日比谷野音で彼らがワンマンライヴを行うことは初めて! そんな“これまでとこれから”が交差する記念すべき瞬間を目撃すべく、客席はびっしりと埋め尽くされた。

 開演時間が近付くと、自然と起こったハンドクラップに迎えられて、アニバーサリーに相応しくスーツ姿の3人が登場! 1曲目は、雨が止んだ野外に相応しい「GOING TO THE MOON」。そして和田唱(Vo&G)の「ハロー、日比谷! ワン、ツー!」というカウントで「I GO WILD」へ。サビでは和田は、客席にマイクを向けて笑顔を見せる。さらに、「今日は俺たちの15歳の誕生日。ロマンティックに攻めたい」と和田が言い、ハーモニーが光る「シラフの月」、甘いメロディと和田のジェントルなお辞儀がシンクロして見えた「if」、渋味たっぷりのギターソロを轟かせた「MILK&SUGAR」と、勢いだけではない魅力を見せていく。続いては、《Yeah Yeah》というオーディエンスが歌う「Silly Scandals」、さらに思いきり踊らせる「FEVER」と続け、一体感を生み出す。絶妙な流れだなあ……と思っていたら、「今日はみんなとの距離が近いけど、ここでもっと近付こうと思います」という和田の言葉から、アコースティック・コーナーへ突入。「最初は「Raspberry」でデビューって言われても変化球だから突っぱねてね。佳史がこれがデビュー曲にいいんじゃない? ってアイディアを出したんだけど、却下されて(笑)。結果オーライだったけどね。その時に佳史が提案したのが、この曲です」と、和田が秘話を披露してはじまったのは「プレゼント」。演奏後に林幸治(B)に「たくさんデパート行ったね」と歌詞を間違えて繰り返してしまったことを突っ込まれた和田が「伊勢丹に行って西武に行って……」と返していたのが、可笑しかった。そして「デパートに行ったら、公園にも」と「Walk In The Park」、「別れの歌の後は、仲直りでしょ」と「仲直り」と、物語を綴るようにアコースティック・コーナーを締め括った。

 その後は、「Fly Away」で上昇気流を作ると、インプロを織り交ぜた「MIRROR」と、林幸治と吉田佳史(Dr)によるソロコーナーの流れで、圧巻のテクニックを見せていく。そして和田が合流してからは《夢の続きをきっと見せるよ》と歌う「SHORT HAIR」、《君に恋してんだ》と歌う「Jewel」と、こんな日だからこそ、なお響く楽曲を畳み掛け、ラストは「ROCK MUSIC」に、ロックの名曲カヴァーのメドレーを挟んで披露。ビートルズの「デイ・トリッパー」、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」などなど……15年を経て、ロックンロールを牽引していく存在となった彼らの現在が表れていた。

 アンコールでは、まずは壮大に「僕らの一歩」。そして和田の「歴史の一部になってくれてありがとう。歴史は続きます」という言葉からはじまったのは、もちろん「Raspberry」! それでも止まない拍手に、ダブルアンコールで現れた和田が、「今回のツアーで、TRICERATOPSは3人だけじゃないんだなって思いました。みんなぜひ、これからもメンバーでいて欲しいな」と言うと、会場にいる全ての人たちで「トランスフォーマー」を大合唱して締め括った。

 《ラズベリー踊ろうよ それで全て上手くいく》――リリース当時は、そんなに簡単にはいかないよ、と意地悪を言いたくなった「Raspberry」の歌詞。しかし、彼らは15年間、どんなロックンロールもポジティブな力に変えて、その事実を体現してきたのだ。笑顔で踊りながら、彼らへのリスペクトが膨れ上がっていくような、感慨深い夜だった。

【取材・文:高橋美穂】
【撮影:山本倫子】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル TRICERATOPS

関連記事

リリース情報

DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-

DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-

2012年07月18日

tearbridge international

1 Fever
2 Guatemala
3 Going To The Moon
4 if
5 2020
6 Rock Music
7 Jewel
8 僕らの一歩
9 トランスフォーマー
10 Walk In The Park
11 Loony’s Anthem
12 シラフの月
13 Forever
14 I Go Wild
15 Happy Saddy Mountain
16 Startin’ Lovin’ (with May J.)

BONUS TRACK(※初回盤のみ)
17 ハートとダイヤのマグカップ

このアルバムを購入

セットリスト

15TH ANNIVERSARY TOUR
2012.7.21@日比谷野外音楽堂

  1. GOING TO THE MOON
  2. I GO WILD
  3. シラフの月
  4. if
  5. MILK & SUGAR
  6. Siily Scandals
  7. FEVER
  8. プレゼント
  9. Walk In The Park
  10. 仲直り
  11. Fly Away
  12. MIRROR
  13. SHORT HAIR
  14. Jewel
  15. ROCK MUSIC ~メドレー~
ENCORE
  1. 僕らの一歩
  2. Raspberry
ENCORE 2
  1. トランスフォーマー

お知らせ

■ライブ情報

Spitz × VINTAGE ROCK std. presents
新木場サンセット 2012

2012/08/9(木)新木場STUDIO COAST

宮沢和史 寄り道四十七次~花鳥風月~ ※和田唱のみ出演
2012/08/12(日)KBSホール

lessthan* LOVE vol.5 ※和田唱のみ出演
2012/08/26(日)Shibuya gee-ge

中島卓偉「アコギタクイ“フェス”スペシャル2012」
※和田唱のみ出演

2012/09/16(日)SHIBUYA-AX

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る